3月12日 [13:00]

僕は時間ピッタシに待ち合わせの指定場所、アクアシティ3階の女神のテラスに着いた。まわりはすでにカップルや家族連れで賑わっていた。さすがに今日はみんなコートを脱ぎ捨て、セーターを肩から羽織る程度の自然なファッションに身を包んでいた。
相変わらず僕の鼓動は高鳴るばかりだ。

13:30頃、A子が待ち合わせ場所にやってきた。
A子は、かぎ針編みニットキャミソールに薄でのピンクのセーターを着て、白い膝丈スカートにミュールという春らしいさわやかな格好で登場した。
―やっぱりA子はかわいい…。
1ヶ月ぶりに見るA子は一段とかわいく見えた。
しかし毎日の魔の悪夢から、A子に対して「断られたらどうしよう」という恐怖心も感じていた。

「ミヤザキくん、ひさしぶり!」
「うん。元気だった?」
「元気だよ。おなかすいちゃったね。」
「そうだね。とりあえずランチにしようか。」
「うん!どこ行くの?」
「とりあえず『ラーメン国技館』に行こう。」
「え〜、この前もラーメン国技館きたよね?」
「うん。でも今日は美味しそうな店を見つけたんだ。」

僕達が向かったのは『烈士洵名』。信州ラーメンなんてあまり聞いたことがなかったけど、フジテレビお台場ガイドを見ると「信州ハーブ鶏と信州福味鶏、6種の高級魚節、羅臼昆布を使ったトリプルスープ」が味わえるということだ。レポートを読んでいてすごくこのスープが飲みたくなった。あっさり系が好きなA子にも絶対ウケがいいはずだ。
僕達は特製ラーメンを注文した。

「うわー、海苔がでかいっ(笑)どうやって食べるんだろう…」
「すごいね。あっ、やっぱスープがうまいなー」
「あっ、ほんとだ。すごくさっぱりしてるのにいい味してるね。」
「ここは動物と魚と昆布のトリプルスープを使ってるんだよ。」
「ヘェ〜。どこで調べたの?」
「フジテレビのお台場ガイドにのってたんだ。」
「そんなのあるんだ?」
「お台場のことなんでもわかるし、台場物語っていうアベックのお話もあるんだよ。」
「どんなお話なの?」
「ん〜、なんか優柔不断な冴えない男の子が好きな子とお台場でデートするんだよ。」
「ねえ、チャーシューあげるから味玉もらっていい?」
「え?…」

たしかにA子はチャーシューのようなこってりしたお肉は苦手だった。正直味玉も食べたかったが、仕方なくA子にあげることにした。
「ありがとう。美味しいこれっ!」
レポートどおりこのラーメンはうまかった。さすがフジテレビお台場ガイドは役に立つ。
と、そんなことに喜んでばかりはいられない。この時点でA子が今日どんな答えをだすのか。僕はまったく予想がつかなかった。時折見せる寂しげな表情がどことなく上の空な感じにも受け取れた。

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