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[2008年1月1日更新分]
海水温に異変!バリの海藻が危ない
海藻は幅広い製品に使われます
3年前、海藻養殖業は全盛期
海水温の上昇で海藻は激減
(2007年12月11日放送)
バリ島の南東部に位置するレンボガン島では、住民の9割以上が『コトニ』という海藻の養殖で生計をたてています。
コトニは、ソーセージやゼリーなどの食品に使われるほか医薬品のカプセルや化粧品の原料にもなるなど様々な使い道があるために、世界中から注文が殺到し、貧しかった島民の暮らしは、一変したといいます。
「海藻の養殖を始めてから私たちの生活は劇的に潤ったよ」と、3年前のFNNの取材でこう話していた卸業者を訪ねてみると、卸業者は「今はぜんぜんダメだね」と話しました。
コトニの収穫高は、おととしあたりから著しく減少し、2004年に比べて40%に落ち込みました。
原因として浮上したのが、『海水温の上昇』でした。島周辺の海水温は、ほとんどの箇所で30度から33度を記録しています。インドネシア科学技術庁のヤナ氏によると、「この種類の海藻は28度から30度くらいで育ち、30度を超えると死滅する」といいます。
隣のプニダ島では、事態はさらに深刻で、コトニの養殖がほとんどストップしていました。漁協組合の代表者も、収穫高の記録ノートにあるコトニの欄が今年に入って空欄であると訴えています。
こうした中、コトニから取れる成分を粉末状にする現地日本企業、セントラムでは、コトニの不作のため原料の値段が今までの4割増しになりました。この粉末を使って製造し日本で売られているゼリーやはんぺんの価格に直接響くことになります。
この事態について、ヤナ氏は「海水温の上昇が原因です。
長期的な地球温暖、そして気候変動問題からきているのです」と話しています。