熊野古道殺人事件
- あらすじ -

女性の遺体は岳野マキ(野村五十鈴)。岳野春信の妻だった。夫の岳野がやってきて、遺体の顔を確認する。岳野は本宮町の大学の施設に学生たちと合宿していたため、昨日のマキの行動について知らないという。マキが道成寺で浅見らに見かけられたことを告げられるが、岳野は反応がない。浅見が「補陀落渡海」を中止するように言うが、岳野は「松岡教授も余計なことをした」とにべもない。
中辺路の岳野家での葬儀。松岡教授と小百合夫人、研究生の律子、宏美、学生の野沢、井坂、容子たちが参列している。
岳野家の前で、浅見は磯島刑事から、マキが道成寺で護摩焚きをして、その後、御坊の姉の家に泊まったと聞く。翌日、姉の家を午後2時頃、出たが、死亡推定時刻の夕方6時前後までマキの足取りは不明だ。マキは念願の子宝に恵まれたと思ったら流産して、それ以降、精神的に不安定だったようだ。

浅見は岳野に「補陀落渡海」を中止するよう説得を試みるが、岳野や学生たちの決意は固い。
那智の浜の宮。渡海上人に扮した岳野が渡海船に乗り込もうとしている。随行の白装束の宏美、野沢、井坂、容子たち十数人。285年ぶりの再現とあって、見物客や取材陣も多く集まっている。沖合の綱切島まで伴船がえい航して、そこで、引き綱を切る予定だ。引き綱を切った後は、そのまま熊野灘を漂って、海の藻屑だ。
だが、実は岳野の計画はパフォーマンスで、宏美たちのモータボートが岳野を救出する予定だったのだ。しかし、救出された岳野はモータボートから突如、海に落ちた。浅見と藤田編集長が海に潜り、岳野を救出する。だが、浅見らの救助の甲斐なく、岳野は絶命する。
解剖の結果、岳野から毒物が検出された。毒物は船に用意されていた水から検出された。

果たして、岳野春信や妻のマキの死の真相は?浅見光彦が藤田編集長と事件の謎に迫る。

■出演
中村俊介/伊東四朗/小倉久寛/榎木孝明/とよた真帆/夏八木勲/野際陽子/ほか

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