僕らはまず2階の噴水広場に向かう。クリスマスの時とは違うSnow Wish、ピンク色に染められた雪が舞い落ちる情景に足を止めて見入っていた。
「綺麗だね。前に来た時とは印象が違うね」
「可愛い〜。ピンク色の雪なんて初めて見た」
噴水広場からオリーブ広場へ向かうと、見渡す限りどの店舗にもチョコレートが華やかに並べられ、ヴィーナスフォートに訪れたカップルを甘〜く誘惑する。
「おいしそうだね」
「かわいい〜。こんなチョコレート見たことない!」
ヴィーナスフォートでは、春に向け新規オープンやリニューアルオープンの店鋪も多く、流行に敏感な人達も多数訪れている。
「前に来た時には[トミーヒルフィガー][カルバンクライン ジーンズ]なんかなかったよね」
「あ、4℃[ヨンドシー]のお店が新しくなってる」
「ちょっとお店みてもいい」
「いいよ」
僕らは4℃の中へ入った。
「かわいいリングがたくさんある〜」
相変わらず感動の泉みたいなA子だ。女の子の趣味はよくわからない。
「どっちがかわいいと思う?」
「う〜ん。どっちも同じにしか見えない」
「そっか・・・」
あれ。ちょっとA子の表情が曇った。まずかったかな。
「お腹空かない?そろそろ何か食べようよ」
「うん」
ウインドーショッピングをひと通り終え、気まずい空気を塗り変えるべく、そして空いたお腹を埋めるべく食事をとることにした。
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