番組紹介 脚本家・倉本聰が3年ぶりに富良野を舞台にした新作ドラマを書き下ろした。タイトルは『風のガーデン』。死を目前にした男が絶縁していた家族のもとへ戻っていく物語を通して“生きること・死ぬこと”を描いていく人間ドラマだ。キャストに中井貴一、緒形拳、黒木メイサ、神木隆之介らベテランから若手まで実力派俳優たちをぜいたくに配し、「フジテレビ開局50周年記念ドラマ」としてお送りする。 この『風のガーデン』は、『北の国から』(~'02)、『優しい時間』('05)に続く“富良野三部作・最終章”として書かれた作品である。前二作とも、主人公の暮らす家や喫茶店など物語の舞台となる場所を富良野に実際に建設し、ドラマの設定や登場人物が違和感なく風景に溶け込んでいる空気感を作り出すことで、ドラマに生き生きとしたリアリティを付加してきた。今作では富良野に広大なブリティッシュガーデンを二年がかりで造成。主人公の家族が育てるこのガーデンには、計365種類の花が季節ごとに咲き乱れ、その美しい癒やしの風景はドラマの見どころのひとつとなる。 台本は昨年秋にすべて書き上がっており、ドラマに四季折々の富良野の美しい自然の映像を盛り込むために、昨年の紅葉や雪景色をすでに撮影済み。そして今年4月中旬、花の咲き具合に合わせて俳優陣も急きょクランクインした。今後も種類によって咲く時期が違う花たちの開花を追いかけ、初雪の頃まで断続的に撮影を行っていく予定だ。ポイント■フジテレビ開局50周年記念ドラマ 来年の開局50周年を迎えるにあたり、さまざまな大型企画を放送していくことになるが、『風のガーデン』はその皮切りに「フジテレビ開局50周年記念ドラマ」と題してお送りする。倉本作品ならではの骨太な脚本を、実力派俳優をキャスティングし、一年かけて富良野の美しい大自然の映像とともに作り上げる人間ドラマ。他局では見ることのできない圧倒的スケールの本格ドラマとしてフジテレビが自信を持って送る。■倉本聰 連続ドラマは……2005年1月~3月放送『優しい時間』…『北の国から 遺言』(2002年)以来のドラマ脚本。連続ドラマ脚本は15年ぶりの執筆だった。2007年1月~3月放送『拝啓、父上様』…『優しい時間』以来2年ぶりの連続ドラマ。2008年10月~12月放送『風のガーデン』■富良野 『北の国から』、『優しい時間』につづく、富良野三部作の最終章。前二作は冬のドラマであったこともあり、富良野の雪景色が印象的だったが、今回の『風のガーデン』は、花がキーワードであり、みどころのひとつであることもあって、色とりどりの花が咲き乱れる美しい風景を、四季折々で存分に見せていく。 前半は東京と富良野のシーンを同時進行で交互に見せていくが、中盤から、ほとんどすべて富良野が舞台になっていく。■ガーデン 旭川で1600坪以上もある大きな英国風庭園を作っている上野ファームというお米農家にガーデニング指導をいただき、富良野にドラマの舞台となる約600坪のガーデンを造成した。一昨年から土を入れ替え、環境を整える作業をしはじめ、撮影前に昨年一年間、ドラマに登場する花を本番通りに咲かせるテストを行ってきた。花の種類は365種。倉本聰も具体的な花選びから関わった、倉本プロデュースのブリティッシュガーデンが完成した。■花言葉 各話ごとに花が数種ずつ登場し、岳(神木隆之介)のモノローグやセリフの中で、祖父(緒形拳)が独自に考案したオリジナルの花言葉が語られる、という設定。この花言葉の数々は倉本聰が作ったもので、ドラマには登場しないものも含めて365種類分の花言葉を考案した。■撮影期間 昨年、富良野の秋の紅葉、冬の雪景色の実景の撮影から開始した。そして4月11日から出演者も含めた本格的な撮影がクランクイン。撮影スケジュールは花の咲き具合に合わせて決まる部分も多く、クランクインも予定より10日ほど早まった。その後、富良野、東京でのロケ、そして東京でのセット収録と断続的に撮影を続け、11月の初雪の頃にオールアップの予定。撮影に訪れてみると予定の花が咲いておらず、別の花に急きょ台本を変更、花言葉も撮影現場で倉本氏に作ってもらうというハプニングも。■中井貴一 昨年8月に2夜連続で放送した大型ドラマ『はだしのゲン』で、圧倒的な演技力と存在感があらためて評価された。それ以来のドラマ出演。連続ドラマ出演は、2001年7月期連続ドラマ『ウソコイ』以来。倉本作品出演作は……連続ドラマ『ライスカレー』('86フジテレビ)、単発ドラマ『波の盆』('83NTV)、『失われた時の流れを』('90フジテレビ)、『玩具の神様』('99NHK)。■医療シーン 中井貴一演じる主人公が東京の大病院の麻酔科医である設定であり、ドラマ中、特に前半は臨場感溢れる医療シーンもみどころのひとつ。医療監修を務める旭川医大や日本医大に何度も足を運び、中井も実際の手術現場を見学するなど、リアリティを重視した演出法で、見応えある医療シーンとなりそう。中井貴一は手元のみのシーンも吹き替えなしで収録した。■音楽 劇中、中井貴一がチェロを、神木隆之介がピアノを弾く場面が印象的に描かれている。俳優陣は、それぞれ初めての楽器演奏に向けて、個人レッスンに自主練習にと励んでいる。医療、チェロと課題が山積みで「休む暇がない(笑)」と中井貴一。■札幌YOSAKOIソーラン祭り 6月、実際にYOSAKOIソーラン祭りに出場する旭川のチームに黒木メイサが参加。父娘の再会があるかどうか、という重要なエピソードの1シーンをお祭り本番の真っ只中で撮影した。お祭りの生の感動と本物の躍動感溢れる映像で、感動の一場面を収録することができた。練習期間は3カ月に及び、黒木メイサを含む4人の俳優は、何度も旭川を往復。本番前は、約2週間前から乗り込み、ほぼ毎日のように練習を重ねた。結果は、チーム一丸となれたこともあり、昨年を上回る準大賞に輝いた。■物語 東京の有名医大病院の麻酔科准教授・白鳥貞美(中井貴一)。死期の迫った患者を楽にする緩和医療のエキスパートでもある貞美は、麻酔学界の権威である。その爽やかな風貌と明るさは、病院内でもひときわ目立ち、その華麗な女性関係は万人が黙認してしまっている。しかしその陰で、貞美自身が末期癌に冒されている事を知る者はいなかった。己の死を意識するにつけ、貞美の心に故郷・富良野に帰るという選択肢が浮かぶ。そこには父・貞三(緒形拳)と二人の子供・ルイ(黒木メイサ)、岳(神木隆之介)が暮らしているが、6年前から音信が途絶えている。貞美は、女性関係のもつれから妻・冴子を自殺に追いやった過去があり、そのことから父に勘当され、子供たちに会うことも許されていなかった。年老いた父は孫たちとともに、妻が残したブリティッシュガーデンを育てている。季節ごとに咲くさまざまな花たちを風が撫でていくその美しいガーデンに、貞美が迎え入れられる日は来るのだろうか……? 閉じる もっと見る 出演者 中井貴一黒木メイサ神木隆之介 *国仲涼子石田えり布施 博ガッツ石松平野勇樹(新人) *伊藤 蘭奥田瑛二緒形 拳ほか スタッフ ■原作・脚本 倉本 聰■監督・演出 宮本理江子■制作協力 FCC■制作著作 フジテレビ バックナンバー 2008年10月9日(木)放送 第1話 2008年10月16日(木)放送 第2話 2008年10月23日(木)放送 第3話 2008年10月30日(木)放送 第4話 2008年11月6日(木)放送 第5話 2008年11月13日(木)放送 第6話 一覧ページ >