2005年9月。遅めの夏休みをとり“キューバ共和国”に初めて行ってきました。
キューバの場所って、皆さんわかりますか?かく言う私も旅行に出掛けるまでよく知りませんでしたから、大丈夫(笑)
北米大陸の下、南米大陸の上です・・・・・ちょっとラフ過ぎかな?
キューバは中南米にある島国で、首都はハバナ。気温は常夏。
スペイン語が公用語。
野球やバレーボール・柔道などのスポーツが強く、日本の対戦相手としても、一つ星に青×白のこの国旗をよく目にしますよね。
キューバはフィデル・カストロ議長が政権を執る社会主義国で、キューバ産の葉巻やラム酒(原料はサトウキビ)は有名。私もせっかくキューバに来たのだから!と、“ちょい不良(ワル)”を気取って葉巻をくゆらしてみました。においはいいけど、吸うのは結構難しいんですね、葉巻って。ゴホゴホッ
それからみなさんは“モヒート”をご存知ですか?
ラム酒を使ったキューバ発のカクテルで、程よい甘さにさっぱりとしたミントの香りが加わり、口当たりがとてもよく、滞在中は毎日毎日、陽が高いうちから何杯も飲んでいました。オイシカッタ。
また、キューバの方々はギスギスした感じや押し付けがましい感じがなく、実に私好みで、出発前に気にかけていた治安面も全く問題なく、それを危惧していた自分がイヤになるくらい、とても良い国でした。
そして特筆すべきは音楽!
“キューバ=音楽の国”といっても良いくらい、街中どこに行ってもキューバ音楽・ソン(サルサのリズム)が流れていて、まさにラテンのノリ。
ガイドさん曰く「キューバ人の血には音楽が流れているので、ケガして流血すると音楽が聞こえる・・・・」(冗談)。それ程キューバ人と音楽は切っても切れない関係なんだそう。ちなみに「グァンタナメラ」というキューバの伝統的な曲が私は痛く気に入っちゃったんだな♪
2000年にはドキュメンタリー映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が日本をはじめ世界中で流行。今回の旅行に先駆けて絶対にこの映画を観てから出掛けようと、私もDVDを借りました。
時の波に飲まれたベテラン・キューバ人ミュージシャンを復活させるという内容に、どこか“リサイクル”を感じ、ジ〜ン。
なんと、そのメンバーの出演するショーが週末ごとに行われていると現地で知り、「これを逃がしてはならない!」と早速GO!
さすがは音楽の国、前座の層もかなり厚く、深夜12時に近づいた頃にやっとライブの取りをかざるべき人物が現れました。観客は写真撮りまくり。
「きっとあの映画に出ていた歌手に間違いない!」
見てみると、優に80歳を超えたらしき(90歳くらいと推察)おじいちゃまがハンチングをかぶりこ洒落たいでたちで、何かにつかまりながらゆっくりと歩を進めています。
「大丈夫かな?」
ところが、いざマイクを持つと、「一体その小さな体のどこからそんなにハリのある大きな声が出てくるの?」と聞きたくなるほどスンバラシイ歌声が響き渡るのですよ。
後でお名前を確かめたら、その方はピオ・レイバさんという方で、その他にも映画に出演していたオマーラ・ポルトォオンドさんというディーバも熱演し、歌えや踊れのキューバ流・観客一体型の素晴らしく楽しいステージを満喫しました。
正に生ける歴史の人物に触れて、最高の思い出の一時となりました・・・・・。
ありゃー!(困) 前置きが随分と長くなっちゃいましたが、そんなキューバで“エコラ的・おもしろ気になる事”をみつけたので、今回はそれをご紹介します♪本題はこっちよ!
キューバでは、最近の自動車に混じって、かなりの割合で1950年代頃のOLD CARが街中をフツ〜に走っています。
映画やテレビの資料映像でしか見たことないような“クラシックCAR”。これが本当にフツ〜に走っているんです。
それだけでとても絵になるし、レトロな雰囲気が「キューバに来たぞー!」というのを実感させてくれ、ちょっとしたタイムトリップ気分。
しかし、これらのクラシックCARがキューバでフツ〜に乗られているのには、キューバの歴史的かつ経済的な背景があることがわかりました。
1958年のキューバ革命以降、キューバは一番近い大国であるアメリカから経済封鎖をされ、アメリカ産物資が未だに入ってこない状態。このため経済的に決して豊かではないため、古いものを直して使うのがキューバ流になったとか。
革命時に全てを放り出してキューバから退去した人々が残していった車も、引き取り手がないため自分の物として直しながら使っているんだそう。だからみんなとても“修理上手”なんだって。
それに、日本とは違い車検がないので、古い車でもチェックなしで走行可能。
「車検を機に車を買い換えるか・・・・」日本ではよくある話ですが、その都度お金もかかるし、まだまだ乗れる車を廃車にするのは、実にもったいない・・・・。
最近脚光を浴びつつある「もったいない」の精神で使い続ける事はとてもよい事。キューバの車事情には概ね賛成します。
概ね、というのにはそれなりの理由もあるんです。
というのは、「使い続ける」良い面がある一方で、モウモウと尋常でない量の排気ガスを撒きちらしながら走るクラシックCARは決して地球に優しいとは言えないのですよ・・・。矛盾しているようですが、どちらも事実。
ただ、少しの安心材料は、車の台数がさほど多くないということと、まだ日本ほどではないと言っていましたが、キューバでも確実に地球温暖化に関して関心は高まってきていて、車体は手直ししてそのままに。搭載しているエンジンは排ガス量の少ない新しい物に積み替えている車も増えてきているんだそう。
それともう一つ面白かったのは、冷戦時代の、アメ車とソ連車(ラダという車種)が街中で並走していること。キューバは同じ社会主義国としてソ連と国交があったため、ソ連車が輸入されていたんでしょうね。(ソ連崩壊後は、ロシアからの経済支援も得られなくなり、ますます経済的につらいようです・・・・)
キューバでなくては見られない、米ソ冷戦時代の珍しい一幕でした。
“古くて新しい発見”をした今年の夏休み。世界は広く、まだまだ知らないことが沢山あるな〜・・・とつくづく実感。
キューバはリゾートも充実していて、ヨーロッパからの観光客がたっくさん訪れていましたが、日本人観光客には帰りの飛行機に乗るまで、一人も会いませんでした。だから「まだまだ日本では知られていない観光地の一つなんだわ」と思ったんですが、去年(2004年)の日本人観光客の訪キューバ人数は述べ700人と聞いて、「あら!結構多いのね」と認識を改めました。2000年の「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」公開から客足は一気に伸びたそうですよ。映画の力ってすごいですね。
機会があればカストロ政権のうちにまた訪れたいキューバ。往路だけで24時間 近くかかるので、時間がある方はキューバへ行って、是非あの"のんび〜り"を 味わっていただきたいです。
ワタシモ、デキレバ、マタ、イキタイ・・・・・。
