『ゲーム感覚で楽しめちゃう!most cleanな“足” その1』 2006年04月18日

桜の花満開!一年で一番甘酸っぱくも気持ちのよい季節がやってきましたね。みなさんお元気ですか?

こういう気候になると、思わずな〜んにも用がないのにフラフラと表に出掛けたくなるものです。そこで今回は、こんな “足” はいかが?ということで、石油などを使わず、二酸化炭素も排出しない「クリーンエネルギー」を動力とした乗り物について取り上げちゃいます(掴みはえらく大層っぽいけど、実は誰もが乗ったことのある、アレです!)

ガソリンを動力源とし排気ガスを出す車に比べ、人力を動力源とし排気ガスを出さない“自転車”はとてもクリーンな乗り物。
ここ数年、私は自転車から遠ざかっていましたが、その昔、学生時分は毎日の通学の最速・最強の味方でした。


学生時代、自転車通学でした。

ちなみに自転車デビューはこんな感じ。弟と。
そんな若かりし頃のある朝。
いつも通り、駅前に自転車を停めて学校へ行き、夕方戻ってくると「あれ??? この辺に停めたハズなんだけど・・・ないっ!!!」ということがしばしば。
そう。皆さんも一度は経験があるかもしれませんね。放置自転車とみなされ、撤去されてしまったんです!
だからその都度、区の自転車置き場に取りに行きましたよぉ。
・・・ま、今となっては懐かしい話しですけれどね。

そして時は2005年、現在へ戻ります。
ある日、「自転車があったら便利なんだけどなぁ」遠くを見るように主人が言ったその一言がきっかけでした。
我が家は駅から程近く、また、車もあるため、移動に関しては何の不自由もなかったんです。が、確かに、主人が言うように、無いよりあった方がより便利。
「そんなに高い買物じゃないし、じゃあ、買いますか。」
その時急に時空を越えて思い出したのが(大袈裟?)、あの放置自転車置き場に並んでいた、引き取り手のない自転車達でした。
「あの自転車達、持ち主が取りに来なかったらただの粗大ゴミになっちゃうのかしら?だとしたら、二次利用して販売している自治体はないのかしら!?」
そんな想いでインターネットで検索してみると・・・おっ。いくつかHIT!
ただ残念なことに、その自治体の区民でないと購入権利が与えられない所が多く、半ば諦めモードに・・・。
最後の一軒にするつもりで港区のエコプラザというリサイクルセンターに電話してみたところ「どなたでも結構ですよ。毎月・第二土曜日に抽選をやりますからお越しください」とのこと!
「ヤッター!」


ここで受付を済ませます
某月。
指定された第二土曜日の朝10時。
気もそぞろで東京都港区虎ノ門にあるエコプラザに到着。
「えー?ここって小学校よね?なんで?」
そう、そこはかつて港区立の小学校だった所を、廃校後“エコプラザ”として活用しているんだそう。
「なるほど、建物もリサイクルってわけね。素敵♪」
更に素敵なことに、ここで働いていらっしゃる皆さんはシルバー人材センターという処に登録なさっている60歳前後の方々で「まだまだ働きたい!」という方を集めて事業を展開しているとのこと。
人材もリサイクル!皆さん、一生懸命応対して下さり、とっても気持ちが良かったです。


下見風景

下は¥7400〜¥8900まで
受付を済ませると早速「自転車を下見して下さい」と言われ、メモ用紙と鉛筆を渡された。
下見?
わけがわからず“挙動不審ちゃん”な私。
先に来ている人達を見てみると、ずら〜っと並んだ自転車を触りながら・見ながら、貰ったメモに何か書き込んでいる。

「はは〜ん、自分の気に入った自転車の番号を控えているのね。」
では、私も!・・・と思ったけど、自転車のどこを見ればいいのかチェックポイントが全くわからない。
唯一の違いがわかるポイントは色・形に代表される“外見”と、値段。下は7400円から上は8900円まで。

一体皆さんはどこを見ているのぉ?
真剣に品定めをしているお客さんに邪魔になって申し訳ないと思いつつも、聞いてみることにしました。
「あのー・・・失礼ですが、どういう点をチェックなさっているんですか???」
すると
「ブリジストンなどの国産物の方がいい」とか「港区は坂が結構多いのでギアがあった方がいい」とか実に貴重なご意見が。
“なるほど、みんなそうやって選んでいるんだ〜”
なーんて感心してみたものの、一方の私は、安くて程々きれいで、ちゃんと走って・ブレーキが利いてくれれば何でもいいと思っていたので、結局最後までメモは白紙のまま・・・

この日集まったお客さんは、60人!
随分沢山の方が訪れていることに驚嘆し、皆さんどこでこの情報を得たのか、伺ってみました。
まずは品川にお住まいの68歳のおじいちゃま。購読している新聞の地域広報欄を見て訪れたそうで、今回で数回目。「ここで買った自転車は私の子供とか孫とかも乗るんですよ。駅前に置いておくといつの間にか持って行かれてなくなっているので、そしたらまたここに来て中古自転車を安く買う。要は循環してるんだよ!ハハハ。消費時代だから、買う方さえ納得していれば、逆にこういうのはいいんじゃないの?悪い所は直してくれて一年間の保障も付いてるし。ま、車で言うところの“新古車”だね。値段も二分の一くらいだし。新しく買うよりこっちのほうがいいから、私は年に3回くらい来るんですよ!」と。
確かにおっしゃるとおり!


試乗も可!
また、ここで購入した方のご紹介で来たという10代の息子さんと50歳代のお母様の二人連れは・・・「あまりに自転車がきれいだから、これが中古だとは信じられないわ!息子は通学用に。私はお買い物後の荷物を沢山乗せたいので、カゴが大きいのがいいわ。二台買っていきます」とのこと。欲しい自転車のビジョンもしっかりあっていいですね。
中にはこんな方も。ピンポイントで「子供乗せ自転車(チャイルドシートが初めから備え付けられている自転車のこと)が欲しかったのに、今日の販売ラインナップにはないのでまた来月きます・・・。子供乗せ自転車って、新規で購入すると4〜5万円するし、時期が過ぎれば(子供が大きくなれば)いらなくなるから、ここで買うのが狙い目かなと・・・。」
うーん、母は賢い。
私は他のリサイクル自転車販売所に行ったことがないので残念ながら比較はできませんが、このエコプラザで販売している自転車はそれだけ種類も台数も豊富だということが皆さんの声でわかりました。
しかも係の方にお伺いしたところによると、この港区のリサイクル自転車は、元々放置自車だったものを販売用にするために

(1) 中でも保存状態の良い物のみを選び
(2) 分解してグリスを差したり、錆びている部品は新しいものと交換し(一台直すのにその他の放置自転車の部品3〜4台分は必要になるとのこと)
(3) ブレーキワイヤは全て新品に交換する
(4) 鍵は新規で付け替え
(5) 一年間の保障付き

等、これだけの工程を全て技術講習を受けたシルバー人材センターの皆さんが行っているそうで、一台直すのに一日半〜二日かかるんだそうです。
このご努力。想像しただけで頭が下がりますね。
“みなさんのお陰で自転車に乗れます”本当にありがとうございます。

さて、この日の販売台数は41台。そこに60人の人が訪れ厳正なる抽選が行われます。番号が呼ばれなければ「落選」(××)キャー!
「どうか当たりますようにっ。お願いします!」
さぁ、運命を分ける抽選が、いよいよはじまります!!(つづく)