FNNスピーク (月曜~金曜11時30分~12時00分 土曜11時45分~12時00分放送)
[2008年11月4日更新分]
カメラが見た富士山の「異変」
(2008年10月17日放送)
日本を代表する山と言えば富士山・・。
四季折々の美しさを見せてくれますが、今、その富士山にある「異変」が・・・。今年の夏から秋にかけて取材した中で、カメラはその「異変」をとらえました。
山頂からのご来光
まだ夜も明けきらない頃、富士山に現れた天の川のようにきらめく光の集団・・・。実はこれ、富士山頂を目指す登山者達のヘッドライトの光です。彼らの目的は、雲海から昇る「ご来光」。頂上を征した者しか見ることができない特別な風景です。
登山者からは「初めて見たけれど本当にきれい」「一生の思い出です」といった声が。今年は、世界遺産登録の動きなどもあり過去最高となる、約30万5千人の登山客が訪れました。美しい表情を見せる富士山ですが、今、ある異変が起きています。
登山ガイドの眼
富士山を登り続けて25年という登山ガイドの小曽戸恒夫さんは、「昔と比べて富士山の様子がかなり変わった」と話します。
小曽戸さんの案内で、取材班は富士山の7合目付近へ。今では草や木がたくさん生えて、森のようになっていますが、20年前に小曽戸さんが撮影した同じ7合目付近の写真には、少しの木と草原しか写っていません。小曽戸さんは「同じ所とは思えない」と驚きを隠せません。
山頂のイワツメクサ
さらに、秋のわずか1週間だけ目にすることができるもっと大きな変化があると聞き、山頂付近へと進みました。山頂付近でカメラの前に現れたのは「イワツメクサ」でした。
一見美しい光景ですが、実は、この花、富士山ではもともと8合目付近まででしか見ることができない高山植物でした。しかし、数年前から山頂付近でも咲くようになったと言います。その姿を山頂付近でカメラが捉えるのは、極めて珍しいということです。
頂上に咲いたイワツメクサについて、小曽戸さんは「最初見たときはびっくりしました。ここまで高山植物が上がって来てるんだなって。それと同時に暖かくなったのかなっていう感じもしてますね。」と語りました。