耳なし芳一からの手紙
- あらすじ -

浅見家。母親の雪江(野際陽子)は光彦の探偵ごっこに相変わらずあきれ顔だ。被害者の名前を聞いて、「その方の奥様は四谷の女子学園の先輩の奥平依江さんじゃないかしら」と言う。奥平依江(池内淳子)は田園調布の実業家と再婚したというのだ。
家政婦の須美子(藤田瞳子)が浅見にお客様だと呼びに来た。果奈だった。浅見のツテで出版社にアタックしたいという。「旅と歴史」編集長の藤田(小倉久寛)に果奈が漫画を見せると、試験採用になり、歴史マンガの企画ものを1本発注するという。
永野仁一郎の葬式が行われているお寺。浅見が母の雪江を伴って、参列する。やはり、故人の妻は奥平依江で、雪江の憧れの人だったという。依江は十代で結婚して、最初のご主人の奥平は不幸にも戦死したという。依江は約半世紀ぶりの雪江との対面に驚き、しばらくお互いに見つめ合う。
境内の片隅。浅見は刑事たちから被害者の永野仁一郎についての情報を聞く。永野の家族は妻の依江と甥夫婦の継仁(大鷹明良)と弘美(棟里佳)の4人だ。永野が下関を訪ねた目的は不明だが、1人旅はよくしていたようだ。高速バスの女は何者かわからない。永野が社長を退いた後、後継社長に養子の継仁が就いている。

「旅と歴史」編集部。浅見が藤田編集長に希代の琵琶の名手、耳なし芳一伝説という切り口でルポをやりたいと言うと、編集長は快く了承する。この企画を歴史マンガにもするので、果奈も取材に連れて行くように言う。
浅見は母の雪江と田園調布の永野家を訪れる。依江は遺品の手文庫から永野仁一郎様宛の3通の書簡を取り出す。裏返すと、差出人として、「耳なし芳一」という五文字が書いてあった。一葉の便箋には、それぞれただ一行「七分の三」「七分の四」「七分の五」と書いてある。
依江の主人の仁一郎は、戦死した前の主人、奥平悠次(片桐竜次)の戦友で、朝鮮半島に出兵した同じ部隊に所属しており、戦死の知らせは仁一郎から伝えられた。依江は雪江に同じ部隊の人が届けてくれたというペンダントを見せる。奥平の遺品だ。ふたを開けると、十代の依江の写真が入っていた。

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