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2008年度 社会貢献トピックス

20周年を迎えた「世界文化賞」の授賞式、華やかに開催

[2008年11月4日更新分]





優れた芸術の世界的な創造者を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第20回授賞式典が10月15日、常陸宮殿下と同妃殿下をお迎えして東京・元赤坂の明治記念館で行われました。

今回は、インド生まれの世界的指揮者、ズービン・メータ氏や、旧ソ連出身の芸術家、カバコフ夫妻、歌舞伎俳優の坂田藤十郎氏(日本人受賞者では9人目)など5部門6名が受賞しました。歴代の受賞者数は21カ国、104人に上ります。



授賞式典では、日本美術協会の日枝久会長代行のあいさつに続き、受賞者を推薦した国際顧問の4氏と、名誉顧問を代表したワイツゼッカー独元大統領のスピーチに続き、国際顧問の中曽根康弘元首相が
「芸術に国境はありません。世界の芸術文化の発展のために協力しあっている姿は尊いものです」
と、この賞の意義を強調しました。

常陸宮殿下のお言葉の後、受賞者を代表して歌舞伎俳優、坂田藤十郎氏が
「人と人とが真に理解しあえる芸術こそが21世紀の光になると固く信じております」
と力強く受賞の喜びを語りました。

また今年は、20周年を記念して既受賞者達も来日。映画監督のアッバス・キアロスタミ氏や彫刻家のダニ・カラヴァン氏など9人の既受賞者たちとその家族もそろって今回の受賞者を祝福し、世界的な芸術文化貢献を20年間継続して行っているこの賞を称えあっていました。


同じく20周年を記念して、「高松宮殿下記念世界文化賞」20年の歩みを振り返る展覧会「Art of our time」展を10月27日から11月9日まで、東京・上野の上野の森美術館で開催。絵画、彫刻部門で受賞した41人の作品を一堂に紹介し、偉大なアーティストの表現を追うことで、20世紀後半から今に至る"私たちの時代"の美術の流れを肌で感じることができる意義深い展覧会となりました。

フジテレビは、フジサンケイグループの一員として、グループとともに、世界文化賞の創設当時から、協力を続けてきています。授賞式典や、受賞者たちの業績は、フジテレビの特別番組やニュース番組、情報番組で、詳しく紹介されました。

「世界文化賞の20年の意義とは?」 福原伸治プロデューサー スペシャルコラム

今年も「高松宮殿下記念世界文化賞」の特番を担当しました。

もう5年目になります。
昨年のいまごろもこのページで書かせていただきました。
昨年の末尾をこういう文章で締めくくりました。「来年はいよいよ20回目です。どんな方が東京にやってくるのか、いまから楽しみです」と。

今年は世界文化賞が20周年ということで、式典自体も例年よりも華やかで、過去の受賞者もたくさん来日されました。特番自体も本年度の受賞者を紹介するだけでなく、この20年の歩みも紹介することになりました。

大変僭越ながら、僕たちなりに賞の意義を解釈して、見ている方々に向けて、賞のもつメッセージの翻訳を試みました。「芸術のノーベル賞」であること、そして「日本発信」であること、特に後者にこそ、この賞の意味があるのでは、と思いました。

日本主体で世界中の芸術家を表彰する。それは単に世界にこんな人がいるというのを紹介するだけではありません。その方々が日本になにをもたらせてくれるのか。どういう化学反応を発生させてくれるのか。また世界に発信する日本人アーティストはどういう人なのか。世界で評価されている日本人アーティストとはどういう人なのか。

いま世界に誇る日本のアーティストのベストのひとりが第18回(2006年)絵画部門受賞の草間彌生さんではないでしょうか?来年80歳にならんとする草間さんのもとには世界中のギャラリーからいまなおオファーが殺到しているのです。

天才はやはり天才を知るということで、草間さんに過去の絵画部門の受賞者を語っていただくことにしました。親交の深い阿部知代アナウンサーをインタビュアーに、弁天町のアトリエにお邪魔しました。ピンクのエクステに真っ赤な衣裳の草間さんはとてもご機嫌でした。

いろいろ聞いていく中で草間さんは世界文化賞の意義について、
「よくこれだけの人を集めてくれました。そして日本に紹介したということは大きな功績だと思っております」
こちらがなにもお願いしていないのにこうおっしゃってくれました。もしかしたら、多少リップサービスなのかも知れませんが、何度も何度もそれをおっしゃっていたのはそれなりに本心だと信じております。

でも、やっぱり自分の作品を、そして自分が大好きだという草間さん、天才というのはそういうものかも知れません。そのまなざしは相変わらずステキな狂気が宿っておりました。それは写真でみたピカソと同じようでした。

文:福原伸治(情報企画部 プロデューサー)

世界文化賞

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