あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「今夜、恋に落ちる」
 マンションで、谷町瑞穂(松たか子)が、部下をかばった奥田直之(葛山信吾)の話を孝平(瑛太)や入江知華(平山あや)にしていると、森永健太(坂口憲二)が帰ってきた。盛り上がっていた瑞穂たちだが、健太の様子がおかしい。実は、健太は藤原央子(長谷川京子)との関係を不破圭二朗(西村雅彦)に打ち明けた。「分かった」とだけ言って席を立ってしまった不破に、健太は不安を感じている。健太を元気付ける瑞穂。だが、健太と央子の関係を励ます自分に、瑞穂は妙な違和感を覚える。
 『楓書房』では、大坪重樹(和田周)の新作発行部数が決まったことを直之が発表。さらに、直之は瑞穂と星野久志(塚地武雅)、永井亘(秋山竜次)の4人の文藝部員だけで出版に向けての準備全てを運営すると言う。直之は、星野と永井には営業担当を、瑞穂には編集担当を任せる。作家と一緒に本を創ることにワクワクし始める瑞穂に、作家になることを諦めたことを再確認した直之は、改めて「君は、編集者になるべき人だよ」と告げた。
 マンションに帰った瑞穂は、祖母のキミ(草村礼子)への葉書をどう書くべきが悩んでいた。リビングでは、健太が央子との次のデートにも孝平たちを誘おうとしていたが、断られてしまう。健太は、不破に打ち明けたことを央子にも話し、孝平たちと一緒に遊びに行く約束を取り付けていた。健太は、瑞穂にも頼む。3人で行くことに難色を示す瑞穂だが、健太はどうしてもと頼み込む。考えておくと返事した瑞穂は、健太にキミへの手紙に何を書こうか悩んでいることを明かす。小説家になることを諦めたことを知ったら、キミがガッカリすると言う瑞穂に、健太はありのままを書くべき、新しい夢を見つければいいと健太。健太のおかげで、瑞穂は正直な現状を書いて投函した。
 翌日、瑞穂は直之に「山崎翔」を次の作家候補にしたいと報告。すると直之は、山崎の本は再ブームが到来していて、どこの出版社も新作の獲得に必死になっていると教える。それだけならともかく、誰も山崎の居場所を知らないと言うのだ。『村越書店』に出向いた瑞穂は、村越亮介(黒沢年雄)に直之から聞いた山崎の話を聞かせる。ミステリアスな山崎をますます好きになったと目を輝かせる瑞穂に、村越は完全に立ち直ったようだと、一瞬だけ安堵の表情を浮かべた。
 健太が央子と遊びに行くことを約束した日は、あいにくの雨。瑞穂も仕方なく付き合うことにしたのだが、健太と2人でマンションに釘付け。瑞穂に促され、健太が央子に電話すると、マンションに遊びに来ると言う。やって来た央子は、健太と仲良さそうにゲームなどを楽しみ、瑞穂は何となくつまらない。食事になると、央子は北海道に行ったことがないと言う。すると健太は、自分たちの故郷を案内するから一度来て欲しいと話し出す。瑞穂はそんな健太が面白くない。央子が帰ると、知華がやって来た。今日の出来事を話す瑞穂に、知華は健太が無神経だと言う。また、健太が平気でも央子が瑞穂の存在を気にすると続けた。瑞穂もそういうことが分からなすぎだと言われてしまう。
 さすがの瑞穂も翌日から部屋探し。情報誌を眺める瑞穂に気づいた直之は、健太に彼女が出来たことを知る。直之は健太への想いを確認するが、瑞穂は否定。すると直之は・・・。

<第8回> 「恋の気持ち隠して」
 谷町瑞穂(松たか子)は、自分が森永健太(坂口憲二)を好きだということを木下優子(佐藤仁美)に指摘された。その翌日から、瑞穂は変に意識してしまい、健太からも様子がおかしいと突っ込まれる始末。一方、藤原央子(長谷川京子)は、不破圭二朗(西村雅彦)と食事をしてキッパリ別れたことを健太に告げる。さらに、央子は不破に健太のことを好きになったことも宣言したと言う。意外な展開に健太は大喜び。
 仕事中も、健太への自分の気持ちについて考えていた瑞穂が帰宅すると央子が来ていた。健太、入江知華(平山あや)、孝平(瑛太)と食事が始まる。だが、瑞穂は健太と央子の様子が気になって仕方が無い。そんな時、休日の過ごし方を聞かれた央子が温泉に行くこともあると言うと、温泉旅行に行こうと盛り上がる。だが、健太が瑞穂を誘おうとすると、知華が遮った。健太と央子だけで行けと言うのだ。知華の思惑に気付いた瑞穂も同調するが、健太は躊躇。しかし、駅まで送ってもらう途中、央子は自分から2人で温泉に行こうと健太を誘った。
 翌日、瑞穂が『楓書房』にいると、奥田直之(葛山信吾)が戻ってきた。直之は、苛立った様子で何かを探していたが、瑞穂に新刊装丁の色校を見せるように告げる。朝一で、デザイナーから受け取ってくる予定だったが、優子と会っていた瑞穂は忘れていた。謝る瑞穂を、直之は思わず怒鳴る。普段と違う直之に、瑞穂、星野久志(塚地武雅)、永井亘(秋山竜次)は凍りつく。沈黙を破ったのは直之。言い過ぎたと瑞穂に詫びる。実は『楓書房』が出版するゲーム雑誌のメインスポンサーが倒産したのだ。雑誌が廃刊になれば『楓書房』の経営も破綻すると直之は静かに語り、瑞穂たちは思わぬ出来事に衝撃を受ける。
 以来、直之はスポンサー探しに奔走し、星野や永井は新刊を少しでも多く置いてもらおうと書店めぐり。瑞穂は、自分に出来る事が何かを青木依子(木村多江)に相談。すると依子は、瑞穂のお気に入りの作家、山崎翔が見つかって、新作を帝国出版から発表することを教える。長年、消息が不明だった山崎の情報に喜ぶ瑞穂は、村越亮介(黒沢年雄)のもとへ。発表の記事が山崎の写真入りで掲載された週刊誌を買い込んで説明する瑞穂は、読者たちがビックリしていると村越に話す。すると村越は、本人が一番驚いているだろうと言い、新刊は読まない方が良いとも加えた。瑞穂は、その言い分にムッとしてしまう。
 瑞穂がマンションに帰ると優子が来た。優子は、健太に対する瑞穂の様子をちゃかしに来たのだ。孝平や知華が帰ってくる。みんなで飲み始めると、孝平は、そろそろ自分たちはマンションを出て行ったほうがいいと瑞穂に提案。優子も賛成するが、瑞穂は会社の問題もあって複雑。すると孝平は、自分がやっている仕事に口を利いてもいいと言う。ところが、社名を知った優子は、その会社が摘発されたことを教える。
 次の日、瑞穂は週刊誌に載っている山崎翔の言葉に、作品との違和感を感じる。再び村越を訪ねた瑞穂は記事を見せ、山崎本人ではないのではと疑問をぶつけた。瑞穂は、村越が山崎の知り合いではないかと思ったのだ。新作を『楓書房』で出版して儲け、倒産の危機を救うと意気込む瑞穂を、村越ははねつける。新作=儲けと言う瑞穂に、村越は失望を感じていた。マンションで、山崎の本を読み返した瑞穂は、翌日もう一度村越に会い、昨日の非礼を詫びる。そして、どうしても山崎と一緒に本を創りたいと頼み込むが・・・。

<第9回> 「恋の終わりは突然」
 自ら伝説の作家、山崎翔だと明かし、小説を出版したいと『楓書房』に来た村越亮介(黒沢年雄)に、奥田直之(葛山信吾)たちは大喜び。村越は自分の担当を谷町瑞穂(松たか子)にすることを条件としてきたが、直之も同じ考え。両者の意見が合致。小説が成功すれば『楓書房』存亡の危機も救われそう。一方、森永健太(坂口憲二)は苦難に直面。不破圭二朗(西村雅彦)のスキャンダルをいかに穏便に済ますかの検討に追われていた。マンションに着替えを取りに戻った健太は、心配する瑞穂にしばらく帰れないと告げる。
 翌日、山崎翔の本を出版することを発表したいと言う直之に、国枝正章(田山涼成)が釘を刺す。偽者で出版しようとする帝国出版は、楓書房を吸収合併しようとしている相手だからだ。瑞穂は、担当として村越の書店を訪ねるが、まだ執筆作業に入る気配はない。その頃、不破事務所には『グッと!ニュース』の林プロデューサー(神保悟志)が来ていた。林は、不破に代役を立てると言う。マネージャーの佐原敦子(西牟田恵)は、そのまま降板させることのないよう林に頼む。了承した林は、早速、不破が留守中の番組構成を作るため健太に作家陣を招集させた。また、健太は現在の状況を藤原央子(長谷川京子)に報告。すぐに騒ぎも治まると央子を安心させる。
 山崎=村越は、一向に執筆を始めない。国枝にはっぱをかけられて村越の元に行く瑞穂だが、編集者として、どう作家に書かせるように仕向けたら良いのかわからない。そんな瑞穂に、健太から電話が。会いたいと言う央子に、どうしても外せない仕事があるので、マンションで待っているよう告げたと健太。瑞穂にも一緒に待っていて欲しいと頼む。
 瑞穂は、央子とマンションで健太の帰りを待つ。央子は、1人でいると不破のことばかり考えてしまうので、健太にしっかりつなぎとめて欲しいと語る。瑞穂は、央子のことを健太が大事に思っていると慰める。そのまま、2人は瑞穂の部屋で寝入ってしまう。瑞穂がふと目を覚ますと央子がいない。リビングに行くと、央子は帰ってきた健太と話をしていた。ふたりの切ないほど仲の良さそうな姿を見た瑞穂は、1人部屋に戻った。
 次の日、瑞穂は村越とまた公園を散歩。男と暮らしているのか?と言う村越の質問に、ただの幼なじみで、向こうには彼女もいると言い訳する瑞穂。だが、村越にじっと見つめられた瑞穂は、思わず同居の相手が好きだと告白してしまう。
 健太は猛反対するが、不破のスキャンダルは休暇だけではすまなかった。林も擁護したのだが、上層部の命令には抗しきれず『グッと!ニュース』降板が決定してしまう。さらに、不破が司会する番組は次々と降板、打ち切りとなっていった。悔しさを隠せない健太は、不破のセカンドハウスを訪ねる。不破は、別荘に引っ込むことにしたと健太に告げる。また、妻とも正式に離婚したと言う。不破を励まそうとする健太。すると不破は、自身が引退を決意したと語る。自分の代わりはいくらでもいると淋しげな不破は、帰ろうとする健太に「お前はここで終わるんじゃないぞ」と告げる。
 執筆を宣言した村越は、まだ小説を書き始めない。直接自分が行くと言う国枝を制して、瑞穂は村越のもとへ。村越は、瑞穂のあせりを見抜いていた。そして、村越はかつて瑞穂に言われた言葉を語る。その言葉が、瑞穂自身の作品であることを確認した村越は公園へ。そこで村越は、突然、小説が完成したと言う。
 央子は、不破が離婚したことを知ってしまう。健太は、央子に連絡が取れなくなった。瑞穂は健太の代わりに央子の様子を見に行く。家の近くまで行くと、央子が旅行カバンを持って現れた。瑞穂が、近づくと央子は不破を支えに行くと・・・。


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