あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「天国から地獄へ」
 倫子(観月ありさ)はイベントコンパニオン。かなりいい加減な生活で、仕事の目的はリッチな男探し。友達のなぎさ(矢田亜希子)らと、会場で名刺を集めた数を競ったり、ゲットした男たちから同じ物を貢がせては換金して遊ぶ金にしていた。
 あるテレビ局の仕事に来ていた倫子となぎさ。そこで、対談番組に出演していた高邑(中井貴一)に何か感想を言うよう意地悪なADに持ちかけられた。一瞬カタマル倫子だが「番組では語らなかった高邑さんの本音の部分に関心しました」と話すと、高邑の表情が変わった。隠していたことを言い当てられた思いの高邑だが、倫子は占い師の常套手段とデマカシを言っただけだった。これには、なぎさもア然。
 このことあって、倫子と高邑は結婚へ進んでいく。倫子はコンパニオンの仕事もあきてきていたのでルンルンだが、そのヘンは高邑の娘・志保(黒川芽以)は直感で見抜き、倫子に会うなり「あんた馬鹿そう」とぴしゃり。負けじと倫子も「性格悪そう」と言い返すのだった。
 華やかな結婚式が終わり、倫子は、隆一郎が仕事でオーストラリアに出かけている気安さも手伝い、なぎさと遊び歩く日々。倫子は幸せの絶頂にいた。しかし、ある時、志保から携帯に電話が入った。「珍しいじゃない」と出た倫子に、志保は隆一郎が「オーストラリアで死んだ」という。
 バタバタと葬儀が済み、倫子と志保は弁護士に呼ばれた。「実は、高邑さんは事業に失敗、300億円の負債が・・・・・・。しかし、これまでのリゾートホテルや、住まいのマンションを売れば、負債は返済できます」と弁護士。「そりじゃ何も残らないの」という倫子に弁護士は「実は旅館が一つあります」と続けるのだった。
 旅館のオーナーも悪くないか!と軽い気持ちで、倫子は志保とともに、旅館に出かけると、ボロっちくて、従業員はほとんどやる気なさそう。客もしばらく来たことはなく、一人、怪しげな女性・勅使河原史子(浅野ゆう子)が長逗留しているだけだった。
 この旅館は村が、なぜか借金ごと買い取ったという。町の町会長を務め自分も旅館経営している債権者の黒沼(金田明夫)父子がやってきて、返済を迫られた倫子は、今売れば「二千万円は残る」と聞き、すかさず売る気になる。「パパのものを勝手に売らないで」と志保は不満そうだが、倫子は従業員を集め「一週間後に売ります」と宣言するのだった。「ちゃらちゃらした小娘に旅館なんてできやしない。懸命だ」と板長の篠田(風間杜夫)、仲居の園部(円城寺あや)も当然といった顔。 黒沼父子と契約した倫子は一端東京に帰り荷物を整理していると、隆一郎の対談ビデオがでてきた。そのビデオを見て、倫子は旅館が隆一郎が生まれ育った家だったことを知り、さらに、なぜ自分と結婚したのかも知るのだった。
 再び志保とともに旅館に戻った倫子。「私この旅館の女将になります」と宣言し、解体作業に取りかかろうとしているブルトーザーの前に立ちふさがった。

<第2回> 「っていうか大失敗」
 寝ぼけながら目覚めた倫子(観月ありさ)。庭の桜の木を眺めながら「そう、女将になるんだ」と決意も新たに、朝礼に臨むと、残った従業員はわずかに四人。「これじゃ」と倫子はさっそく従業員募集の張り紙をだすことにするが、「気紛れでやるなら止めた方がいい」と篠田(風間杜夫)は冷ややか。
 長逗留している史子(浅野ゆう子)。「様子がおかしい。こんな時、自殺でもされたらホントに潰れます」と初恵(円城寺あや)に言われ渋々あいさつに行く倫子。「新しい女将です」と史子にあいさつしながら部屋をなにげなく見渡すとテーブルの端に睡眠薬らしい薬瓶。「どきり」とする倫子だった。
 どうすれば客が来るようになるのか。一向に鳴る様子のない電話を見ながら倫子が考えていると、債権者の黒沼(金田明夫)が若い男多賀谷(酒井敏也)を伴って現れた。「多賀谷を雇ってやってくれ、その代わりといってはなんだが、40人の団体を回す」という。「やっと客が・・・・」と喜ぶ倫子だが、初恵たちは裏があると言い出す。確かに一泊二食付きで一人五千円。黒沼は、嫌がらせで回してきたのだった。
 「うちは最低でも一万五千円。以後、安く見られますよ」と初恵に皮肉を言われる倫子だが、引き受けてしまったものは、しょうがない。
 なぎさ(矢田亜希子)が、借金の返済に追われ東京から逃げてきた。元番頭だった次郎(梶原善)がなぜか戻ってきた。板場にも「経験がある」と里子(馬渕英里子)が加わって、どうにか旅館の体制が整った。
 初恵に団体さんの食事代は「一食800円で。それじゃないと赤字です」と言われ、倫子が篠原に頼みに行くと「800円じゃできない。俺は、そんな料理を作るために来たのじゃない。これが済んだら辞める」と倫子は篠原に毒づかれてしまった。
 それを聞いていた志保(黒川芽以)。「あんたってホントに馬鹿。篠原さんは、パパが頼んできて貰った人なのよ」と志保は倫子に言うのだった。
 とにかく女将の仕事は忙しい。史子のことが気になり、倫子が部屋をのぞくと、史子の姿はなく、雑誌に載った史子の写真を見つけた。それには「傾いた旅館、ホテルを建て直した第一人者」と紹介されていた。姿を見せた史子に「どうしたらいいのか」と尋ねる倫子に史子は「あんたこの旅館に来たくなる」と聞くのだった。
 「エッ」。倫子は何かに気づいた・・・・

<第3回> 「初めてのおつかい」
 「この旅館は最悪です」。花壱の経営指導にあたることになった史子(浅野ゆう子)は朝礼で、従業員に檄を飛ばす。仕事はサボり、接客態度や風呂場の管理もなっていないと史子は手厳しい。
 倫子(観月ありさ)は「倍働きなさい。私の命令には絶対服従」と史子に注文を付けられてはいたが、心強い助っ人と、史子の経営顧問就任を内心喜んでいた。一方、初恵(円城寺あや)は「昨日まで自殺しそうな暗い顔をしていたのに」と漏らし、千葉(金子賢)は「何が先生だ」と反発するなど、従業員たちは、史子を歓迎してはいなかった。
 「私も行きたいな」という、なぎさ(矢田亜希子)に送られ、倫子は史子のお供で、東京の旅行代理店回りに出かけた。アポなしで、史子は、大手代理店の担当者に会い、しかも相手が史子に気を使っている様子、史子には鋭い観察眼もあった。
 倫子は「さすが」とあらためて史子の実力に感心するのだった。その帰りの電車で、どの代理店の担当者も言っていたが「なぜホテルを辞めたのか」と倫子は史子に聞いてみる。その問いかけに直接答えず史子は、解雇を通告された時、「理由を説明して下さい」と上司に迫る自分を思いだすのだった。
 営業の甲斐あって、旅行代理店から担当者が五組、「花壱」に下見にやってくることになる。「ほら、すごいでしょ」と史子の実力を従業員に話す倫子だが、史子は従業員を集め「あなたたちはなってない」とまたまた檄を飛ばす。高級紫檀の柱にやぼったいポスターを貼ったり、高価な中国の壺を傘立てにつかったり、いちいち史子の指摘はもっともで、従業員たちはグーの音もでない。
 やって来た担当者たちは、史子が売り込んだ篠田(風間杜夫)の料理に満足げ。そんな中、小さな代理店の大久保(近江谷太朗)という社長は箸を進めてなかった。
  部屋を倫子が訪ねると、食事もそこそこに大久保は仕事をしていた。しばらくして、倫子が帳場にいると大久保がやって来て「頭痛薬はないか」と言う。「薬より温泉です」と倫子は半ば無理矢理、大久保を風呂に入れると、大久保は風呂場で倒れてしまった。
 よく掃除していなかったため滑ったと判断した史子は旅館のイメージダウンになるからと、救急車は呼ぶなと指示する。タクシーを呼ぼうとする初恵たちだが、こんでいて三十分以上かかるという。それでも史子は「タクシー」と主張するが、倫子は、史子の指示を無視、救急車を呼んだ。
 史子は風呂場の殿山(江幡高志)を責任を取り辞めさせることにする。倫子はなにか納得できないが・・・・・・。
 倫子が史子と共に、病院へ大久保を見舞いに行くと・・・・・・。


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