あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「男と女の友情って」
 あたる(菅野美穂)ははずみでカヲル(押尾学)とキスしてしまった。「意味なんてないよね」「ないんじゃねえか」。ところがこのキスの意味があたるの胸のうちで大きくふくれあがることになった。きっかけはさくら(片瀬那奈)の一言。「2人、とうとうヨリ戻ったんだ」。

 伊倉(吹越満)も調子をあわせた。「幼なじみとはいえ、男と女だもんな」。あたるはあわてて否定した。「友情のキスよ」。なんとかその場はとりつくろったが、あたるは自分の言葉に説得力のないことに気づいていた。妊娠していなくてホッとしたのも束の間、あたるのおとこ運は妙な方向に動きはじめた。「あれえ」。あたるが店に戻ってみると、店内に2匹のクジラ風船がプカプカ浮かんでいた。「お前に渡してくれってさ」。天羽(田辺誠一)が聞いたところによると、健の恋人・典子の手術は無事成功したという。「友情でキスするか?」。天羽にも見られていたらしい。「男と女の友情は、タイミングのズレた男と女だよ」。つまりどちらかの気持ちがもりあがっているのに、相手にはその気がない状態。「お前が気づいてないだけで、カヲルくんのボルテージ、あがってきてるんじゃないのか」。あたるは少し不安になってきた。  あたるが部屋に戻ると、さくらから感謝された。妹に対して責任をもってほしいと迫ったおかげで、伊倉がさくらの妊娠を前向きに考えてくれるようになったらしい。ふだんはケンカばかりしても姉としてはうれしい。かたやカヲルはベッドの上でぼう然としている。洋子(山本未来)とはまだ話せるチャンスすらない。「なんか俺もギューッと抱きしめてほしい気分だよ。やってくれっか?」。ふだんのあたるなら二つ返事でそうしただろう。でもいまはそんな気になれず、逃げるように部屋から出ていった。

 あたるは洋子を呼びだして、カヲルともう一度話しあってもらえないかと頼んでみた。「あなたたち、またつきあったら。そうすればこっちは穏やかに子供を産めるわ」。洋子のシングルマザーの決意は揺るぎなかった。そして彼女もまた、あたるとカヲルがヨリを戻せばいいと口にした。

 あたるが自分の部屋でこたつ虫をきめこんでいると、カヲルが姿を現わした。「戻ってこないから、こっちじゃないかって思ってさ」。手にはナベ料理の食材を下げている。カヲルは慣れた手つきで下ごしらえをはじめたが、あたるは緊張して動きがぎこちない。扉におでこをぶつけた。「タンコブになるぞ」。カヲルが手をかざして きたので、あたるは焦った。「あたしたち、やっぱ友達のほうがいい、今がベストだよ。またつきあっても苦労するだけだよ」。カヲルは呆気にとられた。そして大笑いした。「そんなこと考えていたの? すげー、勘違い」。あたるの一人相撲だった。ホッするやらおかしいやらで、2人は笑いが止まらなかった。

 そのころ、さくらと伊倉は天羽の店にいた。「天羽さんにはいるの?離れてても通じあっている人が」。さくらに聞かれて、いつになく天羽は真剣な表情になった。「ずっといろんなこと、忘れたふりして生きてきたからさ。まだ通じあってんだかどうだか」。天羽は穏やかにタバコをくゆらした。  翌朝、誤解のとけたあたるがサッパリした気分で店に出てみると、珍しいことに天羽はまだベッドで寝ていた。「水くれ」「二日酔い?」。テーブルの上を片づけようとして、口紅のついたグラスに気づいた。「俺に女がいたっておかしくないだろ」「そりゃそうだけど」。「今日は店開けないで、このまま一緒に寝てようぜ」という天羽、あたるはふいに悲しい気分におそわれて、やり切れないように天羽を見つめた。「どうした?」。あたるはプイと部屋を出ていった。

 数日後、天羽が店番しているとカヲルがやって来た。あたるは買い物で留守だ。「あんたに話があるんだ」。カヲルはクジラの風船に目をとめた。「あんたは一緒に飛ばしてやらないんですか?」。カヲルは以前、あたるとはつきあってほしくないと天羽に言ったことがある。「いまもその気持ちは変わらないけど。とにかく俺とあたるは幼なじみとしてだから」。カヲルは自分に言い聞かせるように言った。カヲルが帰ってしばらくすると、あたるが買い物から戻ってきた。「お前どっかでさぼってただろ」。近所の神社でおみくじを引いていたのだ。しかも大吉が出るまで何度も。あたるは天羽の目を盗んで、大吉のおみくじをクジラの風船のひもに結びつけた。「ねっ、クジラ一緒に飛ばしてくんない」「なんで俺なんだ?」。天羽は無言であたるをじっと見返した。「やっぱダメなんだ」。あたるがあきらめかけた瞬間、天羽が顔を近づけてきた。あたるはそっと目を閉じた。「ドキドキしただろー」。いつものようにからかっていたのだ。あたるは傷ついた。その気になっていたのに。涙があふれてきた。「クジラぐらい1人でだって飛ばせるわい!」。あたるは風船をつかむと店を飛びだした。

 色々なことがあった自分のアパートの前で、あたるはおみくじを広げた。大吉のおみくじの裏には、あたるの字で”2人で一緒に幸せになれますように”と書かれていた。やっぱり1人はさびしい。クジラの風船を飛ばそうと手をのばしたら、むこうから天羽がやってきた。「何しにきたのよ」。口ではそう言ったが、あたるは思わず笑顔になった。片方の風船を天羽に手渡そうとした寸前、あたるはつまずいてしまった。「あっ!」。2匹のクジラの風船は大空に消えていった。「やっぱお前、ほんと運ないわ」「そっちがちゃんとつかまなかったからでしょ」。そんな悪態をつきながらも、あたるは天羽が来てくれただけでうれしかった。  その頃、伊倉のマンションでは、伊倉とさくらが掃除をしながら子供の名前を考えていた。伊倉も姓名判断を調べていて、まんざらでもない様子。と、さくらが、がっかりしてトイレから出てきた。「・・・来た。できてなかったの」。ついつい、「良かったじゃーん」という伊倉。ショックで泣きたい気分のさくらが、急にパーティを開くといい出し、洋子や天羽もカヲルの家へ。全員集合となったその場で、カヲルは洋子に「父親としての責任がある。面倒をみさせてほしい」といった。一同注目の中、「あなたの、子供じゃないとしても?」洋子の爆弾発言が──。

<第8回> 「あたしのプライド」
 「あなたの子供じゃないとしても?」。洋子(山本未来)のその一言はカヲル(押尾 学)の部屋にいた全員に波紋をなげかけた。もちろん一番ショックをうけたのは自分こそ父親だと信じていたカヲルだ。「あんたが父親なのか!」「それは彼女に聞いてくれよ。一番わかってんだから」。天羽(田辺誠一)はとりあわずに帰ってしまった。さくら(片瀬那奈)は伊倉(吹越 満)を疑った。「たぶん違うんじゃないかな」。伊倉は他人事のようにかわした。あたる(菅野美穂)とさくらは洋子に迫った。「父親は誰なのよ!」。しかし洋子は父親の名前を明かさなかった。 「あなたじゃないわよね?」。あたるは店に戻ると天羽に問いただした。「彼女とは寝てねえよ」。父親はやはりカヲルだという。「じゃあ、なんであんなこと言うのよ」「カヲルくんに惚れはじめてるってことじゃないか」。だから洋子はわざとつき放すようなことを言ったのだと。「彼女なりのプライドなんだろ」。あたるには洋子が理解できなかった。  さくらは伊倉のマンションでからんでいた。「なんでよりによって吸血鬼なのよ」「だから寝てないって」。もちろん吸血鬼とは洋子のこと。チャイムが鳴った。さくらがドアを開けると、イベントコンパニオンの松尾淳子(山本恵美)が立っていた。まだ伊倉と切れてなかったのだ。さくらは伊倉の女グセの悪さにウンザリした。「もうどうでもいい。あんたとはもうこれでおしまい。バイバイ」。  さくらはマンションを出ていった。

 あたるは天羽の考えをカヲルに伝えた。「なんで彼女の心に入っていけないんだろ?」。カヲルがため息をつくと、あたるも本音をもらした。「もしあいつが父親だったらどうしようって、不安でさ」。天羽に傾きだした気持ちをカヲルには素直に打ちあけた

。  天羽が店を閉めようとしていたら、さくらが1人でやって来た。かなり酔っぱらっている。「さっき伊倉と別れてきた」。つとめて明るさを装っていたが、やがて泣きだした。「どうしてあんなヤツ、好きになったんだろ」。天羽はただ静かに抱きしめてくれた。

 翌朝、あたるは出勤途中の伊倉と顔をあわせた。「さくら、泊まらなかったの」。2人が店の中で見たのは、天羽に寄りそうさくらの姿だった。「私たち、そうなっちゃったの」。さくらに悪びれた様子はない。「お前が正しいかもな。じゃあな」。伊倉はショックを隠して出ていったが、あたるは動揺をあらわにした。「さくらとなんて。嘘でしょう」。天羽はバツ悪そうにつぶやいた。「一緒に飲んでいたらそうなっちゃってさ」。

 しかしあたるは天羽が店のソファで寝たことを見ぬいた。「さくらちゃんにつきあっただけ。別れるためのきっかけにさ」。あたるの脳裏には、天羽の部屋で目にした口紅のついたグラスがよみがえった。「そんな嘘ついて傷つく人がいるんじゃないの」「いるよ、お前だ」。あたるは一瞬マジになった。「冗談だよ」。いつもの天羽だった。

 嘘だとバレてしまったのに、さくらは毎日店にやって来るようになった。しかもあたるに見せつけるように、手作り弁当を天羽と仲良く食べている。「いつまで続くんだろ」。あたるはため息ついた。さくらはあたるが知らない天羽のことをいろいろ知っていた。このリサイクルショップは知りあいに頼まれて手伝っているだけ。いわば臨時店長。バイクを走らせて日本各地で転々とバイト生活をつづけている。「なんかマジで惚れちゃったみたい。天羽さんとなら幸せになれそうな気がするんだよね」。あたるは嫉妬のあまり、ついにキレた。「絶対絶対、なれません」。さくらが黙っているわけない。「こたつ虫やってたって幸せはこないのよ」。痛いところをつかれて、あたるは何も言い返せなかった。

 カヲルが部屋でデザイン画を描いていると、ケータイが鳴った。「あなたに会いたいの」。洋子だった。カヲルはコートをつかんで部屋を飛びだした。「来てくれるなんて思わなかったわ」「俺、ほんとはすごくさびしかったんだ」。洋子からキスしてきた。カヲルも返すように抱きしめると、洋子は耳元でささやいた。「抱いて」。カヲルはとまどった。ようやく意味がのみこめた。「できてなかったんだ、子供」。洋子は妊娠していなかった。「友達として子供、もらえるかな」「俺の心はいらないんだろっ!」。カヲルは傷つきどこか冷めた目で洋子を見つめた。「さびしくないですか」「ずっとこうやって生きてきたのよ。あなたと出会う前から、子供は1人で育てるって決めていたの」。洋子は認知や養育費の迷惑はいっさいかけないと言った。「もう、今夜で終わりにしよう。つかれたよ」。カヲルは重い足どりで洋子のマンションをあとにした。 「お姉ちゃん、一緒に飲もうぜ」。あたるは屋台で昼間から酒を飲んでいる男から声をかけられた。伊倉だ。「さくら、どうしてる?天羽さんとうまくいってんの」。やはり気になるらしい。「でも、これで良かったのかも。俺とだと歳もはなれているし、女グセだって直せそうにないからな」。伊倉からさくらのことを気づかう言葉を聞いて、あたるは意外だった。「あいつが幸せな気分でいられるんなら、それでいいんじゃねえの」。あたるは自己嫌悪にさいなまれた。自分のことしか考えてなかったからだ。

 あたるが店に戻ると、さくらが涙を浮かべて飛びだしてきた。「バカみたい、あいつはちょっと私につきあってくれただけなのに」。さくらは本気で天羽を好きになりかけていたらしい。あたるは怒りを天羽にぶつけた。「優しいふりして。あなたはどっかで人を傷つけているのよ」「じゃあ、そっちはどうなんだ」。天羽は突然、あたるにキスした。「お前はずっとこうしてほしかったんだよ」。あたるは天羽をつきとばした。「ひどいよ」。あたるは涙をいっぱい浮かべて、飛びだした。 泣きながら土手を歩いていると、洋子と別れてきたというカヲルが肩を落とし座っていた。並んで夕景を見ながら、お互いを「今のまんまでいいよ」と励まし合う二人。そんな二人を天羽が見ていた。天羽は二人に近づき言った、「もうフリはやめるよ」「俺も、自分の思ってることいわなきゃな」──。

<第9回> 「夢か家族かオヤジ乱入」
 「もうフリはやめるよ。俺も自分の思ってること言わなきゃな」。天羽(田辺誠一)は、カヲル(押尾学)の複雑な視線を感じながらもあたる(菅野美穂)に言った。「お前と会えてよかったよ」。あたるは天羽が初めて素直になってくれたことがたまらなくうれしかった。 「ごっこはもう解消してあげる。でも伊倉(吹越満)には言わないでね」。さくら(片瀬那奈)は天羽に約束した。「ほんと調子のいいヤツ」。あたるらがホッと顔を見あわせていると、洋子(山本未来)が店に入ってきた。「よく来れたもんよね。あれだけみんなに迷惑かけといて」。さくらは敵意をむきだしにした。あたるも黙っていられなかった。「これ以上、カヲルを傷つけないで。あなたにはいらないカヲルでも、あたしにとっては大切な人なの」。その時、あたるのケータイが鳴った。「えっ、父さん。大丈夫?」。あたるとさくらの父親、柚木幸造(泉谷しげる)が突然上京してきて、持病の心臓発作をおこしたらしい。あたるたちは五人全員であわててカヲルの家に戻ってみた。「お父さん!」。幸造は苦しんでいるどころか、伊倉を殴りとばしていた。

 カヲルの家の居間。おっかない表情の幸造を前にして、あたるたち一同は神妙な顔つきで正座している。「苦しいなんて芝居しちゃってさ」「うるせえ!」。幸造は仏頂面でどなると、さくらにむき直った。「こいつとは別れたのか」「長い間ご心配かけまして」。伊倉がぎこちなく頭を下げた。幸造はあたるが会社をクビになり、同棲相手に逃げられたことも知っていた。「2人そろって不倫に同棲だあ!お前らなに考えてんだ!」。  とにかく幸造の迫力に圧倒されて、初対面の天羽や洋子までもだんまりを決めこんでいる。幸造はあたるとカヲルをじっと見た。「お前ら、結婚しろ。お互いに気心も知れてるし安心だ。それがイヤなら、あたる、お前は田舎に戻って干物屋をつげ」。言いたいことを言ってしまうと幸造はさっさと風呂に入ってしまった。 「なんでこうなんのよ」「オジさん、言いだしたら聞かないしなあ」。あたるとカヲルが浮かない顔をつきあわせていると、さくらがいたずらっぽく笑った。「やっぱ運命じゃないの」。

 伊倉はさくらが天羽とつきあっていると信じていた。「これまでのこと、親父さんに謝れてよかったよ」。さくらは動揺したが、本当のことは言えない。カヲルは自分の部屋で洋子と2人きりになれた。洋子はあたるとの結婚をすすめた。「そうすれば私から子供くれなんて、せがまれないでしょ」。洋子はわざと自分を傷つけるような言い方をした。「シングルマザーになることは私の人生設計なの」。洋子の両親は夫婦仲が悪かった。それがトラウマになっていた。「あなたとならあったかい家庭を築けるかもしれないと思った」。洋子は悲しそうに首をふった。「でもやっぱり私には無理だわ」。

 翌朝、高いびきをかいている幸造に気づかれないように、あたるたちはそっと部屋から逃げだした。あたるは天羽に揺れる気持ちをうちあけた。「このまま結婚に逃げるっていうのもね」。とはいえあたるにはやりたいことがない。「これからもずっとバイト生活していくの。次の夢とかは?」。あたるは天羽にたずねた。「そんなのはすぐには見つからないだろ」。天羽には焦りの色はない。「カヲルくんを夢にしたらいいんじゃねえの」。さらりと言ってのけた天羽の一言があたるの胸にひびいた。

 洋子は伊倉のマンションにいた。「お互い、いい歳して年下の子にふりまわされている感じ。みっともないわね」。2人ともどこか大人になりきれない部分を抱えていた。「みんなエゴイストよね」。洋子がポツリとつぶやくと、伊倉は「それでいいんじゃない」とにやけた笑いをのぞかせた。

 幸造のことが心配になってあたるがカヲルと帰ってくると、さくらが天羽に抱きしめられているのを目撃した。「また伊倉に戻りそうで恐いの」。天羽はさくらの寂しさに同情しているだけ。そうだと分かっていてもあたるの心はヒリヒリした。こんな時にありのままの自分をさらけだせるのはカヲルの前だけ。あたるは天羽がずっと優しさを演じているのだと思っていた。「けどホントに優しいのかも。だからさくらのことだって受け止めちゃうのかな」。カヲルもわが身に思い当たるふしがあった。洋子にひかれる思いはキャリアウーマンとしての魅力だった。生身の女性としての洋子のことは少しも理解していなかった。 「こうなったら俺たち、結婚すっか」。カヲルは冗談めかしてあたるに言った。「こらっ、カヲルっ!洋子虫のことで弱気になってるっしょ。お互い逃げちゃマズイよ」。あたるは自分に言い聞かすようにつぶやくと、スクっと立ち上がった。「父さんにぶち当たってくる」。

 あたるが戻ってみると、幸造は慣れた手つきで魚をさばいていた。夕食のしたくらしい。ちらりと見えた横顔はけわしい。あたるは度胸をきめて正直に気持ちを伝えた。「あたし、まだ夢は見つかってないけど、自分の人生から逃げたくない。このままどっちに逃げても、きっと後悔すると思うんだ」。あたるは幸造から頭ごなしに怒鳴られるのを覚悟していた。「ま、納得するまで東京でやりゃいいさ。お前の人生はお前のモンだ。自分の手でゆっくり切り開いていけばいいさ」。幸造の言葉には娘の幸せを祈るあたたかさが満ちていた。「やっと本気でぶち当たってくれたな」。幸造は思いだしたようにつけ加えた。「あいつ、なかなか器用だな。うまくさばいたぞ」。天羽が手伝ってくれたらしい。あたるはうれしかった。

 幸造はなべ料理のしたくをすると、さっさと帰ってしまった。みやげの干物の入ったビニール袋が3つ。それぞれにメモがついていた。”あたるへ。天羽さん用””カヲルへ。洋子さん用””さくらへ。ゲソ用”。「なんで私だけゲソなのよ」。そう言いながらも、さくらは干物を取ると足取りも軽く、伊倉のマンションへ。「あたしもあいつとこ、行ってくる」。あたるも飛びだした。「俺も持っていくかあ」。カヲルも立ち上がった。3人ともそれぞれの相手のもとへむかって行った──。


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