~「めざましテレビ・田Tattonプロジェクト」始動から3年目~昨年度の綿花の収穫は120kg!
[2013年5月16日更新分]
『Tatton(タットン)プロジェクト』は、
朝の情報番組「めざましテレビ」が、東日本大震災後の2011年6月から
継続して行っている被災地支援企画です。
(Tattonとは【田んぼ】と【綿=コットン】を掛け合わせた言葉
<tanbo×cotton >= Tatton)
東日本震災では、宮城県・福島県・岩手県あわせて約19,302ヘクタールが海水に浸かり稲作が不可能となってしまいました。
そこで、この『Tattonプロジェクト』では、津波で田畑が海水に浸かり稲作が不可能となった農家に、除塩効果があるという綿花を植えて田んぼを再生させようということで、5月にプロジェクトを始動。
2011年は、福島県新地町の目黒文夫さんの田んぼで綿花を栽培し、35キロの綿花を収穫することができました。予定の10分の1の収穫量でしたが、小さな一歩は「この土地でまた作物が作れる」という大きな希望となりました。
この綿について、東北大学大学院工学研究科生活環境早期復旧技術研究センターセンター長・石井慶造教授に放射線量検査を依頼したところ、14ベクレルという結果となりました(2012年4月に政府が定めた新しい基準値と照らし合わせると、牛乳の規制値(50Bq/kg)を大幅に下回るものです)。石井教授からは「毎日1キロ食べても年間の平均被曝量より低い値であり、この綿花製品を身に着けても問題ない」と評価されています。
このプロジェクトでは、国や自治体に頼らず、農家の方々が自分の力で農業を再開することができようになって初めて『復興』と言えるのではないかという考えを持っています。このため、獲れた綿花を紡績して商品化し販売した後は、その利益を東北の農業再生のために活用してもらうことが最終目的だと考えています。
4月には放送でオリジナルTシャツのデザインを公募し、宮城県塩竈市の少女の作品を採用しました。このデザインを元に、収穫した綿花の糸を使ったTattonタグ付きTシャツのほか、ハンドタオル(こちらは100%Tatton綿花)を制作しました。
出来上がった商品は、2013年5月の社屋イベント『みちのく合衆国』で販売しました。夏の『お台場合衆国』などでも販売する予定です。
また、2013年からは宮城県の農地を中心にこのプロジェクトに参加を希望する農家を募集したところ、多数の応募がありました。今年度は、合わせて栽培面積が2ヘクタール(200アール)に拡大します。
農地を拡大するだけでなく、今年はTatton農地を回るバスツアーなどを企画し、正式に観光庁の事業認定を受けました。全国から一般の希望者を募集し、Tattonプロジェクトを体験できる企画を実施することで、さらにプロジェクトの認知拡大とスケールアップにつなげていきたいと考えています。
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2012年は日本財団のボランティアも参加 |
文:石塚大志 (フジテレビ 情報制作局 めざましテレビ)