<第4回> <第5回> <第6回>


<第4回>
 宗一郎(反町隆史)がなずな(木村佳乃)のもとから朝帰りした日曜日の朝は、明らかにこの前の帰宅とは違っていた。
 落ち着きなく玄関を開けるシュミレーションを繰り返したりしていたのだ。とそこに新聞を取りに来た夏樹(江角マキコ)が姿を現した。
「ふぅん」。朝帰りを確認する夏樹。
 台所では、朝食の仕度をすませた春子(西田尚美)が、日曜出勤する冬美(石田ゆり子)を起こしてくるよう夏樹を促していた。
 だが、冬美の部屋を開けた夏樹はそこに血にまみれで横たわる冬美を発見してしまう。「動かさない方がいいよ」「救急車!」。慌てふためいて叫ぶ春子。
 だがそれを聞いた冬美は、いきなり目を覚まし「救急車はやめて」と制したかと思うと、傍らに置いてあったアドレス帳を差し出し「城山、城山を呼んで!」と不倫相手の男の電話番号を伝えたのだ。
「なんか用意周到だなぁ…」、冷静に言う宗一郎。でも夏樹は、救急車がだめならと久我(椎名桔平)に来てもらう手筈を取ってやった。
 だが、シーツにまかれていたのはケチャップとタバスコで、すべては冬美の狂言であった。しかし、それが判明したときには、すでに久我は春子の家を訪れていた。
 冬美はみんなの前で、城山との関係に疲れ始めていたことを打ち明けていた。夏樹はわざわざ来てくれた久我のことが気になったが、久我は冬美の手首にためらい傷を発見すると、手当てしようといい、気持ちが休まるまで側にいることを約束し冬美に付き添った。
 二人のことが気になるふうの夏樹に、「いいじゃん少しぐらい貸してあげたら」という春子。
 この時は夏樹も冬美に優しくしてあげたいと思い、久我とのことに目をつぶった。その後、冬美は夏樹の気持ちがわかって、迷惑をかけた今日のことを「ごめん」と謝って、城山と別れてきたことを報告するのだった。
 数日後、冬美の立ち直りを祝うパーティーがとあるワイン・レストランで開かれることになった。
 夏樹、春子、久我、そして遠藤(加藤晴彦)に小林(伊藤英明)が集まった。すっかり元気を取り戻した冬美は、早くもマイペースにその場をひっぱっていく。春子は、久我に接近する冬美を夏樹の目を気にしつつ必死に牽制している。夏樹がそんな雰囲気にたまらずトイレに立つと、すかさず後を追ってきた春子は、「はしゃぎたいんだから、大目に見てあげな」というのだった。
 城山と別れてから恋愛エネルギーが蓄積しているはずの冬美のことがやっぱり気にかかると言いつつテーブル戻った夏樹を見舞ったのは、そんな不安的中のシーンだった。久我と冬美のキスシーン!?
 慌てて止める夏樹に、冬美は平然と「夏樹もして欲しい?」とトロンとした表情でいうのだった。
「こっちから順番にキスするぞって、ビールの一気飲みみたいな感じで…」と助け船を出し、説明してあげるなずな。「あの、どちら様…?」と問いただす夏樹。 夏樹は、驚きと怒りのあまりそこに宗一郎となずなが来ていたことにも気が付いていなかったのだ。
 夏樹は、もうそれ以上そこに居ることがかできず、店を飛び出していった。
 思わず立上がりかける宗一郎。だが、後をおったのは久我だった。

<第5回>
 新聞社では宗一郎(反町隆史)、遠藤(加藤晴彦)、小林(伊藤英明)たちがそして春子(西田尚美)宅では、冬美(石田ゆり子)と春子が、夕べの話しで盛り上がっていた。酔って相手構わずキスを始めた冬美のことが話題の中心。
 中でも遠藤は、冬美と自分とのキスは特別だったと、一人ボルテージをあげている。「冬美さんはきっとさびしいんだよ。いつまでも。幾つになっても…」と。これ以上聞いてられないと、宗一郎と小林が退散してしまったとも知らずに。ようやくその場を逃れた宗一郎を、今度は上司が「話しがある」と呼び止めた。何ごとかと思う宗一郎に、ただならぬ様子を察する遠藤と小林。
 そして上司の話とは、宗一郎にクビを言い渡すという本当にただならぬものだった。左遷の次はリストラの対象に…ショックを受ける宗一郎。
 そして、同じ頃姉の春子も応募小説落選の報を受け、打ちひしがれていた。社を出た宗一郎はフラリとあるワインバーに入ると、そこには一人でビールを飲む夏樹の姿が。
 宗一郎は、夏樹に会社をクビになったことを打ち明けた。
 なぐさめも気休めもいらないという宗一郎に、夏樹は一緒に飲み明かすことに付き合う!と笑顔を見せるのだった。
 翌日、宗一郎はなずな(木村佳乃)とのデートへ出かけた。
 一緒に行く約束をしていた旅行のパンフレットを取りだし「休み取れそう?」などと尋ねてくるなずな。「……平気だと思う」宗一郎は曖昧に答えたが、クビになったことは言わなかった。
 しかし、冬美と春子の耳にはすでに夏樹の口から情報が入っていた。
 春子は心配して、父のつてでも頼って見てはと言うが、「取り敢えず自分の力でやってみる」と宗一郎はいうのだった。
 その夜、夏樹は電話が繋がらない久我(椎名桔平)のことが気になっていた。
 地下鉄かな、手術中かも…あれこれ思いを巡らせていたが、実はこの時久我は、患者である一人の少女・利奈(田中麗奈)に携帯電話を隠され、奪われ手を焼いていた。
 そうとは知らない夏樹は、会えない時に心痛めるのだった。
 数日後、今度は冬美が決定的に心痛める番がきた。
 不倫関係にあった城山(羽場裕一)が会社の親睦会に家族と出席しているところを目撃してしまったのだ。
 気持ちの整理の付かない冬美。戻っても一人きりの部屋。
 たまりかねた冬美は、遠藤の携帯電話をならしていた。
 その頃、宗一郎を訪ねてたきたなずなは、駅で偶然春子と会い、そこで始めて宗一郎が会社をやめる話しを聞かされる。「夏樹さんには言えて、どうして私には言ってくれなかったのか……」。なずすなは宗一郎に問いただしていた。

<第6回>
 ある日、夏樹(江角マキコ)が働く美容室に久我(椎名桔平)が突然やってきて、夏樹をデート誘った。何度あっても緊張してしまう久我とのデート。
 夏樹は、話しの糸口を見つけようと、「キスして唇腫れたことあります?」などと突拍子もない質問をしてしまったう。実は今朝冬美(石田ゆり子)が、意味ありげに、恋のはじめって、キスばかりするから唇腫れるよねと言ってたことを思い出したのだ。リアクションに困る久我。
 家に戻った夏樹は、宗一郎(反町隆史)を捕まえ、ぎこちなかった久我とのデートの話しを聞いてもらった。そして、「恋とはそういうもの」という宗一郎の25にしては達観している言葉にうなずいてみたりするのだった。
 その日の夜中、宗一郎、夏樹、春子(西田尚美)たちは一本の電話に起こされ居間に大集合していた。それは外泊するという冬美からの電話だった。
 一体誰と?色めき立つ春子の耳元に聞こえてきた「カズヤー」とジャレる冬美の声。「カズヤ?和也……遠藤和也!」。思わず叫ぶ宗一郎。
 その時、夏樹たちは、冬美が唇腫らした相手が、遠藤であることを知ったのだった。
 翌日。宗一郎は、夏樹から「久我が頼みたいことがあるらしい」と聞かされ、久我の働く病院に出向いた。
 久我は、入院している利奈(田中麗奈)のため卒業アルバム用の写真を撮ってやって欲しいと宗一郎に依頼した。
 しかし、利奈はなかなか心を開こうせず、反抗するばかり。
「そんなのバカみたい」と言い放つと、宗一郎を追い返してしまうのだった。
 でも宗一郎は、これに懲りることなく利奈の病室を訪れ、自分の力で歩いてみないかと利奈を励ました。宗一郎は、剣道で全国大会3位というほどの腕前を持ち、雑誌にも載ったほどの利奈が、松葉杖に頼らなければ歩けない今の自分を、どこかで格好悪いと決め付けていると知り、それをストレートに利奈にぶつけてみたのだ。これを聞いた利奈は、宗一郎にカメラを見せて欲しいとたのみ、それを受け取ったかと思うと、いきなり落としレンズを壊してしまった。
 でも叱ることなく、傷ついた利奈の手の手当てをしてやる宗一郎。
 利奈は、「こんなことをする君の気持ちが分かる…ひどいことやったり、人の気を引こうとしてるのが手にとるようにわかるから」と言う宗一郎に対し、ちょっぴり心を開きはじめるのだった。
 数日後、宗一郎はなずな(木村佳乃)と会っていた。
 本を見ながら、これから見に行く映画を探していたなずなは、「これが見たい」とタイトルを指差した。「えっ」タイトルを見て驚く宗一郎。
 実は、その作品は、夏樹といく約束をしたホラー映画だったのだ。


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