あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「君を抱きしめる・・・」
 谷町瑞穂(松たか子)のアドバイスで、手塚幸子(石田未来)の原稿は、着々と完成へと向かっている。2人のやりとりを見ている奥田直之(葛山信吾)も満足そう。一方、森永健太(坂口憲二)は、藤原央子(長谷川京子)から新しいマフラーをプレゼントされた。
 そんな時、瑞穂はいつものように『村越書店』へ。書棚の整理を完了した瑞穂は、村越亮介(黒沢年雄)に自分の小説を読んだ感想を教えて欲しいと迫る。すると村越は、瑞穂は小説家にはなれないと、バッサリ。理由を尋ねる瑞穂に、自分の書いたものをもう一度読み返せば分かると、村越。
 健太は、不破圭二朗(西村雅彦)の央子への態度に不満を感じていた。だが、不破は健太に恋と家庭は別と言い切り、瑞穂との飲み会をセッティングしろと相変わらず軽いノリ。
 その夜、健太がマンションに帰ると孝平(瑛太)と入江知華(平山あや)から、瑞穂が自室にこもってしまったと知らされる。健太は、瑞穂は気に入らないことがあるとすぐ部屋にこもることを知っていたが、今回はかなり重症。丸一日、出てこないため健太は木下優子(佐藤仁美)も呼ぶが、瑞穂は出てこない。
 瑞穂が部屋にこもって2日目。『楓書房』では、直之も瑞穂の無断欠勤が心配になる。幸子からも瑞穂への電話がかかっていた。直之は『村越書店』に出向き、村越から話を聞いて瑞穂のマンションへ。住所を頼りに訪ねて来た直之は『森永健太』の表札に「?」。すると健太が出てきた。お互いに不信感を持ちながら名乗りあう2人。健太は直之をバーへと連れて行く。そこで、健太は直之から瑞穂が村越から言われた言葉で傷ついたことを知る。それでも健太は、直之を制して瑞穂は大丈夫だとかばうのだが・・・。
 マンションに戻った健太は、瑞穂の部屋へ。扉の外から、人に言われたことぐらい気にするなと声をかける。すると、瑞穂から人に言われたからではないと返事が。瑞穂は村越に言われ、改めて自分の小説を読んで才能の無さに気づいてしまったのだ。
 健太が瑞穂のことを考えながら町を歩いていると央子と出会った。しばらく2人で歩いていると、路肩に停まったハイヤーから不破の娘、奈美恵が降りてきた。健太に気づいて声をかけてくる奈美恵。健太は央子を気遣うが、運悪く不破と妻の克子(藤吉久美子)も現れてしまう。不破は、央子を無視して去っていく。ショックで涙する央子を健太は抱きしめた。
 相変わらず瑞穂は出社せず、幸子からの再三の電話にも答えられない直之は、再び健太のマンションへ。健太の制止を振り切って瑞穂の部屋に入った直之は、いつもと違う顔を見せる。「甘えてんじゃない!」と、瑞穂に切り出した。そして、幸子が執筆をあきらめると言い出したことを伝える。編集者として、幸子への責任を果たせと言うのだ。

<第5回> 「決意のキス」
 谷町瑞穂(松たか子)は、小説家になることを断念して落ち込んでいたが、なんとか復活して『楓書房』への通勤を再会。自分の気持ちに決着をつけた村越亮介(黒沢年雄)の『村越書店』にも再び通い始めた。一方、書き溜めた小説を燃やす“夢のお葬式”をする瑞穂に付き合った森永健太(坂口憲二)は、木下優子(佐藤仁美)に会う。健太は瑞穂を勇気づけることが出来たのは奥田直之(葛山信吾)で、自分ではなかったと優子に話した。
 その夜、健太のマンションでは孝平(瑛太)と入江知華(平山あや)が、瑞穂の立ち直りの早さに驚いている。すると瑞穂は、背中を借りて泣いたことが恥かしくなり「御迷惑をおかけしました」と健太につぶやく。その頃、藤原央子(長谷川京子)は、不破圭二朗(西村雅彦)に電話をかけていた。不破への不信感と会いたいという気持ちが高まる央子。しかし、不破は自分から連絡すると言い、すぐに会ってはくれなかった。
 翌日、『楓書房』に出社した瑞穂は、直之から大御所作家、大坪重樹の新作を出版することになったと聞かされる。直之が、大坪の行き付けのバーに通って取った仕事だ。瑞穂が手がける手塚幸子(石田未来)の小説も完成に近づいた。瑞穂は、具体的な出版の話がしたいと直之とともに国枝正章(田山涼成)のもとへ。国枝は、文藝部復活の条件を持ち出し、利益が得られなかった場合の処置を直之に念を押す。
 健太は『不破事務所』でミーティング。だが、誰も健太の案に乗ってこない。気分を変えようと健太が屋上に出ると央子がいた。しかし、淋しそうな央子の様子に声をかけられい。
 マンションに戻った瑞穂は、やはり帰っていた健太に幸子の小説を出版する決意を熱く語る。そんな瑞穂の強さに、つい自分を比較してしまう健太。すると瑞穂は、つらい時こそ強がるべきだと言う。ところが、瑞穂は幸子と連絡が取れなくなっていた。取次ぎの青木依子(木村多江)にも聞くが、紹介して依頼ノータッチだと言われ、瑞穂に不安が募る。
 央子は、不破に会おうと直接事務所を訪ねた。すると、マネージャーの佐原敦子(西牟田恵)が応対に出てきた。佐原は、不破との関係に口は出さないが、自分の立場をわきまえて欲しいと央子に厳しく釘を刺す。
 大坪の還暦パーティーに、瑞穂は直之に誘われて出席。そこに、不破もいた。大坪は不破の番組にコメンテーターとして出演しているのだ。瑞穂に気づいた不破は、気さくに話し掛けてくる。と、健太も現れた。不破は、パーティーの後、飲みに行こうと瑞穂を誘う。瑞穂がきつく断ろうとすると、健太が割って入り不破をうまく引き離した。その後、大坪に挨拶した瑞穂と直之は、新作の件を快諾され大喜び。そんな2人を大手出版社の吉岡がじっと見ていた。帰り際、吉岡が直之に声をかけてきた。大坪との新作契約を誉める吉岡だが、言葉にとげがある。そして、吉岡は幸子の小説を自分の出版社で扱うことになったと告げたのだ。瑞穂と直之は、驚きを隠せなかった。

<第6回> 「大切な人のために」
 谷町瑞穂(松たか子)は、大坪重樹(和田周)の新作原稿が出来上がってごきげん。マンションで森永健太(坂口憲二)、孝平(瑛太)、入江知華(平山あや)に自慢する。でも、健太はどこか上の空。実は、藤原央子(長谷川京子)に強引にキスしてしまったことを気にしていたのだ。そんなことを知らない瑞穂は、健太のチーフ構成作家昇進を祝って、4人でボーリング大会をしようと孝平たちと決めてしまう。
 『楓書房』では、大坪の小説出版が正式に認められた。だが、奥田直之(葛山信吾)は出版後の宣伝展開などに頭を悩ましている。青木依子(木村多江)は、できるだけ早く動いた方がいいとアドバイス。瑞穂も手伝おうとするのだが、直之はとりあえず自分にくっついて見ていれば良いと言う。その日、瑞穂がマンションに帰ると木下優子(佐藤仁美)が来ていた。知華や孝平も控えている。彼らによると、健太が央子に告白したらしい。健太は話を変えようとするが、瑞穂たちは興味津々。ただでさえ悩んでいる健太は、彼女たちの無責任な発言にますます混乱してしまう。
 次の日『楓書房』では、直之に星野久志(塚地武雅)が書評家の堀部利範(蛍雪次朗)と知り合いになったと報告。星野は、堀部に大坪の書評を書いてもらおうとしているのだが、直之はそっけない。瑞穂がその態度を責めると、直之は星野には話をまとめられないと思うと答える。その頃、健太は収録スタジオにいた。不破圭二朗(西村雅彦)を見つけて近づく。すると、不破は央子にふられたと言い出す。他に男でも出来たか?
 と、疑う不破に動揺する健太。そこに、マネージャーの佐原敦子(西牟田恵)が来て、不破と打ち合わせを始めた。
 星野は本気で堀部を接待し始め、瑞穂に高額の領収書を渡す。瑞穂がうまく誤魔化す算段をしているところに、直之と依子が来た。直之は、大坪の本の装丁を瑞穂に相談してくる。こちらも本気だ。その日から、直之は人が変わったかのように、精力的に出版への段取りを図りだした。依子によると、これが本来の直之の姿だそうだ。さらに依子は、その頃の直之は瑞穂のようだったと言う。
 そんなある日、瑞穂が打ち合わせから帰ってくると、星野がいない。永井亘(秋山竜次)によると、また堀部と飲みに出かけたらしい。そこに電話がかかってきた。その日は、健太たちとボーリング大会の約束をしていた瑞穂だが行けなくなってしまう。孝平から瑞穂欠席の連絡を健太が受けていると、央子が現れた。健太は、思わず央子を誘ってしまう。
 瑞穂は永井と病院に駆けつけた。星野が運び込まれたのだが、本人は大丈夫そう。星野は、堀部に命じられて2階から飛び降りたのだと言う。そうすれば、大坪の書評を書くと約束されたのだ。自分のことよりも、書評が取れたことを喜ぶ星野。永井との帰り道、瑞穂は星野のやり方を非難する。すると永井は、星野の気持ちをかばう。星野は直之や瑞穂の手助けをどうしてもしたかったんだと永井は告げる。その頃、健太は央子や知華たちとボーリング大会。健太のあまりの下手さに央子も爆笑。不破との関係に悩む央子が笑うのは久しぶりだった。
 瑞穂がマンションに帰ってくると、ちょうど健太が央子を送り出そうとしているところだった。瑞穂は2人を見て、なぜか動けなくなってしまって・・・。


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