あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 『会社でダイエット!?』
 満帆商事のショムニは、あさっての健康診断を控え、残業の構えだった。その中で、千夏(江角マキコ)だけは、器具を使ってランニング中。翌日にテレビ「OL対抗番組」の予選に出場することになっていたのだ。「体力」「ひらめき」「知力」の3コーナーに、千夏、りえ(高橋由美子)、梅(宝生舞)で出場し、予選突破を図る算段であった。ただ、「クイズ」は、「体力」の千夏のパートである。梅に想定問題を出してもらいながら、本番に備えていた。
 そんな折、人事課に、「順風商事が抜き打ち税務査察」の情報が飛び込んできた。すねに傷持つ寺崎部長(高橋克実)と野々村課長(伊藤俊人)は、「明日は我が身」と青ざめる。そこで、経理課に号令を掛け、過去の伝票書類の一斉整理を始めた。接待したことになっている取り引き相手の企業に「口裏合わせ」を頼む寺崎と野々村はじめ、この様子では、経理課も全員残業である。
 一方、海外事業部でも、右京(石黒賢)らが、翌週のプレゼンが、急きょ「明日」ということになり、残業間違いなしで、仕事にかかっていた。美園(戸田菜穂)ら秘書課も一緒に残業となりそうだ。
 また、警備の神谷(沢村一樹)のもとに、新人警備員・沼田(おかやま・はじめ)がやって来た。企業盗難が相次ぐため、補強で配属されたと言う。それを信じた神谷は、この夜、一緒に仕事をしようと、明るく誓うのだった。
 さて、忙しく残業と「OL対抗番組」の準備にいそしむ満帆商事の面々だったが、経理課の沙織(中島陽子)だけが、妙に浮いていた。沙織は、佐和子(京野ことみ)の学校先輩で、秘書課を目指しているが、ちょっと肥満傾向。最近、秘書検定に合格し、余り経理の仕事をせず、人事部に秘書課への異動願いを書いたばかりだ。だから、こんな忙しい時は、経理課で疎んじられる存在となる。
 さらに、美園が探している資料を、きちんと整理して揃え、秘書課希望と訴えても、美園は「あ、そう、頑張ってね」と一言で去っていく。トイレでは、仲間のOLが「あの合コンの引き立て役ったら、仕事もせずに何考えてるの」と陰口を叩かれる。心配になって訪れた人事部では、口裏合わせに忙しい寺崎に「検定受かれば秘書になれるなんて甘い。ダイエットしろ」と追い返される。徐々に悲観的になる沙織だった。
 一方、新人警備員のはずの沼田は、一人になった途端、警備室のマスターキーをするりと奪った。彼こそが事務所荒らしだったのだ。といっても、リストラされたばかりで、携帯にはのべつまくなしに、愛妻からの電話が入る。マスターキーで、役員の机を開けて回るが、引き出しには、役員と佳奈(櫻井淳子)のツーショット写真が入っているばかり。人事課で見つかれば、領収書の金額は書かされるし、うんざりの沼田である。
 そのころ、沙織は、せっく手にした「秘書検定」合格証を破り捨て、寺崎たちと取り引きしようと、地下倉庫の秘密の「帳簿」を捜しに出掛けた。ところが、そこに沼田が現れ、間違ってマスターキーで佐織を閉じ込めてしまう。と、その時、その帳簿を見つけに寺崎たち、さらにプレゼンに必要な書類を取りに右京や美園が、倉庫前にやって来る。はたまた、「OL対抗番組」に、肺活量の大きな沙織が必要と、ショムニも登場。倉庫の前はテンヤワンヤとなり、沙織は意図せずして「立て篭もり」状態となってしまうが・・・。

<第8回> 『千夏、マジで怒る!!』
 満帆商事では、社内コンピューターシステムの大掛かりな更新のため、業者の入札をすることになった。理由は、社内情報が漏洩しているための情報管理強化にあった。それゆえ、担当の右京(石黒賢)は、入札価格も漏れると踏み、社内ネットには「10億円」、社の幹部には「2千万円」という、両方とも「罠」の予算額情報を流していた。漏洩が「ハッキング」か「社内の人的」なものか、明らかになるという寸法である。
 そんな折、千夏(江角マキコ)をはじめとするショムニ一同は、あずさ(戸田恵子)の競歩大会出場のため、応援小旗作りに精を出すという、のんびりした一日を送っていた。
 そこへ、神谷(沢村一樹)がやって来た。大学時代の先輩を入れて、合コンをしようというのである。トレーニングに励むあずさを残し、一同は、喜び勇んで出掛ける。その男性陣の中にいた、二階堂(原田龍二)というコンピューター関連会社の男が、リエ(高橋由美子)に接近する。リエも恋したようだ。そのせいか、未来予知能力が消えてしまったリエ。
 それから、毎晩のように、リエと二階堂はデートし、毎晩のように、そのほかのショムニメンバーは、神谷の仲間と合コンした。「先」が見えるために恋のできなかったリエを「あんたも恋愛できんじゃん」と励ます千夏だった。だが、二階堂は、どうも、リエ以外の目的があるようである。
 「入札」を控えた満帆商事。社内には、準備に余念のない右京たちがいた。部長の手には業者のリストが握られていた。その一つ「ダイアモンドシステム社」の名簿に、二階堂の名前があった。二階堂は入札価格を手に入れるためにリエに接触を図ったのであった。しかし、リエは、そのことに詳しくもなかったし、なにせ、予知能力が消えた今、二階堂の本当の気持ちも、入札価格を読むこともできなかった。だから、何も答えられはしなかったのだ。ただ、二階堂に「あなたの未来は見えませんが、これから二人で一緒に見られたらいいなって思います」と恋心を吐露するのだった。
 ショムニでもシステム変更は話題になっていた。梅(宝生舞)は、社内ネットの「10億円」にも、幹部たちが知らされている「2千万円」にも不信感を抱いていた。そこで、改めてネットにアクセスすると、そこには、入札業者のリストが……。千夏たちは、二階堂が情報目当てに、リエと付き合ったと、知る。慌てて千夏は飛び出すが・・・。

<第9回> 『ノーと言える会社員』
 黒雲たれこめ、豪雨降り注ぎ、雷鳴轟く何とも不吉な日であった。千夏(江角マキコ)をはじめとするショムニのメンバーは、その雰囲気と呼応し、仕事の失敗ばかり。秘書課の美園(戸田菜穂)の攻撃にも言い返すことすらできず、ロビーで開く「社内暑気払い」の準備があるというのに、まさに「ついていない」を絵に描いたような日であった。
 だが、どういう訳か、ショムニの天敵・人事部の寺崎部長(高橋克実)は、常務昇進の話は持ち上がるわ、重要案件である「アメリカン・カンパニー」との提携交渉のための社長代理は命じられるわ、その交渉相手のワダミエ副社長がお好みというストライプ柄のスーツが業者から贈られるわ、食堂のかけそばから海老天が現れるわ、さらには、心を残したまま別れた妻から復縁話を持ち掛けられるわ、と、こちらは、正反対の「つきまくり」状態だった。
 リエ(高橋由美子)は、これを「運勢反比例の法則」と説明する。ショムニと人事部は正反対の運勢を歩むのだと言う。丁度その頃、あずさ(戸田恵子)は暑気払いの景品の「松坂牛」を持ったまま、社長金庫室の通路に閉じ込められていた。千夏は、あずさをそのまま、そこに残し「人事部の様子を探るよう」命じた。
 提携交渉のため、寺崎は「女帝」と怖れられるワダミエ副社長のご機嫌を損ねまいと、「禁煙」「厚化粧禁止」「動物愛護」など、ワダミエ好みの方針を次々に打ち出していた。もちろん「暑気払い中止」も…。千夏たちは、どうにかして人事部の横暴を阻止しようと、知恵を絞るのだったが、なかなか「ツキ」は巡って来ない。
 そうこうするうち、ワダミエ副社長が登場し、交渉がスタートした。だが、女帝はたばこを吸いはじめ、「大事なのは仕事だけだ」と、寺崎のお追従作戦を無視し、「要員削減」「社名変更」などの条件を次々に打ち出す。その倣岸不遜な物言いと態度にも「ツキ」を信じて、もみ手すり手で対応する人事部。だが、こと「日本的経営からの脱却」「終身雇用制の廃止」「社内行事廃止」など満帆商事の伝統の根幹にまで要求が及ぶと、寺崎部長も恐れをなし始めた。しかし、「社長代理でしょう。あなたが決めなさい」と、ワダミエ副社長は攻めの手を緩めない。が、寺崎部長は「ここをしのげば、常務」と、すべての条件を飲む方向で話を進めた。
 その様子とアメリカン・カンパニーが不安のある会社であることを、あずさの報告で知った千夏は、「社内暑気払いをただちに中止せよ」と言う寺崎部長に向かい、「常務らしい本当の仕事をしな」と啖呵を切る。だが、寺崎も引っ込まない。
 ところが、そこで寺崎の目に入ったのは、別れた妻・和恵の姿だった。和恵は楽しそうに屋台の焼きソバ作りにいそしんでいる。「あなたは見違えるように強くなった。私みんなに言ったの。寺崎は嫌なことは嫌と言う男だって」と嬉しそうに話す和恵。復縁を信じる寺崎は胸に迫るものを感じるが…。


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