33分探偵
-INTERVIEW-
Q8:容疑者が増えるということは、それだけトリックも必要になりますよね。
まず、トリックから考えます。だいたい1話につき2人の容疑者が出てくるので、2つのトリックが思いついたら、それが使えそうな展開を作って物語を完成させていきます。
Q9:前シリーズも含めかなりの数のトリックが登場しましたが、考えるのは大変ですか?
どうも僕の頭には「33分探偵」回路があるみたいなんです。前シリーズの時は回路がつながってる状態からのスタートだったのでどんどんいろんなトリックが浮かんできてスムーズに書けてましたが、今回始まることになって久しぶりに書こうと思ったらなかなか浮かんでこない。これは特殊な回路なので、つながってないとうっかり成立しちゃうトリックばかり思いついちゃうんです。これならアリバイ的にも完璧だなと思いながら「あ、成立させちゃいけないんだった」って考え直したりして(笑)。ただ1回この回線が結びつくと、またいろんなトリックが浮かんでくるから不思議。苦労するのは最初だけです。
Q10:推理にはかなり強引かつ破天荒なものが多いですが…。
トリックなのに成立させないことって意外に難しいんですよ(笑)。京都編での鉄道トリックは推理ものをやっている以上1度はやりたいと思っていたトリックですけど、これが考えると意外にうまく成立しちゃうんですね(笑)。それを成立させないために、あえて遅く出発させました。13話に登場するヤギを使ったトリックは、強引にみえるけど実はある小説で本当に使われていたことを誇張したもの。六郎は推理小説マニアなので、そこから得た知識をこの事件に当て込んでいるわけです。かなりオーバーにしているところが六郎なんですけど(笑)。
Q11:六郎のセリフには推理小説のタイトルがたくさん出てきますが、福田さん自身が推理小説マニアなんですか?
好きなので結構読む方だと思いますが、マニアではないですね。本当のマニアだったらこんなトリックは許せないと思うので「33分探偵」は書けないです(笑)。
Q12:「33分探偵」が福田さんのドラマ初監督作品になりますが、ドラマならではの楽しさはありましたか?
映画や舞台ってある意味"なんでもあり"という感じがありますが、ドラマはある程度の約束事や決まり事がある。サスペンスドラマにはサスペンスドラマの"定型"があって、それがあるがゆえに「こんなに崩しちゃってます」という遊び感が出せたのはテレビドラマでしか得られなかったことだと思います。そもそも六郎が事件を必死で持たせている33分というのは、ドラマの放送尺があるから。テレビだからこそ成立してる番組です(笑)。
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