あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「夢はかなう!!あなたに贈る真冬の恋物語」
とある雪深い町の大衆レストランでアルバイトをしている谷町瑞穂(松たか子)は26歳。小説家になることを夢見て、地元に留まって作品を書き続けているが、芽の出る気配は一向に無い。そんな瑞穂の夢がかなう日がやって来た。レストランに瑞穂を訪ねて来た男から、彼女の作品が新人文学賞の大賞に入選したと言われたのだ。瑞穂は、祖母、きみの応援のもと、意気揚揚と東京へと上京するのだが・・・。
 世の中、甘くは無かった・・・。ある事情によって、瑞穂の新人文学賞受賞の話は白紙になってしまう。しかし、このまま、おめおめと故郷には帰れない。瑞穂は、高校時代のクラスメート、木下優子の家に泊めてもらおうとするが彼女は新婚。もう1人、同郷の友がいると優子が瑞穂に教えたのは、森永健太(坂口憲二)。健太は、瑞穂が「ハチ!」と呼んで従えていた幼なじみ。しかし、いくら仲が良いとは言え健太も男。そこに転がり込むなんて・・・。
 26歳という人生の分岐点にいる瑞穂と健太。新しい夢を見るには大人になりすぎて、夢をあきらめるには若すぎる。この物語は、そんな2人のラブストーリーです。

<第2回> 「ハチ公の災難」
 故郷に帰ることを思いとどまった谷町瑞穂(松たか子)は、楓書房で再び働くことに。社長の奥田直之(柏原崇)に瑞穂は辞めると言った前言を撤回。すると、直之は瑞穂が協力してくれるなら文藝部を復活させると言い出す。勢いよく、専務の国枝正章(田山涼成)に文藝部復活を切り出す直之だが、その言葉も次第に尻すぼみ。
 一方、帰郷したはずの瑞穂が気にかかる森永健太(坂口憲二)は、企画会議中も元気がない。そんな時、不破圭二朗(西村雅彦)に取り入っていると、チーフ構成作家の溝口泰生(深水三章)に突然嫌味を言われてしまう。
 その夜、健太がマンションに帰ると瑞穂が酔っ払って寝ていた。今の瑞穂が頼れるのは、健太だけ。翌日、目覚めた瑞穂は、健太に改めてマンションにおいて欲しいと頼む。渋々承知する健太だが、夜食にと買っておいたカレーパンを瑞穂が全部食べてしまっていたことは別。そんなことを、2人が言い争っていると、不破から電話がかかってきた。健太は慌ててマンションを飛び出す。
 健太は、不破の指示で彼のセカンドハウスに着いた。バルコニーから携帯で健太に話す不破は、部屋に2人の女がいると言う。1人は妻で、もう1人は新しい彼女。不破は、妻をごまかすため、新しい彼女の恋人を装って連れ出して欲しいと健太に頼む。言われる通りに、健太が部屋に入ると・・・。不破の新しい彼女とは、藤原央子(長谷川京子)だった。あまりの出来事に一瞬呆然とする健太だが、不破に促されて央子をセカンドハウスから連れ出す。健太は、央子に不破との関係を他人に話さないよう頼まれて、心境は複雑。
 一方、直之の秘書として出社した瑞穂は、取次ぎの青木依子(木村多江)を紹介される。彼女が帰ると、直之は瑞穂に作家リストを見せる。依子に新作を書き下ろしてもらえそうな大物作家をリストアップしてもらったもの。どうやら、直之は本気で文藝部復活を考えている様子だ。早速、リストにある作家とアポイントをとるよう命じられる瑞穂。次々と体よくあしらわれる中、ようやく1人の作家とのアポイントをゲット。
 その日、瑞穂は木下優子(佐藤仁美)とマンションに帰ってきた。孝平(瑛太)、入江知華(平山あや)を交えて食事をしていると、テレビでは不破の番組が映っている。瑞穂は、不破がいいように健太を使っていると酷評。すると、優子は健太が誰にでも忠義を立てる男ではないので、不破も悪い男ではないのでは? と、異を唱える。その頃、健太は不破からチーフ構成作家にならないかと、問われていた。
 翌日、瑞穂は直之とともにアポイントが取れた作家を訪ねるが・・・。

<第3回> 「神の目をもつ男」
 谷町瑞穂(松たか子)が、森永健太(坂口憲二)のマンションに本格的に引っ越して来た。実家から、自分の家財道具を送ってもらったのだ。徹夜明けで帰ってきた健太は驚くが、瑞穂の勢いに押されて片付けを手伝わされてしまう。
 『楓書房』でも、若社長の奥田直之(葛山信吾)が提唱した文藝部復活が本格化。星野久志(塚地武雄)、永井亘(秋山隆次)の社員2人も文藝部に異動してくる。瑞穂は、あくまで秘書として働くつもりなのだが、直之は作家探しを手伝って欲しいと言う。ならば・・・と、瑞穂は自分の小説を直之や星野に見せるのだが、みんな読み出した途端に居眠り。そこに、青木依子(木村多江)が来た。依子は、直之に新人作家の原稿を持ち込む。すると直之は、原稿を瑞穂に押し付けた。
 健太は、事務所へと出社。途中、藤原央子(長谷川京子)と会うが、先日の不破圭二朗(西村雅彦)との一件から、お互いにどこか気まずい。央子と別れた健太は、事務所のミーティングで溝口(深水三章)から、チーフ構成作家を引き継ぐように言われる。溝口は、もうすぐチーフを降板するのだ。
 その夜、健太のマンションのリビングでは孝平(瑛太)や入江知華(平山あや)、木下優子(佐藤仁美)に瑞穂が本日の仕事を報告。仕事をしていた健太も部屋から出てきた。瑞穂は、ここでもみんなに作品を読んでもらおうとする。しかし、誰も作品に集中してくれない。怒った瑞穂は、自分の部屋へ。すると、健太が「面白い!」と原稿を持って駆け込んできた。だが、健太が手にした原稿は、依子が持ち込んだ新人作家の作品。健太を追い返した瑞穂は、思わずその原稿を読み始める。
 翌日、直之に問われた瑞穂は、素直に新人作家の作品が面白かったと伝えた。が、瑞穂は、編集者になるつもりはない。しかし、依子に作家と会って欲しいと頼まれた瑞穂は断りきれなかった。すると、直之が依子に村越書店に出入りする業者を紹介して欲しいと言い出す。店主の村越亮介(黒沢年雄)は、業界で“神の目”と噂される男。村越が目をつけ、店に本を置いた作家は無名でも売れるらしい。だが、大の売り込み嫌い。依子も紹介することなど出来ない。話を聞いていた瑞穂は、書店の場所を依子に尋ねる。
 瑞穂は直之と一緒に、新人作家とカフェで待ち合わせ。すると、制服姿の手塚幸子(石田未来)が現れた。驚く瑞穂。直之は女子高生には興味がないと帰ってしまう。仕方なく、幸子に話を聞く瑞穂。幸子は、今回の作品が初めての小説だと言う。作品を読んだ十人中、7〜8人に好評だったと言う幸子に瑞穂はショックを受ける。瑞穂の作品は、まだ誰からも面白いといわれたことがなかった。マンションに帰った瑞穂が落ち込んでいると、健太が励ます。「良さを分かってくれる人が必ずいる」と言う健太に、瑞穂の心が少しほぐれた。
 翌日、瑞穂は単身『村越書店』を訪ねた。噂どおり、気難しそうな村越がレジで本を読んでいる。自分の原稿を読んでもらおうとするが、村越に突っぱねられた瑞穂は、原稿を強引に置いて店を出た。次の日も、瑞穂は書店を訪ねるが村越に原稿を読んだ気配はない。瑞穂は読んで欲しいと食い下がるが、村越は頑な。
 その頃、健太はチーフとして作家たちとミーティングを始めていた。だが、誰も健太の考えに着いてきてくれない。それどころか、軽く無視されているような雰囲気。その様子を不破も感じていた。収録スタジオで、健太にチーフ昇格へのやっかみを気にするなと言う不破。そして、不破は央子との約束に遅れそうなので、健太に行って欲しいと頼む。健太は、渋々と不破が央子と待ち合わせたレストランへ・・・。
 一方、瑞穂は毎日のように『村越書店』を訪ねるのだが、村越は一向に原稿を読んでくれない。書店からの帰り道、瑞穂はレストランから出てきた健太と央子にバッタリ出会って・・・。


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