とくダネ!環境ウィーク
[2007年7月11日更新分]
森 憲一プロデューサー (フジテレビ 情報制作センター) 緊急コラム
放送前の企画会議で、私たち番組スタッフは、こんな話し合いをしました。
環境問題を“知識”として伝えるのではなく、身のまわりの異変をていねいに映像で表現することで、視聴者に“実感”してもらおう。
私たちが生活している場所から遠い、地球の何処かで起きている“異変”に、ピンとこないのは当然だと思ったからです。
とくダネ!環境ウィークでは、家庭の食卓から温暖化を検証たり、私たちの生活と深い関わりを持つ東京湾に潜って、様々な発見をしました。また、海外取材では、「大干ばつ」や「水面上昇」とも共生しようとする人々の生活を取材しました。
インタビューを受ける
野口聡一宇宙飛行士
新聞や書籍を読んで知識を得るより、カメラが撮影した現象を目の当たりにすることの方が、より多くの視聴者に“異変”が伝わるんじゃないか。そう、私は思っていました。
ところが、最終日の5日目に放送した企画で、私の確信は簡単に打ち砕かれました。身のまわり…どころか、日本人がわずか5人しか行っていない宇宙からの視点でも、環境問題を考えてみようと、宇宙飛行士の野口聡一さんにインタビューしたのです。野口さんが語る一つ一つの言葉には、地球から離れてみないと気がつかないことが、いっぱい詰まっていました。
ディスカバリー号から青い地球を見て、最も目立っていたのは、
埋め立て空港の直線的なライン。
夜の地球を見ると、東京やニューヨークは、光でぎっしり埋め尽くされている。
宇宙に届くほどの光を出す必要があるのか?
目の前の地球を見て、確信した。
この星にしか生きられない。
命を受け継いでいくということは、この星を守ることなのだ、と。
文:森 憲一(フジテレビ 情報制作センター プロデューサー)