第16回「夏の眩しさ、夏休み」
7月27日放送
いよいよ世の中は夏休みのシーズンになったようだ。思えばこの
「夏休み」
ってヤツほど、学生時代とオトナになってからとで
感覚的にも実質的にも“違う”
と感じるものも珍しいと思う。正直、社会人になると1週間弱のお盆休みは存在するが、ロングバケーションとなるとめったなことではとることはできない。ましてやTV業界の人などは全く夏休みには無縁といっていい。好きでやってる仕事だから毎日が夏休みみたいなもんだろ!ともいえるんだけど。
で、何が言いたいかというと、オトナになればなるほど夏休みというものの実感がなくなって、その代わり
郷愁
とか
憧れ
といった感覚が必要以上に膨張してきて、幼少期の夏休みの思い出なんて、自分が体験したことの10割増くらいに鮮明に美化されて心の中に広がり続けるのではないか。
ということは今回のイメージ映像は、それぞれの心の中にある、極端に美化された夏休みのイメージに真っ向勝負を挑まねばならないということだ。でも考えていてもらちがあかない。とりあえず自分の中の夏休みのイメージと吉田拓郎の「夏休み」の歌詞を参考に、ありったけの夏の画をつなげてみた。
ひまわり、田んぼのかえる、畑のとんぼ、はなび、祭り、ほうずき市
…… ちょっとカタログ的な羅列になってしまったかなあと反省しつつ、ただ自分の夏休みのイメージはこんな感じです、ということくらい伝われば幸いだなあと思う。
でも夏休みってそんなにステキな思い出だったっけ??とあえて考え直してみると、意外に、辛かったり、淋しかったり、つまらなかったりってことも思い出すものだ。小さい頃、母親の田舎である山形の盆地に遊びに行ったはいいが、ずーと冷房の効いた部屋の中で「ドカベン」読みつづけて夏休みが終わってしまって、宿題の絵日記を徹夜で全部でっち上げるはめになった。辛かったなーって。
ディレクター