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2017年度 番組との連動トピックス

長編環境ドキュメンタリー「環境クライシス ~沈みゆく大陸の環境難民~」

[2017年9月25日更新分]

大塚隆広プロデューサー スペシャルコラム

フジテレビ(関東ローカル)2017年8月19日(土)10:25~11:45放送

番組では、経済大国となりつつあるインドで、気候変動に伴う洪水や海面上昇、干ばつなどの被害に見舞われている地域を取材しました。気温が50度を超える砂漠では10キロの道のりを歩き水汲みする少女を、海面上昇などのために沈みゆく島では住処を失いつつある親子を、コルカタのスラムでは続々と都会に流れ着く“環境難民”たちを取材しました。

“環境難民”とは、気候変動による自然環境の変化で、住む土地や家を奪われ、避難を強いられた人々のことです。“環境難民”の数は、年々増え続け、2050年には全世界で10億人に至るとも予想されています。気候変動により生活環境が激変する現地で目にしたものは、明るく生き生きと暮らす子どもたちでした。
演出の狙いは、難解になりがちな環境問題を、現地に生きる人々の生活をベースに描くことで視聴者と同じ目線で伝えることでした。

コルカタのスラム街に
多くの環境難民が住む
10㎞先の井戸に水汲みに行く少女 水面下に沈んだ家を見つめる少女



環境番組を制作するにあたり、もっとも苦労したのが事実関係の整理です。
地球温暖化といわれているが本当にそうか?
取材したインドで起きている干ばつや洪水は地球温暖化が原因となっているのか?
環境問題は、地球が温暖化しているかどうかという根本的な点についてさえ、専門家の間で意見が分かれていて、事実関係を正確にとらえるのがとても難しいテーマです。


そのため、番組を監修してくださった専門家と番組の演出家とで、環境問題とは何かという原点から確認作業を行い、詳細な点は環境省や上智大学などの研究機関に意見を求めながら番組を制作しました。
国連グローバルコンパクトCEOのリサ・キンゴー氏は、人口増加、気候変動、干ばつ、大気汚染などのメガトレンドは大きな影響を我々に及ぼし、地球の再生能力は急激に失われている。 と現状に警鐘をならしています。その一方で、我々は気候変動を終らせることができる最後の世代だとも述べています。

番組では日本企業の取組も紹介しましたが、日本はSDGs(※)の達成に向けて世界のロールモデルになるという決意をし、官民協力で実現を目指しています。

東急グループの取組:「多摩川の環境再生活動」 多摩川で魚を取る子どもたち
ANA社の取組:「サンゴ再生プログラム」 森ビル社の取組:「都市と自然との共生」

我々一人一人ができること、それはフードロスとか節約とか…いろいろな手段があると思いますが、工場など企業活動から排出される温暖化効果ガスの量は、個人から排出されるすべてを合わせた量よりも圧倒的に多く、国や企業の環境への取り組みが最も重要になってきています。
モノを買うときに環境への取り組みを行っている企業の商品を買う、という選択をすることが地球を救うことにつながるのだと私は思っています。

※:SDG'sとは、2015年9月に国連総会で採択された、世界の持続可能な開発のための17の目標です。「貧困をなくす」、「気候変動への具体策」などが含まれています。

文:大塚隆広(フジテレビ 報道局 経済部)

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