ネオコラ!~東京環境会議~
[2008年11月10日更新分]
『ネオコラ!』企画 鈴木修太 スペシャルコラム
(2008年10月12日24:35~25:35)
地球温暖化、オゾン層や森林の破壊、CO2排出量取引、エコロジーとエコノミーのバランス…。「環境問題」と聞くと、ついつい構えてしまいがちになってしまいます。
そんな小難しく考えてしまいがちな「環境」に関するメッセージを、多くの方々にとっつき易い形で伝えられないだろうか?
『ネオコラ! neo-collage TV ~東京環境会議~』の企画は、そんな考えから始まりました。
短針の「環境」を長針の「欲望」が
追い越し、やがて・・・テーマは「環境と欲望」。
番組の中のインタビューで脳科学者の茂木健一郎氏が、地球環境と人間の欲望は必ずしも二項対立しているわけではなく、人間の脳には地球環境をよくしたいという欲望もある、という趣旨のメッセージを語っていらっしゃいます。
笑いたい、楽しみたい、という欲求を入り口としたエコ・メッセージの発信。それがこの番組のコンセプトです。
「みんなで地球環境を保護しよう」とか、「毎日の生活の中からCO2の排出量を減らそう」とか、そういったことを声高に叫んだりはしていません。
≪地球環境に対するストイックな問題意識を発信するだけでは、エコ・メッセージは充分に広く伝わらないのではないか?コントを中心に、アニメーション、インタビュー、ショートムービー、音楽など様々な種類のコーナーをコラージュ的に段積みにして、まずは「くすっ」と笑っていただいた後に、エコ・メッセージを感じてもらおう。≫
「ネオコラ!」は、番組を気軽に観ている方々が、知らず知らずの内に環境のことについて考えようという気になったらいいな、という気持ちで制作されました。
たとえば、
インタビュー中にゴミをポイ捨てするアイドル。アイドルの捨てたゴミに群がり、奪い合うアイドルオタクたち・・・。そんなシチュエーションのコントの後にエコ・メッセージ → 「誰かが必要としている間は、どんなものでもゴミではありません」
帰宅してお風呂に入る男。手にしたビール瓶で体を洗い出す。風呂上りの夕食の支度もビール瓶で野菜を切ったり炒めたり。食事もお箸の代わりにビール瓶で・・・。そこにエコ・メッセージ → 「ビール瓶の回収率は99% 一本で平均8年間・約25回繰り返して使用されています」
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何をするにもビール瓶を使う男 |
破って捨てる行き先は別々
公園にずらりと並んだゴミの分別用バケツ。仲睦まじく写った二人の写真を破る一組のカップル。男はそれを「たいせつ」というラベルのバケツへ。女は「わすれたい」というラベルのバケツへ・・・。
などなど。
ナンセンスなコントとエコ・メッセージの組み合わせ。コントとコントをつなぐエコをテーマとしたショートムービーやインタビュー映像。この番組のコンセプトに賛同する様々な才能がコラージュされ、非常に新鮮な、そして見ごたえのある「エコ番組」ができあがったと思います。
この番組がきっかけになって、一人でも多くの方に「エコ」を身近に感じていただき、また「環境」について考える機会が増えた、と言って頂けたら、と願っています。
文:鈴木 修太(フジテレビ 編成部)