“変わり者”と呼ばれて ~“見えない”障害と生きる~
[2015年6月5日更新分]
『アスペルガー症候群』
一説には日本人の100人に1人がこの脳の障害を抱えるともされています。
意図せず、周囲を不快にさせ続け、“変わり者”と虐げられることも少なくありません。
しかし、彼らは自分勝手、自己中心的なのではない―――
たとえ家族であっても他人の気持がわからないのです。
左:内藤瞬ディレクター
(東京ビデオセンター)
中:栩木信人プロデューサー(筆者)
右:東京都自閉症協会 今井忠理事長2月5日放送の「NONFIX」では、周囲の理解なくしては生きられない彼らが築く家族、そして仲間たちとの生活に密着。「家族」「仲間」として人を理解し、ともに生きることの真実を見つめました。
この放送内容に対し、5月17日、東京都自閉症協会から『自閉症アワード』の表彰を受けました。
表彰理由は、
「見た目には分かりにくい自閉症スペクトラムの成人の日常の人間関係を丹念に追い、本人の苦悩とともに、周囲の人の深い理解で生活が成立しているという現実をつぶさに伝えた番組でした。自閉症の啓発に貢献したものとして感謝するとともに、これを表彰させていただきます。 」
というものでした。
世間にまだ正確に認知されていない「アスペルガー症候群」の方が素顔でカメラの密着取材を受けていただくことには多くの困難があり、取材から放送まで一年以上がかかりました。取材対象者との信頼関係の構築、そして我々自身が取材対象者を理解することも容易ではなく、一見、健常者との違いが感じにくい方々を最終的にテレビでどう描くのか、放送することで更なる誤解を生じさせてしまうのではないかという怖さもありました。
しかし、この度、アスペルガー症候群の方々・ご家族の皆さんも加わる団体から、こうして番組への御理解と評価をいただき、身に余る光栄と感じています。
これからも、「いま起きていること」を、テレビを通し視聴者の皆さんにお伝えてしていきたいと考えています。
文:栩木信人(フジテレビ 情報制作局)
「NONFIX」 “変わり者”と呼ばれて ~“見えない”障害と生きる~
2015年2月5日(木) 2:20~3:20放送