愛しき者へ
#35 手編みの靴下
貴士がヨーロッパ公演に旅立ってから四ヵ月が過ぎた。春菜は出産予定日まであとひと月だ。
麻子が突然、帰国してくる。麻子の産んだ子に心臓の欠陥があり、依頼人が急に子どもを引き取らないと言ってきたという。春菜はその子どもを心配するが、麻子は自分には無関係だとクールだ。
薫が不在の夜、春菜が異様な腹痛に襲われ、破水する。春菜は宇治に連絡をとろうとするが、意識を失う。
春菜が目を覚ますと、宇治病院のベッドの中だった。激しい痛みに襲われた春菜は分娩室へ運ばれる。意識を失う前、春菜は貴士の声を聞いたような気がしたが、果たして、部屋の外には貴士が……。
麻子が突然、帰国してくる。麻子の産んだ子に心臓の欠陥があり、依頼人が急に子どもを引き取らないと言ってきたという。春菜はその子どもを心配するが、麻子は自分には無関係だとクールだ。
薫が不在の夜、春菜が異様な腹痛に襲われ、破水する。春菜は宇治に連絡をとろうとするが、意識を失う。
春菜が目を覚ますと、宇治病院のベッドの中だった。激しい痛みに襲われた春菜は分娩室へ運ばれる。意識を失う前、春菜は貴士の声を聞いたような気がしたが、果たして、部屋の外には貴士が……。