☆第3章:潮風公園
[光るキリンと東京湾、そして噴水広場で]
臨海副都心内では最大の公園。海辺の公園ならではの施設を備える。またレインボーブリッジを背景とした東京湾の美しい景色を眺めることができる。
ほの暗い海岸線をたどりながら、僕たちは潮風公園まで歩く。
ここから見る夕焼けは格別だが、今日は夜景を堪能することにした。
家族連れの景色からカップルの数が増える時間。海岸は、昼間とはすっかり表情を変える。
ライトで闇に浮かぶ対岸のクレーン群は、さながら光るキリンたち。
A子の静かな声が闇をくぐり抜けてきた。
「これが見せたかったものなの?」
「まだまだこんなものじゃないよ」
僕たちは少し離れて地面にしゃがみ込む。夢のような東京湾のきらめきと、明滅する星々が僕らを取り囲む。
レインボーブリッジを指差して僕が言う。
「ねえ、あっちを見てごらん」
「あっ!レインボーブリッジ。まるで宝石みたい!」
「まだまだこんなものじゃないよ」
そぞろ歩きはさらに続く。僕らの行く手には橋が現れる。
「ここは“しおかぜ橋”っていうんだ。下には首都高速の湾岸線が通ってて、公園の北と南をつないでるんだ」
「なんだかヘッドライトも流れ星に見えてきたわ。天の川を渡ってるみたい!さっきよりもキリンさんがよく見える」
「まだまだこんなものじゃないよ」
僕のプランも最終段階だ。
◎光るキリンたち
◎レインボーブリッジ
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