あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「無差別殺人!?犯人は熱烈読者!?兄貴に捧げる特大最終号」
 マンガ原作者、秋野真理子(遠野凪子)の遺志を桃井環八(原田泰造)と八代亜希(大竹しのぶ)の弟子、堀越みどり(堀つかさ)が引き継いで「名探偵マリリン」の連載が始まった。
 そんなある日、編集部で「〜マリリン」のホームページを見ていた青梅広道(中山秀征)が環八に声をかける。ホームページに不気味なビデオメールが届けられたのだ。何やら、犯行予告めいたビデオメールなのだが、青梅はこれ以外にも同様の文字メールが数多く届けられていると言う。そんな会話に三京稔(川端竜太)は「人気作品でもないのになぜ?」と疑問を投げた。確かに、登場以来の人気が下がっている。返す言葉のない環八に、疎井明編集長(蟹江敬三)も「イタズラに関わってる場合か!」とハッパをかける。そして青梅は、ビデオメールを削除した。
 環八は、八代の仕事場にみどりの原稿を取りに行く。すると、いつもと違う雰囲気。アシスタントたちが、なぜかピリピリしている。疑問に思う環八に、八代はみどりだけデビューしたことへのジェラシーだと教える。さらに八代は、デビューした時は誰でも通る道、それを乗り越えなければ本当のプロにはなれないと、環八に語った。
 翌朝、ヤングシャウト編集部を少女、下村絵里(新山千春)が訪ねてきた。「〜マリリン」の担当者に会いたいと言うので、環八が応対するが「ガンバって下さい」とだけ言い残して去ってしまう。「変なことばかり」とつぶやいた中原ひかる(真中瞳)は、小さな新聞記事にひっかかる。それは、深夜に起きた通り魔事件で、現場に「ぼくを探して」というメッセージが残っていたというもの。この言葉は「〜マリリン」の中で、犯人たちがいつも使うものだった。環八は、急いで絵里の後を追うが、すでに姿は消えていた。
 新聞記事を巡って、編集会議が行われた。「警察に連絡しましょう!」といきり立つ環八に疎井編集長は「それで問題を大きくして、『マリリン』を打ち切るのか?」と切り返す。
 さらに疎井編集長は、担当編集者自らが連載をつぶすような動きをするな、と環八を一括。新しいアンケートでも「〜マリリン」は人気順位を落としてしまっていた。
 順位を聞かされたみどりは、ショッキングなシーンを増やそうと環八に提案。だが、環八は真理子の原作を守りたいと反対する。すると突然、八代が仕事を切り上げ、みどりだけを残してアシスタントを帰してしまった。一緒に出た環八だが、気になって八代の仕事場に戻る。すると、八代はみどりに厳しいマンガ指導を行っていた。自分の入る余地すらない雰囲気に、環八は静かに去って行った。
 次の日、出勤してきた環八を2人の刑事が出迎えた。またしても女性が襲われ、現場に「ぼくを探して。ぼくを助けて」というメモが残されていたというのだ。刑事たちが帰ると、環八は疎井編集長、宮史郎太副編集長(高橋克実)とともに役員会議室へ。3人を迎えた渡辺編集局長(平泉成)は、警察沙汰になったことで「〜マリリン」の打ち切りを命じる。「どこかのゲス野郎に作品が踏みにじられている!」と連載続行を訴える環八。だが疎井編集長は「だからこそ打ち切るんだ」と告げる。「〜マリリン」を続ければ犯罪はエスカレートして怪我人では済まなくなると言うのだ。「どうしてわかるんですか?」と問う環八に「昔、似たようなことがあったからな」と疎井編集長。
 一連の犯罪との関連性から世間が騒ぎ出し、皮肉なことに「〜マリリン」の人気はトップに躍り出た。被害者に会いに行くという環八を目白通代(京野ことみ)が止める。なんとか、契約社員になった環八の言葉は大学館の言葉、あくまで一般人として被害者に会おうと目白も同行することに。ところが、被害者の病院にはマスコミが押し寄せていた。そこにしゃしゃり出た環八は、うっかり編集部の人間だと言うことをばらしてしまう。
 編集部に帰った2人は疎井編集長に謝罪。と、そこへまた絵理がやってきた。絵理は中途半端に「〜マリリン」を終わらせないで欲しいと、部員たちに懇願する。そして「あの中の犯人は、あれは‥」と言おうとしたところに「編集長!たいへんなことになりました」と、青梅が飛び込んできた。犯行予告のイタズラメールを捜査していた警察が、一番最初に同メールを送付した人物を割り出したというのだ。それも、身内の人間から・・。

<第11回> 「運命の最終ラウンド!!死ぬな兄貴涙の大演説」
 「週刊ヤングシャウト」の廃刊が決定し、編集部員たちは最終号の準備に追われている。桃井環八(原田泰造)は、「名探偵マリリン」最終回の作画を八代亜希(大竹しのぶ)に依頼。だが、八代は弟子の堀越みどり(堀つかさ)に筆を折らせることになった事への責任を痛感し、返事を渋ってしまう。一方、疎井明編集長(蟹江敬三)は、渡辺編集局長(平泉成)から「〜マリリン」は即時打ち切りで、最終号には掲載しないよう念を押されていた。
 編集部には、傷害事件を追う刑事が来ていた。彼らは、事件前に編集部を訪ねてきた少女、下村絵理(新山千春)に捜査の手を伸ばそうとしているのだ。刺された青梅広道(中山秀征)の意識が未だに戻らないため、些細な情報も見逃せない。目白通代(京野ことみ)、中原ひかる(真中瞳)から聴取を終えた刑事が編集部を出るのと入れ違いに、八代が入ってきた。八代は「〜マリリン」を引き継ぐことを決意したのだった。
 病院で青梅を見守っている疎井編集長を除く、ヤングシャウト編集部員全員が「〜マリリン」最終話打ち合わせのため、会議室に集合した。環八、通代、ひかる、三京稔(川端竜太)、本占地雪之丞(八嶋智人)、宮史郎太副編集長(高橋克実)、そして八代のアイデアは膨らみ、用意したページ数を遙かに超えるものになってしまった。
 熱く盛り上がり、煮詰まる打ち合わせ。そこに、居酒屋「泪橋」のマスター、高森朝雄(佐藤正宏)、西川沙耶(西山繭子)が差し入れを持ってやって来る。たまたま、宮副編集長から荷物の引き取りに来たバイク便の青年、高野タケシ(小栗旬)も一緒だった。すると、環八が突然「終わらなくてもいいんじゃないですか?」と、言い出す。無理矢理終わらせるより、犯人からのアクセスを待つ。そんな形にしたいと言うのだ。編集部員たちは、納得できないが、読者の立場として高森や高野が賛同する。亜希も賛成し、いよいよ「〜マリリン」最終話の執筆が始まった。
 その頃、刑事たちは絵理が勤めるコンビニを突き止め、事情聴取に赴いていた。しかし、刑事たちの姿をいち早く見つけた絵理は、逃走を図ってしまう。刑事からの連絡を受けた環八は「〜マリリン」最終話に一部変更を加えたいと言う。さらに、編集部の業務用携帯電話を借りる環八。環八は、マンガに本物の携帯番号を載せ、犯人からの連絡を待つつもりなのだ。心配する目白は、一部始終を疎井編集長に報告してしまう。
 亜希の仕事場で、携帯番号のネームを貼り替えた環八が編集部に戻ってくるのを疎井編集長が待ちかまえていた。「バカもの!」と案の定、疎井編集長に一括される環八。しかし「ただ犯人と話がしたいだけ」と土下座までして頼み込む環八に、ついに疎井編集長は折れる。喜んで他のマンガ家の原稿を取りに出かける環八を見送った疎井編集長は、辞表を書き始めた。
 部員全員が一丸となって作った最終号が出来上がった。普段はほめることのない疎井編集長も「どれも、いい出来だった」と、言葉少なに彼らをねぎらう。だが、青梅に最終号の報告に行った環八には、まだやるべき事が残っていた。携帯電話を握りしめ「〜マリリン」に八代が書いた印象的な背景の場所に向かう環八。その環八を、目白は励まし、厳しい目で見送った。
 疎井編集長は、最終号を見た香川善三社長(細川俊之)に呼び出された。香川社長、渡辺編集局長に「〜マリリン」ろ打ち切らなかったわけと、携帯番号の掲載理由を求められる疎井編集長。すると疎井編集長は、静かに辞表を提出する。「バカな!」と驚く渡辺編集局長に「バカにならなきゃ、ゼロからものは作れない」と疎井編集長。香川社長の「それも桃井環八の影響ですか」の問いに、疎井編集長は「私もただのマンガバカなんです」と答えた。
 とある埠頭で、犯人からの連絡を待つ環八。何度か呼び出し音がなるが、どれもイタズラ電話。それでも、待ち続ける。その頃、環八の身を心配する宮は、読者メッセージの束をバイク便の高野に渡していた。病院では、通代が青梅に付き添う。と、青梅の目がゆっくりと開いた! 意識が戻った青梅は、駆けつけた警官に犯人の特徴を話し始める。埠頭では、バイク便の高野が環八に荷物を届けたところだった・・。


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