2月14日
[12:25]

抽選で満足感を得た僕らはそれに反比例して空腹感に襲われた。

「今日は私すっごくここ行ってみたかったんだ」
「え?どこどこ」
「なかなか一人で入りにくくて…」

A子がランチに選んだのはアクアシティの『ラーメン国技館』だ。すでにお台場の名所となったラーメンフードテーマパークで、今回は3期目を向かえる。6店舗の「のれん」が並び、皆、味と技を競い合い、どこの店も行列ができている。今日もお客さんでいっぱいだ。

各店舗の店員さんも大きな声を張り上げ、活気付いている。僕らはどのラーメンを食べようか、全種類食べたい気持ちを抑えてひとつのお店に決めた。

「うわっ、すっごいチャーシュー!麺が見えな〜い。一人で食べれるかな…」
「ほんとだね。すっごい迫力。いただきま〜す」
「今日はバレタインだからやっぱりラーメン屋もカップルばかりだね」
「そうだね。ラーメンデートなんて今風チックだね」
「みんな今日は彼氏にチョコあげるんだろうね」
「日本では、女性が男性にチョコレートをプレゼントするのがバレンタインデーだけど、西洋では男女双方が想いをよせる人にカードを送って、チョコレートや花などの贈り物をするんだよ」
「へぇ〜物知りだね。本当に好きな人にあげるんだろうね。」
「そうだね。もちろん義理チョコなんかはないだろうね」

― 今日はいつチョコもらえるんだろうなぁ…。

「あ〜、私もう食べられな〜い。お腹いっぱいだぁ。」

3分の1ほど残しているラーメンを見ながらA子が言った。今日の僕は強気だ。こんなときビシっと注意もできる男は頼りがいを感じさせられると、なんかの本に書いてあった気がする。

「そんな食べ物を残したらお百姓さんに申し訳ないぞ!」
「でもお百姓さんだってさすがにおなかいっぱいなら残すでしょ」
「ま、まぁ、そうだけど…」

― 僕はまだまだ駄目だなぁ…。

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