『暑さ寒さも美観にね!?』 2006年02月06日

夏の"クールビズ"が大当たりし、経済的には"ホット"になった2005年。柳の下にドジョウは二匹いるのか?冬は"ウォームビズ"が施行され、各方面がにわかに賑わっています。
まるで一つの商戦のように取り上げられ、根本の意図を勘違いしてしまいそうなこの"〜ビズ"。そこで、今一度そもそもの根幹を思い出してみよー!
クールビズ&ウォームビズは二酸化炭素の排出量を軽減し、地球温暖化を抑止する為に行われている環境省発のプロジェクト。
日本経団連が会員企業に聞いたアンケートのうち85%以上が実施していたという夏のクールビズは、オフィスのクーラー温度を28度と高めに設定し、その分、涼しげな格好で過ごすことで省エネをもたらす。勿論例外なく、弊社フジテレビもクールビズが施行されました。
実際にビジネスシーンに居合わせ、クールビズを体験した人たちの感想を聞いてみたいと思い、ビジネスマンの代表ということで、フジテレビ アナウンサー50人に聞いてみました。すると、その内35人がクールビズは快適だったと答えました。その理由として女性では「夏場は外気に合わせて薄着をしているので、社内気温と差があまりなくて過ごしやすかった」「毎年、夏になると手放せなかった羽織物がいらなくて、身体が本当に楽だった」という意見や、男性では「ノーネクタイが楽でよかった」「ちょっと暑かったけど、慣れればなんてことない」等の意見が。勿論中には「例年と違いを感じなかった」という無感ちゃんや「暑くて苦しかった」という意見もありましたが。
一方、12月から始まったウォームビズは、暖房の設定温度を20度と逆に低くして、その分、温かい格好で過ごすことで省エネになる作戦。ここでちょっとまめ知識。クールビズよりウォームビズの方が省エネ効果が高いんだって(暖房の方が冷房よりも一度温度を変える際の二酸化炭素排出量が4倍強多いから)知ってた?
ウォームビズについてもアナウンサーにきいてみました。50人中28人が快適であると答え、その理由として「アンダーウェアをしっかり着るようになった」「カイロや羽織り物で対処すれば問題ない」「少しくらい寒くても我慢できる」「スーツだと丁度よい」「脱ぎ着で調節する」という声が聴かれました。その一方で「朝晩の勤務中は寒すぎて辛い」「寒すぎて風邪引きの素になっていると思う」の声もちらほら・・・・・。
ちなみに私の体感としては、夏はごく丁度よく、冬はちょい寒だな、というかんじです。
これで温暖化が少しでもくいとめられるのであれば大大大大大賛成です。

そこで今回は、連載3回目にして大物ゲストにご登場いただいちゃいま〜す!
クールビズ・ウォームビズ名称委員で、ファッションデザイナーのドン小西こと、小西良幸さんでーす♪パチパチパチ!
小西さんとは、以前「とくダネ!」内のコーナー「ドン小西の個人教授」、「GO!GO!プライス」でご一緒したのがきっかけで仲良くしていただいているんですが、今回は大先生にこの取り組みについてお伺いしちゃいます!

藤村アナ 小西さんはクールビズ・ウォームビズ名称委員でいらっしゃいますが、温暖化に服飾業界が一役買うということ、言い換えればオシャレで温暖化を防止しようという働きかけに関して、関係者としてはどのような感想をお持ちですか?

ドン小西 正直、こんなに反応があるとは思わなかったよ。皆さんに認知されるのはとても大切なことだから、委員として、まずはよかったヨ。実は、クールビズは呼びかけと同時にものすごい反応があって、正直いって衣料関係業者の方が世の中の動きに追い付けなくなってしまったという実情があったんだよね。それ程に"クールビズ"自体がブランド化しちゃったんだね。それに比べると、ウォームビズは余裕があったから色々な対策を講じた上でスタートしたんだ。例えばスポーツ用品だけじゃなくて一般衣料にも発熱性、蓄熱性のあるものが取り入れられたり、下着は勿論、靴下、靴の中敷なんかにも使われるようになった、とかね。
だけどさ、人が格好良いのを見て「自分も取り入れたい」と思ってもらわないと物事は流行らないというのが常。だから、クールビズもウォームビズも格好良くなきゃいけないわけだ。それには美しい物とそうでない物を見分ける力=審美眼が大切ということが言えるね。
大体、日本人のサラリーマンってのはサ、長年「働くために生きている」みたいな仕事一本やりのワーカーが多すぎた。世界の経済大国を見渡したって、これだけワーカーがダサイ国は日本ぐらいだよ!!
そもそもスーツっていうのはビジネスマンにとって看護師の白衣、ガソリンスタンド店員のつなぎと同じ様に「ユニフォーム」なんだよ。ユニフォームっていうのは安心感や信頼性がそれだけであって、それを着てりゃ体裁よく見えるんだよね。だからそのユニフォーム(スーツのこと)だけで長年過ごしてきた人たちは、仕事の時間以外の本来の自分がない人たちなんだよ。これじゃだめだね。
これまでそういう人達はファッションへの意識が欠落していたみたいけど、クールビズ・ウォームビズで"自分の身体を寒さ・暑さから回避する"のと同時に、オシャレに見せるのに気を使うようになったのが、環境への影響を抜きにして考えても僕はよかったと思うよ。
全くオシャレに関心の無かったオジサンが、洋服のことで悩んでもらえるようになった。意識を改革してもらえたのは大きな変化。これをきっかけに、「自分を美しく見せること」に関心を持って欲しいね。

藤村アナ さすが、ファッションデザイナーというお言葉・・・・。
さて、これから一年で一番寒い時期がやってきますが、それを乗り切るのにウォームビズでどんな風にアプローチすればいいんでしょう?上に重ね着するのが○?それとも下に重ね着するのが○?

ドン小西 どっちもだよ、どっちも。大きく分けて二つchoiceがあると思う。
まず上に重ね着する方は、色×色、素材×素材を重ねる、コーディネートを楽しむ"個性派""オシャレ派"。そして下に重ね着する方は、着膨れせず、見た目の体系を重視した"スタイリッシュ派""薄着派"。この二つね。前者の"個性派"さんの場合、例えば男性なら、「とくダネ!」笠井アナのようなスリーピース(三つ揃え)を着てみようよ。帽子を被るなんていうのもいい手なんだよ。後者の"スタイリッシュ派"なら、シャツの下にセーターを着てみるとかね。
でも、「こうじゃなきゃいけない!」っていう定型は全くないんだ。「自分で考えて選ぶ」これが大事。

藤村アナ そっか〜!それだったらエコと一緒で、楽しまなきゃってところですね!
ところで、今夏またクールビズが施行されると思うんですが、初めてで暗中模索だった前回と差をつけるには、どう取り組めばいいかなぁ?教えてくだい。

ドン小西 二回目は、カッコよく!が目標だね。男性は前回、ただ涼しければよいとネクタイを外し上着を脱いだけれども、それによって"キリっと感"がなくなり、ダラ〜っと横に流れて見えた。要は緊張感が保てなかったんだよね。だから今回はどうすればキリっと見えるかの研究をして欲しいな。「男が上がるためのテク」を。
女性なら、温度調節用のカーディガン等のアジャスターを上手く使って、「オフィスの華」となれるようにやってみて欲しいな。

新人の宮瀬アナもカーディガンで対応、エライ!

ちなみに私が社内で愛用している上着です。
サッカー小僧のフットサル・プレミアのもの
藤村アナ わっかりました♪小西さん、楽しく貴重なお話し、どうもありがとうございました☆

なるほど!の連続だった小西さんのお話。環境のことを想って、是非皆さんの"ウォームビズ・クールビズ"の参考にしてみてください。