あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「家出!同棲!!巣立ちの哲学」
 「何でも理由を言え言えって、それがうるさいのっ」。
 その日の朝、脱いだスリッパを良則(松本幸四郎)がそろえたことに端を発した事が原因で世津子(国仲涼子)の怒りが爆発。世津子は荷物を抱え家を出ていってしまった。奈津子(戸田恵子)はあまりに幼稚な世津子の言動に呆れるばかりだが、正子(松原智恵子)は当事者である良則が平然としているのを尻目に一人オロオロ。毎朝のこととは言え、いつも以上に怒りをあらわにして家を出ていってしまった世津子のことを心配する。そんな母親の心配をよそに世津子はヒロミツ(佐藤隆太)のアパートに転がりこんでいた。「これって同棲・・・?」。予期せぬことに当初驚いていたヒロミツだったが、狂気乱舞で世津子を四畳半のマイルームに歓迎した。
 だが、その後ヒロミツには、良則にこの同棲のことを報告するという気の重い役目が世津子から課せられてしまった。
 「ここは口うるさい教授がいなくていいなっ」とさっそく部屋の模様替えなどに着手する世津子だが、大学に向かうヒロミツの気持ちは複雑だ。
 一方、柳沢家では正子から連絡を受けたいつ子(川原亜矢子)もやってきて、世津子のことが話し合われていた。だが、そんな時にも「もう成人しているのですから」と良則はいつもの良則でいる(かのように見えた)。その夜、銭湯からの帰り道。世津子はヒロミツから良則に“同棲”のことを報告したことを聞かされた。果たして父の反応はどんなものだったのだろう?ドキドキしながらその時のことを聞く世津子に、良則は驚くほどあっさりと「好きにしたらいい」と言ったと伝えるヒロミツ。 「・・・・・・ふうん」と答える世津子で・・・。
 だがヒロミツは、この後二人の決めごとなどを詳細にノートに書きとめてる世津子と教授の姿がだぶって見えたり、日に日に苛立つ世津子の様子を見てるうちに、実は心配してほしい世津子の本音を察しはじめるのだった・・・。

<第8回> 「あきらめないで!のろまなカメに幸あれ」
 「やっ、やっ、柳沢教授の奥さん!」。
 その日の早朝。柳沢家の居間に聞き慣れない男の驚愕の声が響き渡った。その声の主とは吉田助教授(金田明夫)。ゆうべ、柳沢家で食事をいただき、流れのままに奈津子(戸田恵子)、幸弘(小日向文世)らと酒を飲み、泥酔したあげく柳沢家に一晩厄介になってしまったのだ。思えば前日は教授になる面談があり、居並ぶ教授たちから「次の論文提出にはカメの一生ほどかかると言われているが?」などと言われ教授への夢もたたれたと絶望。落ち込んだ足取りは、なんとなく良則(松本幸四郎)のもとに向いてしまったのだ。
 が、その日柳沢家の雰囲気はひどく慌ただしく物々しかった。というのも実はこの日は、年に一度、良則が決めた家族写真を撮影する日だったのだ。  良則は居間にスペースを明け、露出や構成を考えてのカメラ設定に余念がなく、協力する正子(松原智恵子)も吉田に構ってる暇が無さそうなのだ。ただでさえ肩身の狭い吉田は一層居場所がない。
 だが、そんな吉田をさらに萎縮させる事態が発覚した。どうやらゆうべ酔った勢いで奈津子にひどいことをしたらしいのだ。「夫でもあれは言えない」と幸弘は言うがそれが何だったかということは話してくれない。奈津子の視線が突き刺さってくる。さらに、今度は柳沢家にやってきた雅史(山口智充)のアーティストとしてのプライドも傷つける発言をしてしまい、いつ子(川原亜矢子)を深い悲しみに突き落とし、さらにさらに悪いことは重なって、準備万端、撮影寸前のカメラを倒壊させて良則を絶句させてしまったのだ。「修理すればいいんです」良則は言うのだが・・・。
 教授への夢、断念!?から始まった柳沢家をも巻き込んだ吉田の災難の数々・・・はたして奈津子の怒りは収まる? いつ子の悲しみは癒える? そして良則の執着する家族写真は無事撮れるのか?

<第9回> 「花嫁の父親です」
 とある教会。その日、知人の結婚式に列席していた良則(松本幸四郎)は、「結婚とは神のつくられた制度で・・・」という牧師(平畠啓史)のことばを聞いてハッとなり思わず挙手、そして尋ねていた。「もう少し説明いただいていいでしょうか?神の作った制度」について。
 そしてこの時から、“結婚”という制度が研究のテーマとなった良則は、郵便局員(酒井敏也)に奥さん(宮田早苗)に、そして未婚の古本屋(金替康博)にもテーマについての質問を投げ掛け始めたのだった。
 正子(松原智恵子)は、結婚式の時でのこの出来事を憤慨しながら娘たちに話して聞かせた。だが、幸弘(小日向文世)の昇進が決まったという奈津子(戸田恵子)や、最近雅史(山口智充)の作品が売れるようになってきたとかで、着る物も頻繁に新調するようになってきたいつ子(川原亜矢子)は、いつもとは違い、良則の諸行にも正子の苦情にも「またいつものこと」とあまり関心を示さなくなっていた。
 そんな中、世津子(国仲涼子)だけは父の抱えた問題と無縁ではいられなくなった。突然ヒロミツ(佐藤隆太)が、「結婚して」とプロポーズしてきたのだ。実は、ヒロミツの実家はポンカン農家で、ヒロミツは大学を出たらそこを継ぐことになっていたらしい。だが、そんな気はないヒロミツは、母に結婚したい子もいるし東京に残ると手紙を出したという。
 丁寧に写真まで添えて。そして、その写真というのが、この前撮った柳沢家の家族写真だという・・・。世津子は、即座にノー!の返事。ヒロミツは落ち込むのだった。だがそんな中、息子を連れ戻しにヒロミツの母・シマ子(大島蓉子)が柳沢家に乗り込んできた!結婚話でさえびっくりしているところにきて、シマ子の有無をいわさぬそのパワーに一家は唖然!
 良則は対でシマ子と話し合うあうことになるのだが・・・・・・。


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