熊野古道殺人事件
- あらすじ -

浅見と藤田編集長は車で和歌山へ。安珍清姫縁起絵巻で有名な道成寺を取材していると、石段で、日除けの日傘を差した美しい女性とすれ違った。藤田編集長は、見とれて、ぼーっとしている。道成寺の取材の後、浅見と藤田編集長は新宮大学の松岡教授の元を訪れる。松岡教授は浅見らを「補陀落渡海」の起点とされる名刹、補陀落山寺に連れて行く。熊野の地は昔から「補陀落(ふだらく)」の地と言われている。「補陀落」とは古代インドのサンスクリット語で、観音浄土の極楽、つまり、理想郷、ユートピアを意味する。貞観10年(西暦868年)、慶竜上人が那智の浜から小舟に乗って渡海上人になった。平安の慶竜上人から江戸の宥照上人まで、約850 年のあいだに21名の渡海上人が旅立っている。同行72人の名も墓碑銘に刻まれ、すべて上人様として崇められている。 裏山の渡海上人の墓所。 1722年以降、幕府によって、「補陀落渡海」は禁止されている。「補陀落渡海」を再現しようとしている中心人物は、松岡の研究室助手の岳野春信(塩野谷正幸)だという。岳野と学生たち(野沢、井坂、容子)と研究生の新保宏美たちは、先人たちのように滝行を続け、「補陀落渡海」再現のための準備を続けているという。渡海船も中古の小船に改造を加えて、先月の末に完成した。

那智の滝。絵筆を手にした女性がキャンバスに日本一の名瀑を描いている。松岡の妻の小百合(とよた真帆)だ。小百合によると、2時間前に岳野たちは、那智の滝を詣で、その後、本宮大社にお詣りして、中辺路を巡航するらしい。浅見は岳野たちに合流して、計画を中止するよう説得しようと考える。
舟で瀞峡川下りをする浅見と藤田編集長。藤田編集長は「舟はいいね」とご機嫌だ。すると、川に死体が流れてきた。
田辺警察署の磯島刑事(阪田マサノブ)たちに川岸で事情を聞かれる。死亡推定時刻は昨日の夕方6時前後だという。死体の顔を見て、浅見は道成寺ですれ違った女性だと気づく。浅見は田辺警察署に連れて行かれるが、浅見が浅見陽一郎刑事局長(榎木孝明)の弟だとわかると、磯島刑事たちの態度は一変する。

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