<第7回> <第8回> <第9回> <第10回>


<第7回>
 どうも、退屈な日々が続く本音主婦集団「板橋マダムス」の面々。テレビを見ていたら、平凡な主婦が、米国企業ルーズベルト社のCMに出演、スターになる話を取り上げている。面白い話があるもんだ、と感心するマダムス。そんな折、麻美(高樹沙耶)が婦人警官時代に逮捕した宏次郎(大沢樹生)がスーパー桜田門に米国製品実演販売にやってくる。
 貴子(櫻井淳子)が家に帰ると、ダーリン耕平(高橋克実)が、ルーズベルト社のジョージ社長を、末端市場案内し、社長はそこで、くだんの「CM主婦」探しも行うと言う。それを聞きつけたマダムス、「絶対にスーパー桜田門にすべし」と気勢を上げる。
 ジョージ社長を迎え、あわよくば、CMスターになろうと目論むマダムスは、桜田門を国際感覚あふれるスーパーにし、ジョージ社長のご機嫌を取ろうと、7カ国案内をつけたり、外国人バイトを配置したり、万国旗を飾ったりと、準備に余念がない。
 ダーリン耕平はその頃、しほり(宮地雅子)の夫マイケルとともに、ジョージ社長を迎えに行くが、それらしき人物がいない。探し回る内、「私だ」と現れたのは、なんと日本人。ジョージとは譲治だったのだ。
 ともかく、桜田門に連れてくると、あれもだめこれもだめと、横柄極まりない。その内、宏次郎がルーズベルト社製品を扱っていることを見つけ、「1時間で100個売れ」と無理難題を突きつける。
 そこはマダムス、桜幼稚園から主婦を大量に掻き集め、200個も販売する。しかし、それは、欠陥商品だった。困り切る宏次郎。かさに着て、警察まで呼んでしまう譲治社長。さらには返品の山で呆然となる長島店長(寺脇康文)。もちろんCMデビューなど遠い彼方に消えてしまいそうだ。だが、この話、どうもきな臭い、と睨む麻美。機転を利かせた麻美は、その裏にある事実を暴露する。それが縁で、マダムスの一人がCMデビューすることに決まる。さて、ハリウッド・デビューは実現するのだろうか。

<第8回>
 スーパー桜田門で休憩する貴子(櫻井淳子)や麻美(高樹沙耶)らパートのマダムス。離婚し、環境問題評論家として成功、自立する女の代名詞となった鍋島のぞみ(伊藤かずえ)が話題となる最中に、桜幼稚園の亀山先生(田口浩正)が「リサイクル運動」の案内を持ってきた。亀山は相変わらず無視されっぱなしだったが、ちょうどそのころ、スーパーの表には、当の、のぞみが車から降り立っていた。忙しく働く長島店長(寺脇康文)に相手にされず一人で遊んでいる息子の健太郎(備瀬貴之)が交差点で危ない目に遭い、のぞみが近づいていった。
 マダムスの仕事は高級ワイン100本を注文者に届けること。その依頼者がのぞみだった。のぞみの事務所に行ったマダムスは、そのかっこよさに感動。特に貴子は、離婚に憧れを抱いてしまい、のぞみから新刊本「離婚ノ勧メ」を貰って俄然その気になり、ダーリンの耕平(高橋克実)はうろたえる。
 桜幼稚園のリサイクル運動が始まるが、みんなやる気はない。そこで貴子は憧れののぞみにダメモトで連絡する。なんとのぞみは二つ返事で了解する。しかし、その活動振りは、強引そのもので、誰もついていけない。しかも出席している長島店長の様子がどうもおかしい。
 とうとう父母たちが、のぞみに反発し始めた時、長島店長が「お前、全然変わらないな」と怒鳴った。のぞみと店長は元夫婦だったのだ。しかも、のぞみがスーパーや桜幼稚園に近づいたのは理由があった。健太郎を引き取りに来たのだ。のぞみは、店長が健太郎を構わないのを理由に親権を取り上げようという心積もりだった。のぞみは、不甲斐ない桜幼稚園の父母たちを「主婦なんてそんなもの」と罵り、長島店長に親の資格なし、と言いきる。
 でも、そこで黙っていないのがマダムス。のぞみが提唱した危険交差点にリサイクルで信号を、というスローガンに「私たちでやってやる」と行動に出る。
 のぞみは、それを鼻で笑い、健太郎の歓心を買おうと遊園地へ連れ出す。帰って来た健太郎を店長は叱り飛ばすが、結局、健太郎は店長の一生懸命な姿に打たれ、父を選ぶ。さらに、マダムスは交差点に黄旗を設置。のぞみは敗北する。その時、店長は・・・。

<第9回>
 「大金持ちのお年寄りに知り合いがいないかしら」と「板橋マダムス」が話していると、貴子(櫻井淳子)の娘が「おじいさんにぬいぐるみをもらった」と駆け込んできた。徳次郎(仲谷昇)という老人が「2万円の安物です」と言って去る。マダムスは「この人だ」と大喜び。
 ちょうど、桜幼稚園の創立記念日に「敬老交流会」を開くことが決まる。マダムスは、くだんの徳次郎を含め、町内の金持ち老人と一挙に知り合いになるべく、スーパー桜田門の長島店長(寺脇康文)を巻き込んで「老人集め作戦」を開始する。その名簿の中にマンション経営者の徳次郎の名を発見、驚きを隠せないマダムス。
 桜田門では、お年寄り向けのセールを開始。店長はここで点数を稼ぎ、恋する園長(涼風真世)に愛の告白を決行するつもりであった。が、なかなかお年寄りの相手も大変、マダムスもプレゼントの温泉の素を溶かして飲もうとする老人たちに慌てる始末。そこへ、あの徳次郎がやってくる。徳次郎はマダムスに親切にされたことを喜び、「あなたがたのために、何でも金を使いましょう」と言わせる。
 そんな頃、桜幼稚園に事件が持ち上がった。園長の父親が保証人となった3000万円の借金が、創立記念日に期限となり、園を手放さなければならなくなったのだ。あと3日で3000万円は無理。園長はあきらめかける。それを聞いたマダムスが、徳次郎に金の工面を相談に行くと、徳次郎は二つ返事でOKしてくれる。しかし、その徳次郎は、大金持ちでも何でもない老人ホームの入居者と分かる。マダムスは騙されていたのだ。  しかし、徳次郎がなぜ騙したか詮索する余裕はない。園長は、金庫の中に貴重な壷が収められていたことに気付き、亀山先生(田口浩正)らが金庫を開けようとするが、なんと亀山先生は鍵のナンバーを忘れており開かない。刻々と迫る期限。とうとう、当日になった。債権者が訪れ、園の閉鎖が近づく。
 そこへ、長島店長が現れ、自宅の権利書を差し出す。店長は愛の告白は出来たものの、園長はさすがに受け取れない。と、その時、金庫が開く。素晴らしい壷だが、二束三文のメイド・イン・ジャパン。万事休すと思いきや、そこへ徳次郎登場。「そこに素晴らしいものがあるじゃないか」。驚く一同。徳次郎は金持ちではなかったが、指折りの鑑定士だったのだ。さて、徳次郎の目利きで、桜幼稚園は救えるのか?頑なな徳次郎はなぜ心を開いたのか?

<第10回>
 貴子(櫻井淳子)の部屋に集まり、土鍋をつつこうとしていた「板橋マダムス」の上から真っ黒な水が滴り落ちてきた。団地の老朽化が進んでいるらしい。住み替えを真剣に考えてしまうマダムスたち。
 そんな折、貴子のダーリン・耕平(高橋克実)が、専務(藤田宗久)のニューヨーク赴任に際して、白金の専務の家が借りられることになったと報告する。「板橋」マダムから「白金」マダムへ、一挙に“昇進”することに胸をときめかせる貴子だった。でも、そんなことは、とてもマダムスの仲間には言い出せない。
 ところが、団地にも、建て替えの話が飛び込んでくる。建設会社の役員・白川一郎(山崎一)が、団地を訪れ、説明会を開きたいと言ってきたのだ。条件抜群の話に飛びつくマダムス。が、どういう訳か、自治会長の美代子(絵沢萌子)は、頑なに反対する。白川は美代子の息子だったのだ。しかし、この機を逃して、転居できるはずのないマダムスは、立替え賛成の署名を集め、貴子は美代子を説得。美代子も諦め、署名に応じる。これで、貴子も、思い残すこともなく、白金へ移れるはずだった。
 だが、ことはそんなにうまく運ばない。新団地の家賃は、なんと、今の2倍であることが判明。マダムスは一転して、建設反対運動を起こす。さらに悪いことに、貴子の転居もばれてしまう。麻美(高樹沙耶)は、突然、貴子に対し冷淡になり、反対運動への参加を拒否する。それは、貴子の決心を鈍らせないための友情の表れであった。
 専務の家に招待を受け、「シャトー・マルゴー」を飲まされる青沼一家。貴子はどうも居心地悪い。お隣の奥様も参加し和やかな晩さんなのだが、どうも違う。その時、隣家から、団地で行われるのと同じクリスマスの子供の遊び声が聞こえてきた。隣家は建設会社の白川の家だったのだ。白川は、板橋の団地で育ち、美代子会長のやり方で育てられた。その習慣が、団地の文化としてこれまで残っていたのだ。そして、団地建て替えは、白川が母・美代子に住んでもらいたかった老人用住宅のコンセプトであることを知らされる。貴子はいたたまれず、その場を飛び出し、団地に向う。
 団地では、白川らとマダムスが向き合っていた。白川の部下が団地の設備に、トラブルを起こすように細工したことが分かったのだが、実際は押され気味のマダムス。そこへ貴子が入ってきた・・・。
 果たして、「板橋マダムス」は解散となるのか、それとも・・・?感動の最終回にご期待を。


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