蔦子の店に押しかけた借金取りに襲われ、伊織が腕に怪我をした騒動の直後、紀保の部屋に、見知らぬ男が侵入する。借金取りから逃げ回っているという遊び人風の護は、みのりが殺された訳を知っている素振りを見せる。
　みのりは誰にも言えない秘密を抱えていたのではないか、と紀保は推理するが、護の言葉など信用できない、と伊織は取り合わない。紀保は1人で直接護に確かめようとする。
　ところが伊織は、一連の証言から、死んだみのりの謎に気づいていた。伊織は、紀保には告げず、診療所の加賀を訪ね、或る事を調べようとする。
　その夜、急な雨で夕顔荘の2階が雨漏りする。部屋が使えなくなった紀保は、伊織に部屋を譲ってもらう。深夜、廊下に出た紀保は、みのりの部屋でうなされている伊織に気づく。枕元で気遣う紀保は、苦しむ伊織に手を握られる…。