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2007年度 社会貢献活動

世界文化賞の授賞式、華やかに開催

[2007年11月1日更新分]


この賞は、国際理解の礎となる文化や芸術の発展に貢献した芸術家の業績を称え、感謝と敬意を捧げようと1988年に創設されたもので、今年の受賞者は、ご覧の通りです。

授賞式典では、主催者である日本美術協会の総裁、常陸宮さまから、5部門の受賞者6人に、金のメダルが授与されました。受賞者を代表して、最高齢の演劇・映像部門のエレン・スチュワートさんが挨拶され、最後の「ドウモアリガトウゴザイマス」という日本語のお礼の言葉に、祝福の拍手が響き渡りました。

各部門の受賞者を推薦した中曽根康弘元首相など4人の国際顧問は、推薦理由を述べたスピーチの中で、音楽部門のダニエル・バレンボイムさんについて、偉大な音楽家であるだけでなく、激しく対立するイスラエルとアラブ諸国の若い音楽家を集めて「ウエスト・イースタン・ディヴァン・オーケストラ」を創設し、中東和平をめざす音楽活動を続けていることの意義を強調しました。このオーケストラも、「世界文化賞」の、次代を担う若手芸術家の育成を目的に、1997年に創設された「若手芸術家奨励制度」の、今年の顕彰団体に選ばれています。


授賞式の直前に記者会見したバレンボイムさんは、「ウエスト・イースタン・ディヴァン・オーケストラの、日本などアジアでの公演を実現させて、南北朝鮮でも、ぜひ演奏したい」という抱負を述べるとともに、「この世界文化賞の賞金で、たとえばアフリカなどの貧しい国の人などにも、音楽の歓びを知ってもらえるような活動をする国際的な財団をベルリンに設立したい」と語り、会場の記者団から、期せずして、大きな拍手が湧き起こりました。

フジテレビは、フジサンケイグループの一員として、グループとともに、世界文化賞の創設当時から、協力を続けてきています。授賞式典や、受賞者たちの業績は、フジテレビの特別番組やニュース番組、情報番組で、詳しく紹介されました。

「世界文化賞」特番の福原伸治プロデューサーが見た「受賞者たち」の素顔

今年で19回目の「高松宮記念世界文化賞」の特番を担当して4年になります。だいたい授賞式の当日深夜に30分の枠です。世界文化賞というとはっきり言って、テレビにとってなかなか縁遠いとも言えます。確かに世界的に偉大な芸術家の方々が毎年受賞されますが、なかなか視聴者的にはとっつきにくいことは否めません。ということもあって、番組制作において、この受賞者の方々や作品が私たちにどう関係があるのか、特に日本との関わりを取材し、さらにはその中で見えてくる人間性をいかに引き出してくるか、ということを心掛けております。

受賞者のインタビューは日本美術協会の方で行なわれていることもあり、私たちはもう少し素顔の部分を取材しようと試みております。すべての受賞者を取材することはなかなか難しいので、授賞式で来日した時間の合間をぬって、なんとか時間をもらって取材をするのです。

そんな中で見えてくるのは芸術家の意外な素顔だったりするのです。 2004年度演劇・映像部門受賞のイランの映画監督アッバス・キアロスタミがロケ車の窓ガラスに指で落書きをずっとしていたりとか、2005年度建築部門受賞の谷口吉生さんがコンビニのお菓子を嬉しそうにほおばっていたりとか、2006年度絵画部門受賞の草間彌生さんのエクステをはずした姿がとてもコケティッシュだとか、そういったところはなかなか微笑ましかったりもします。

取材とは別に個人的に興味のあることを聞くのも楽しみなのです。キアロスタミにはカンヌでパルム・ドールを受賞した「桜桃の味」のラストの主人公は生きているのかどうかとか、谷口吉生さんにはMoMA改築のコンペの一部始終とか、そういうのを聞けるのはちょっと嬉しかったりします。
そんな時、谷口吉生さんがふいに「世界文化賞はずっと続くよね?」と聞いて来ました。

大丈夫です!続きますよ。でも、なぜ?

「この賞は僕たちにとって励みになるんだよ、だって建築以外のひとたちとともに評価されるのはこの賞くらいだし。受賞できて本当に嬉しかったんだよ」

そうなんですね。

「いつまでも続けるように、社長にちゃんと伝えておいてね」
その後、ちゃんと村上社長(当時)にお伝えしましたよ、谷口先生。

そんな谷口さんの姿をことしもパーティー会場でお見かけしました。楽しそうにいろいろな受賞者の方と話をされていたのが印象的でした。

来年はいよいよ20回目です。どんな方が東京にやってくるのか、いまから楽しみです。

文:情報企画部プロデューサー 福原伸治

世界文化賞

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