フジテレビのCSR活動 2013年度~2020年度

2012年度活動報告

2012年度活動報告TOP
TOPICS
社会貢献活動
環境
番組
TOP2012年度 社会貢献トピックス「ずっとおうえん。プロジェクト」福島県二本松市で朗読会を開催!
2012年度 社会貢献トピックス

「ずっとおうえん。プロジェクト」福島県二本松市で朗読会を開催!

[2012年11月29日更新分]


安達が原ふるさと村
11月3日 福島県の二本松市で「ずっとおうえん。プロジェクト」の活動の一環として朗読会を開催しました。二本松市は、福島県の北に位置する城下町で、歴史と文化が調和した美しい街です。イベント会場は、そんな二本松市の歴史と伝統的生活文化を再現した「安達が原ふるさと村」というところ。
高度経済成長前の日本にタイムスリップしたような場所です。




この日の午後行われた「福幸祭」のイベントとして、施設内の古民家で西山喜久恵アナウンサーの朗読会を行いました。
「福幸祭」は、二本松青年会議所のみなさんが、震災や原発事故からの復興を願って開催している手作りイベントで、「二本松の歴史や文化を次の世代の子どもたちに残したい」、また「震災の被害を受けた方々が立ち直り笑顔を取り戻すきっかけになってほしい」という強い願いが込められています。
二本松市には、放射能被害を受けた浪江町から避難を余儀なくされている方々もたくさんいらっしゃるそうです。


青年会議所の方から、この「福幸祭」でぜひともフジテレビアナウンサーの朗読会を開催したい!と協力依頼をうけ、今回はじめて参加させていただくことになりました。
特に、戊辰戦争に出陣し命を落とした二本松少年隊(最年少隊士の年齢はわずか12歳)の実話を読んでほしいという希望があり、ほかにも数作品を交えて約40分の朗読イベントを行いました。


朗読会には福島テレビの人気キャラクターふくたんも参加し、
子どもたちは大喜び♪
二本松のみなさんと出会うことができ思い出深い一日となりました。

お越しいただいたみなさん、ありがとうございました!

フジテレビ 西山喜久恵アナウンサーからのメッセージ


「鼻が真っ赤だよ!」
福島県二本松市で開かれた「福幸祭」で朗読した後、集まってくださった皆さんと記念撮影をしていたら、同行していたフジテレビスタッフにそう指摘されてしまいました。
それもそのはず、「福幸祭」で地元に伝わる二本松少年隊の話を朗読し終わった直後、お客さんの前で泣いてしまったからです。


二本松少年隊の紙芝居を
眺める西山アナ
戊辰戦争で命を落とした二本松藩少年兵。「故郷二本松を守るんだ!」と意気盛んに出陣した少年たちは13,14歳が中心でしたが、12歳の少年もいたといいます。今で言うと、ちょうど小学校を卒業したくらいの少年たち。恐らく「戦争」の意味など分かっていなかったでしょう。あどけない表情の残る子どもたちの出陣を見送る親の気持ち考えると、切なくて、その運命が悲しくて…。

初めてこの物語を読んだとき、涙が止まらなくて朗読どころではありませんでした。
本番は、泣き崩れることなく最後まで読めて本当に良かったです。

さて、福幸祭では、「二本松少年隊士」について寄せられた地元の小学生が書いた優秀な作文も朗読させてもらいました。作文の中に、「(少年隊士が)本当の青い空を守ってくれてありがとう。」とか、「本当の青い空を守っていくのは私達だ」というように、「本当の青い空」という表現がありました。なぜ「青い空」ではなく「本当の青い空」なのか…。少々疑問に思っていたら、福幸祭の帰り道謎が解けました。最寄りの新幹線の駅に車で送っていただく途中、「あれが安達太良山(あだたらやま)ですよ。」と青年会議所の方が教えてくれました。「あだたらやまって、あの『智恵子抄』の?」

 「阿多多羅山(あたたらやま)の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。」  <高村光太郎作『智恵子抄―あどけない話―』より>



・・・と高村光太郎の詩の中で東京に馴染めなかった智恵子の故郷の空への想いがつづられています。
福幸祭の帰り道に見た安達太良山の上に広がっていた青い空。

二本松の人たちは、少年隊士が守ろうとした、そして智恵子が言う「本当の青い空」を守り続けようとする強い意志を持っていると感じずにはいられませんでした。

私も、久しぶりに故郷 尾道の空を眺めたくなってしまいました。

文:西山喜久恵(フジテレビ アナウンサー)

Copyright © Fuji Television Network, Inc. All rights reserved.