『めざせ!ゴミ分別100%たすきリレー』
2007年05月08日
ある日、牧原部長から声を掛けられた。
「藤村君、アナルーム代表で社内のゴミ分別委員を僕と一緒にやってくれない?」
ゴミ問題から環境に関して興味を持った私にとって、願ってもないチャンス!
「よ、よろこんで!」君は居酒屋の店員か!?
本当によろこんでこの役を引き受けたのが今年の2月末。
というのも、社内でも環境問題に興味のある人とない人にすごく開きが出始めたなぁと漠然と思っていたから。
![]() 14のカテゴリーに分別するのです |
そこで総務が考えたのが、分別業者に頼るのではなく、社員皆の協力を求める形で遂行しようという方法だったそうです。
まずは、ゴミ箱の設置方法を『可燃・不燃』などのゴミの種類に合わせたものから、『紙類・プラスチック類・その他のゴミ』など、リサイクルしたい項目に合わせたものに切り替えることから始まりました。
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「ふむふむ。全社的にやるとは、情報発信をする会社として然るべき行為。エコの動きが感じられるまでに時間がかかったけど、よいムーブメントだわ」と見ていました。
しかしゴミのカテゴリーが変わったところでみんなが積極的に動いてくれたかというと、実際は決してそうではなかったと言います。「仕方がなくたすきリレーの形を取らざるを得なかった」とは総務部長の苦渋に満ちた弁。(多くの人は強制されないとやろうと思わないみたい・・・・・。)
しかしこれが功を奏し、分別への意識はかなり高まったと感じられたと言います。勿論その根底に、どうせやるなら「楽しくなくっちゃ」という社のマインドがあります。これにのっとって、楽しみながら分別できるように、ゲーム式のたすきリレーという形を取った訳なんですね。このキャンペーン、「めざせ!ゴミ分別100%たすきリレー」とネーミングされ、達成率を少しでも100%に近づけるよう日々努力することを管理部署より通達されたのでした。
人事、経理、事業、営業、報道等、各部署を持ち回りで経由し、ついにこの3月、アナウンス室の番がやって来ました。
一つでも分別を間違えると100%にはならないという厳密ぶり。
厳しいジャッヂが目を光らせます。
アナウンス室と同時期にこれに取り組むのが編成制作局の各部署(ここにはバラエティー番組の制作部署などがあり、アナウンス室もここに入りまります)。
![]() 皆様方♪ |
素朴な疑問のぶつけ合い大会となりました。
「噛み終ったガムは何ゴミ?」
「タバコの箱に付いているアルミ紙は何ゴミ?」など、委員もこの時点では、ただ召集されただけの素人軍団!わからないことだらけ・・・・・。
特に分別をわかりにくくさせている要因の一つは、今回の分別は一般家庭の分別ルールと少々違い「フジテレビ・ローカルルール」が適用されているため。
普通は大まかに「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「カン・ビン・ペットボトル」と分別することが多いですが、今回は“捨てる”という意識ではなく、“リサイクルできる物はリサイクルしよう!”というのが最大の目的で第一義。
このフジテレビ・ローカルルール。例えば、燃やせば燃えるので、布やウェットティッシュは「紙ゴミ」に入れたくなりますが、紙としてリサイクルできないのでこれは「その他のゴミ」に仕分けされるのです。この分別は特に混乱を極めさせました。
またプラスチック製品も、ロケ弁当などの箱は「弁当ガラ」へ。ビニールやペットボトルラベル等のプラスチック加工製品は「プラスチック類」の項目へと分けなくてはなりません。何故なら元の素材の汚れ度合いによって出来上がる固形燃料の質に差が出てくるためなのだそうです。
またガムテープやセロテープは粘着面が付いているためリサイクルできないので「その他のゴミ」へ。
この方法で分別すると、先述の「噛み終ったガム」はリサイクルできないので「その他のゴミ」となり、タバコの箱に付いている銀色アルミ紙は「紙ゴミ」となります。
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![]() VTRやDVD等は特殊廃棄物としてまとめて処理。 新人・小穴君の係 |
留意点などをまとめて「分別で迷ったらどうぞ牧原さんか私までご質問下さい」と室員全員にメールしたところ、みんな来る来る。
「さおちゃん、これはどうすればいいの????」
「これって何ゴミ?」
「ダンボールは?」
大の大人がゴミ箱の前で右往左往。か、可愛ゆい☆
何故それがこの分別箱行きになるのか、理由を添えて案内すると、「なるほど〜」と理解した上で捨ててくれる → そうするとそのカテゴリーのごみに関しては次回から自分で判断して捨てられるようになる! → すると予想通り、質問を受ける回数も徐々に減ってきました。
![]() B1のストックヤードでは・・・ |
恐れ入りました・・・・。確かにテレビ局は、管理部署を除いて常に動いています。祝祭日だろうと、年末年始だろうと関係なし。むしろその時の方が特番で人が多かったり・・・・・。人が動くとゴミが出る。
![]() 集められたゴミたちを部署毎に厳しくチェック! |
なんという悪循環・・・・・。このまま分別がきちんとなされれば、ストックヤードで働いている18〜20名の人を削減して、その人達を他の業務に就かせたいという総務部長。
このキャンペーンが始まってからお隣の席の笠井さんに言われてしまいました。「このごろゴミ箱の前に行くのが恐怖で。さおちゃんに聞かないと捨てられなくなっちゃってさ・・・・・」これはある種、よい兆候です!みんなもこうなってくれるといいんだけどなぁ、なーんて思っていたら・・・・・あちゃ〜、やっちゃいました、アナウンス室。
![]() ストックヤードは、 こんなえらいことになっています! |
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![]() 皆がきちんと分別してくれないので、 再分別に人手も時間もかかります |
![]() 初日は・・・・・ |
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ひ、低い・・・・・・
最初はこんなもんか〜、と気を取り直して次の日の結果をみてみると・・・・・71.9%やった!UP!
しかし喜ぶのはまだ早い。怖ろしいことに、このUP&DOWNを何度も繰り返すのです。折線グラフにしたら蛇ですよ、ヘビ。ウネウネウネウネ。〜〜〜〜〜こんなかんじ。
そう簡単には右肩上がりにはならないのね・・・・・。
捨てられた物の中に何が誤って入っていたか、分別結果が細かく明記されて委員に送られてきます。
「紙ごみの中にバナナの皮、チョコレート、カステラが入っていました」→「え!?うそでしょぉ〜ん!?」という珍事件や 「プラスチック類のゴミに生ごみが入っていました」→「トホホ」
等、「ネタか!?」と突っ込みたくなるようなとんでもない事柄を、皆さん、よくもまぁやってくださり、本当にこれには笑わせていただきました!
こんな一喜一憂を繰り返し、迎えた月の最後。
他局では期間中一度は達成されたという“分別率100%”ですが、編成制作局ではこの時点でまだ一度も出ていない危機的状況。勿論アナウンス室も。
こうなりゃ最終手段だといわんばかりに編成の全部署をあげて、あの手この手で試行錯誤。
・・・・・したものの、蓋を開けてみれば結局一度も達成されず仕舞い。ようはダメだったのであります。
でもね、私は強化月間だからということで無理強いするのは違うと思っていました。
本当に数字を達成させようと思ったら、ゴミ箱の中を毎日牧原さんと私があさり、仕分け直しをすればよいわけです。
しかしみんなに知識として知って、頭で理解してエコに協力してもらいたいと思ったから、そのような事は当然しませんでした。
結果的に言えば数字は達成されなかったけど、強化月間が終わった今でも分別で迷ったらみんな聞きに来てくれるようになりました。みんなのマインドが随分変わったと感じます。
どうせやるなら「楽しくなくっちゃ」ね!
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情報発信局として恥ずかしくないよう、努力します。
放送以外でも今後のフジテレビにご期待下さい(^^)