3月12日
[18:30]

ランチを終え、外に出た僕たちはたいした会話もかわさず、ただひたすらお台場の街を歩き続けていた。

初めてのデートで夢のような東京湾のきらめきと、明滅する星々が僕らを取り囲んでくれた潮風公園。
二人の気持ちを映し出すかのように光り輝いていた「水と緑のプロムナード」。
クリスマスイブにA子に指輪をプレゼントしたホテルメリディアン。
A子に本命チョコレートをもらったパレットタウン大観覧車。
二人で乗った屋形船の海の上から見た光り輝くお台場の街。
映画のワンシーンのような世界を満喫した、迫力ある豪華客船ディナー。
ここお台場のすべてが僕達にとって最高の思い出の場所ばかりだった。
僕の脳裏に今までの出来事が走馬灯のように浮かび上がってきた。

―ここでいろんなことがあったなぁ…。

そして今もA子とこのお台場を二人で歩いてる。僕の中でなにかがうごめいた。

―怖がってても仕方がない。
僕は今まで誠心誠意A子と向き合って、A子を好きでい続けた。
結果がどうなろうと悔いはない!

僕たちはお台場海浜公園のビーチを歩き、以前デートした砂浜のオアシスマリンハウス「エフカイビーチ」の近くで腰を下ろすことにした。

そして僕はA子にプロポーズの答えを聞いてみた。

「そうだね。それを答えないとね…。」

僕は思わず唾を飲み込んだ。

「気持ちはすごくうれしいし、ミヤザキくんと結婚したいなって思ってるよ。でもまだ仕事も中途半端だし、半人前だし、まだなんか考えられないっていうか…」

この返事を聞いても僕は自分でも驚くぐらい冷静だった。

「A子。僕には本当のこと言ってほしい。A子はなにか僕に隠してるよ。」

A子はそのままうつむき、肩を落とした。

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