<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回>
 スチュワーデスの制服を身に纏い、先輩・中村の結婚披露宴でスチュワーデスならではのスピーチをする中谷節子(松たか子)と河合ミカ(さとう珠緒)と羽田恭子(川原亜矢子)の3人。
 同じ頃、商品説明をするかのような言葉で、広瀬光太郎(ユースケ・サンタマリア)、田沼謙介(今井雅之)、大畑純一(窪塚洋介)の男3人は結婚披露宴のスピーチをしていた。
 披露宴を終え、私服に着替えながら披露宴の感想を言い合う節子達。お見合い結婚をした中村をして、「お見合い結婚だけはしたくない」とのたまう節子とミカ。その時、節子の携帯が鳴った。彼氏のヒロシからだ。今日はヒロシの誕生日のため、二次会には行かないと言う節子だった。
 だが、ヒロシとの待ち合わせ場所に訪れた節子は思いもかけない女性に声をかけられた。相手は妊婦。ヒロシは二股をかけ、他の女を妊娠させていたのだ。ミカとシェアしている部屋に泥酔して帰った節子は「男なんてもう一生信じない。バカヤロー!」と叫ぶのだった。
 数日後、光太郎は上司の桜庭部長(清水章吾)にミラノ行きの話をされた。その時、光太郎は、彼女がいるかと問いただされた。今はいないと答える光太郎に、嬉しそうな桜庭・・・。
 その晩、キャバクラに行った光太郎と大畑と田沼は、海外赴任は独身者不可だと田沼から聞かされ、これから桜庭部長のお見合い地獄にはまると提言される。顔面が蒼白になる光太郎。その時、別のボックスから桜庭が立ち上がった。今度の日曜日、お見合いのためにあけろ言うのだ。思わず青ざめる光太郎・・・。
 そして場所は節子の実家。母の絹枝(いしだあゆみ)と父の良平(田山涼成)は、仕事も辞め、男にもフラれたみじめな娘のために、お見合い話を持ってきたと言う。だがそんな両親に、お見合い結婚だけは嫌だと歯向かう節子だった。
 しかし。節子はあれよあれよという間にお見合いの席に座らされていた。相手は光太郎。社交辞令的な会話をしながらも、互いに相手を値踏みする2人。だが2人の会話はどうにも弾まないのだった。
 それから後。機内で大畑の接客に当たったミカは、かっこいいビジネスマン風の大畑に目の色を変えていた。
 そして、ミカと大畑の出会いにより、この女3人組と男3人組は合コンをすることになった。その場には光太郎はいなかったが、後から遅れてくる男が一人いると大畑は言う。乾杯をした後、ビールをグビグビ飲む節子。だがそこで節子は視線を感じた。合コンに遅れてきたのは、なんと光太郎だったのだ・・・!

<第2回>
 外車で迎えに来た光太郎(ユースケ・サンタマリア)とのドライブに渋々出掛けた節子(松たか子)。だが車の中の二人は、全く“いい感じ”にはならない。実はペーパードライバーの光太郎は、運転に必死で喋る余裕がないうえ、外車は大畑(窪塚洋介)からの借り物なのだ。
 地図もわからないまま、河口湖へ行こうとする光太郎。ナビを節子に頼むが、ちっともまともなナビが出来ず、二人の間はどんどん嫌なムードになっていってしまう。
 二人がそんなことになっているとはつゆ知らず、田沼(今井雅之)はミカ(さとう珠緒)のことをどうデートに誘おうかと大畑に相談していた。
 一方、恭子(川原亜矢子)はパソコンを買うために、ミカを付き合わせていた。メカが苦手な恭子だったが、実は大畑にメールを送るためにパソコンを買いに来ていたのだ。パソコンが高いため、ポケットボードを買う恭子。インターネットは出来ないのにそれを買う恭子の行動をまだ理解出来ないでいるミカ。
 買い物を終えた恭子とミカ。ミカはようやく恭子の魂胆がわかってしまう。人妻なんだからとたしなめるミカに、それくらいの分別はあると恭子。そんな時、ミカの携帯が鳴った。大畑からの誘いだった。
 その頃、光太郎と節子は、やっとの思いで小さな沼のほとりに辿り着いた。車をずんずんと降りる光太郎に仕方なしに節子も続いた。
「富士五湖の眺めは最高だなあ」と言う光太郎に、「ここ、違うんじゃないですか?」と節子。「やっぱり?」と光太郎。全然違う場所に二人は着いてしまったようだった。しかし時はすでに4時。お腹がすいても、周りには店の一軒もない。節子のいぶかしげな言葉に、実は運転は免許をとって以来8年ぶりだと光太郎は正直に告白。
「もういいです! アタシ運転かわりますから、どこかへご飯食べに行きましょう!今度はあなたナビゲーションしてくださいね!」
 そして車の前まで戻り、ドアを開けようとして唖然とする。キーがささったままドアがロックされているのだ。ドアを開けようと必死になるが、いくら動かしても車はビクともしない。JAFを呼ぶにも携帯電話は車内。バッグもコートもすべて車内。
 しばらく考えた光太郎は、自分が助けを求めに行くと提案。こんな所で一人待たせるのかと節子は反論し、責任をとるから窓ガラスを割ろうと言い出した。それだけはやめてくれと懇願する光太郎は、車は大畑からの借り物であることも白状する。
「こうなったら軽いハイキングのつもりで、二人で里まで下りてみませんか! 天気もホラ、いいことだし!」
 光太郎が言うやいなや、にわかに空は曇りだし、ポツリポツリと雨粒が・・・。
 時を同じくして、大畑のマンションの前にはミカと恭子がやってきていた。大畑が恭子も誘ったからだ。そこにワインとフランスパンを抱えた大畑が帰ってきた。そのお洒落ないでたちとは裏腹に、大畑の後ろから現れたのは、ネギ、大根、コシヒカリを抱えた田沼。田沼がいることにガックリくるミカ。ニンマリする恭子。
 主婦の腕前で、手際よく台所を切り回す恭子。恭子の指示のままに動くミカ。食事が出来上がり、乾杯をしようとしたところで、大畑は光太郎の携帯に電話をかけるが、いくら呼んでも携帯は繋がらない。
 それもそのはず。光太郎と節子は、びしょ濡れで道に迷っているのだった。髪から雫を落としながら、こうなったら二人でなんとかするしかないんだから、前に進みましょうと言うやたら頼もしい節子を見て、申し訳ないような、愛おしいような気持ちになった光太郎は、節子に自分が着ていた上着をそっとかけた。やや間をおいて、アリガトと言う節子。そうしてずんずん歩いていくうちに、二人の目にかすかな光が舞い込んだ。思わず手をつないで走る二人。
 だが、目の前に現れたのは・・・。
「し、城だ・・・」。
 そびえ立っていたのは、ラブホテルだったのだ!
 節子は頼りにならない光太郎をどけ、前払いじゃなければと言うラブホテルの従業員を必死に説得し部屋を借りたが・・・。

<第3回>
 中谷家で熱を出し、倒れた光太郎(ユースケ・サンタマリア)。そんな光太郎に、節子(松たか子)は風邪を引いた時用の中谷家特製のドリンクを作り、ホテルでは寒い思いをさせ、雨の中ジャケットも貸してもらい、ゴメンナサイと謝る。光太郎は思いがけぬ節子の優しさに、思わず熱い視線で見つめてしまう。
 だが節子は、熱が下がったら自分の両親に結婚しないことを話して欲しいと言い出しす。やはり光太郎から断ってもらうのが一番の策だと節子は言うのだ。
 そんな節子と光太郎の様子を絹枝(いしだあゆみ)達は廊下の隅から伺っていた。二人が「いい感じ」だとすっかり誤解している絹枝は、ここまで来たら結婚まであと一息だと息巻く。
 翌日。ヒロシにお金を貸していたことを忘れ、銀行の残高があまりに少なかったことに茫然自失となっていた節子。そこに通りかかった恭子(川原亜矢子)が声をかけた。ビシッと決めた勝負服に、全然似合わないトイレットペーパーなどを手にした恭子は、節子とミカ(さとう珠緒)の家にやってきたのだった。恭子は荷物を預かって欲しいと節子に訴える。実は今日は大畑(窪塚洋介)とデートなのだと言う。だが、ディスカウントショップの閉店セールに出会い、つい主婦の性で買い物をしてしまったのだと。
 その時、もうじき迫る節子の誕生パーティーを光太郎と田沼(今井雅之)も誘ってやってあげると恭子は言った。「!」となるミカ。なんで光太郎を呼ぶのだと節子。恭子とミカは二人の関係を誤解しているのだ。怒って否定する節子に、恭子は、光太郎は案外「買い」じゃないかと言い出した。理由は、節子が選んだ男じゃないこと。そして、ラブホテルに行っても何もしないほど節子のことを大事に思っていること、だった。そうこうしている内に、恭子のところに大畑からのメールが届いた。今日のデートの約束だった。すかさずその場所を盗み見るミカ。
 一方、大畑は恭子へ贈るバラの花束を買い、そこに居合わせた田沼の携帯には、ミカからデートの誘いの電話が入っていた。喜ぶ田沼。
 その頃、節子の携帯に光太郎から電話が入った。何やらお願いがあると言う・・・。
 かたや、恭子は大畑とのデートをミステリアスな微笑みをたたえながら満喫していた。
 そして、恭子達がデートをしている店の前に来たミカと田沼。ミカは恭子のデートを邪魔しに来たのだ。しかし田沼は、この店では大畑がデートをしているから邪魔されたくないと一点張り。結局ミカは田沼に引きずられるように店を後にすることに。
「大畑さ〜ん」と小声で叫びながら・・・。
 同じ頃、節子は光太郎と共に実家の中谷家を訪れていた。光太郎が節子に来てくれるようお願いしたのだ。まだ「結婚しない」ということを伝えていない光太郎にしびれを切らす節子だったが、絹枝はそんな様子の二人を察するでもなく、中谷家はどんどん宴たけなわに。良平(田山涼成)は「ふつつかな娘ですが節子をよろしくお願い致します」と言い出し、光太郎と節子は自分達の意志を伝えるタイミングをどうにも逸してしまう。
 その場を逃れ、公園へ出かける節子と光太郎。
「あなた・・・、ボクと結婚するつもりは・・・、全くありません・・・よね?」
 一日中谷家に居て、節子がみんなに可愛がられて育ったことを痛いほど感じた光太郎は、節子にかすかな魅力を感じたのか、そう切り出した。その言葉にドキンとなる節子。公園での二人の会話は、妙な間と沈黙が続き、二人はなんとなく互いのことがわかってきたのだった。しかし、やはり結論は「結婚しない」に落ち着き、光太郎は明日、紹介者である部長に断りの話をしてみると言い、無理して笑うのだった。
 そして翌日。光太郎は桜庭部長(清水章吾)に話を切り出そうとした瞬間、逆に桜庭部長の方から声をかけられてしまう。ロビーに降りて行く二人。そこには桜庭夫人と、絹枝の姿が。光太郎はなんと、婚約指輪を買わされるハメに。しかも150万円の・・・。


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