熊野古道殺人事件
- あらすじ -
浅見家。ルポライターの浅見光彦(中村俊介)が机でうたた寝をしていると、母の雪江(野際陽子)が「軽井沢のセンセから電話ですよ」と呼ぶ。浅見が電話に出ると、内田康夫先生(伊東四朗)は「電話じゃ説明できないから、軽井沢に来てよ」と言う。軽井沢に住む内田は、浅見がまとめた事件簿を小説に書き下ろしたこともあり、家族ぐるみの付き合いだ。
浅見が軽井沢の内田邸を訪ねると、浅見がルポを書いている「旅と歴史」の藤田編集長(小倉久寛)もいた。内田の相談は「補陀落渡海(ふだらくとかい)」についてだった。熊野古道殺人事件 「補陀落渡海」とは、人間を棺桶の様な小船に乗せて沖合はるかに流し、南紀の熊野那智から海を渡れば、補陀落という理想郷へ行けるという考えだ。内田の親友の大学教授の松岡正史(夏八木勲)は宗教史の専攻で、4年前に東京の東都大学から和歌山の新宮大学に迎えられた。松岡には若い妻がいる。松岡のゼミの学生たちが、その「補陀落渡海」を再現する計画を立てており、内田に中止するよう説得して欲しいと頼んできたのだ。
「補陀落渡海」の再現は1週間後。松岡は内田が熊野古道を題材に書きたいと言っていたので、取材を兼ねて、学生たちを説得して欲しいというのだ。内田は1日待って欲しいと頼んだ。内田は新作の脱稿で忙しく、旧知の浅見に学生たちの説得を代わりにやってほしいと言う。藤田編集長も「今、取材を予定している安珍清姫の道成寺も同じ和歌山だから…」と援護射撃をする。 浅見家。歴史に強い母の雪江もさすがに「補陀落渡海」について知らない。雪江は光彦の探偵ごっこは元はと言えば、内田先生のせいだと不満顔だ。電話が鳴り、雪江が出ると、見知らぬ女が「ルポライターの浅見さんにお伝え下さい。南紀の旅行はとりやめにしたほうがいいです」と言って、電話を切られた。
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