ハチワンダイバー
-第1話-
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勝負がはじまると、菅田の気合いの入った攻めを女性が受けるという、先ほどと同様の将棋となる。時間が経過するうち、菅田の攻めは完全に女性に受け切られ、再び敗れてしまう。屈辱的な負けを味わった菅田は、うなだれたまま涙を流す。そんな菅田に女性は「ご主人様も、ずい分お強いですよ」とかわいらしく声をかけるが、ショックで言葉もない菅田を残したまま、缶を抱えて部屋を後にする。
翌日、全財産を失った菅田は、将棋駒の入った布袋を握り締めると、質屋へやってくる。菅田が手にしているのは、かつての師匠・鈴木歩人八段(小日向文世)から贈られた駒だ。それは、プロになれなかった者が「奨励会」を退会するときに与えられる"退会駒"だ。命を削って将棋を指してきた自分の、汗と涙が染み込んだ何より大切な駒を質入れしてしまった。菅田は涙を流し借入金の1万5千円を受け取ると、すぐに返金に来ると主人に告げる。そんなとき、客として来ていた六車里花(安田美沙子)が菅田を認め、何かを思い出したような表情をし…。
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