アナマガ

塩原恒夫アナウンサーのコラム「私のベストムービー」

2012年01月13日号

【笠井編集長より】
去年みなさんは、何本の映画をみましたか?
どこの局よりも映画好きのアナウンサーが多いと業界で評判のフジテレビアナウンス室。
確かに軽部・笠井の男おばさんは双璧ですが、二人と変わらぬ映画鑑賞量と鋭い批評で自他ともに認める映画マニアが塩原恒夫アナ。
さあ今年もお待たせいたしました。毎年恒例!しおちゃんの映画ベスト10をどうぞ。

日本映画専門chの「シネマホリック」新作情報番組内で、"あなたの街の映画館"というコーナーがはじまり、都内を中心に地方ロケも加えて映画館事情をリポートしています。
最近は、はしご割引など各劇場のサービスが多岐にわたり、ひとり静かに応援中です。(以前使用した3Dメガネを持参したり、2階から4階のシアターに階段ダッシュをして文字通りのはしご鑑賞で汗をかいたり恥ずかしい…)

2011年のベスト10については、邦画の場合とくに俳優の演技力と音楽の癒しが大きな拠り所になったと思います。今できることにまさに向きあってのすばらしい仕事に感謝です。

対象は、2010年12月~2011年11月末公開の作品です。

洋画ベスト10

10位『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』

原作とつきあい丁度記憶があいまいになるタイミングで、映画が届く。
そんな10年8作品、3D時代にも間に合ってよかった。エピローグは、ご愛嬌でした。

9位『アンノウン』

私は誰?ここはどこ?一体なぜ?疑問の答えを見てください。
これまで何度宇宙人のせいにされたことか…!考えれば、できるよね。

8位『SUPER8 スーパーエイト』

期待値が高いと、その現実に落胆も大きい。
私にとっての「ブラック・スワン」がそうでした。
この作品もその範疇~でも子どもたちのおかげで、愛すべき一篇となりました。

厳しいこと言いながら8位ランクイン。40代はこの映画好きだよね。

7位『トゥルー・グリット』

ラスト以外は、Jウェインの「勇気ある追跡」と同じかな。語り口は「オズの魔法使い」、ヒロインは蒼井優似、男優陣はみんなやりすぎのコーエン印作品です。

くー、この通(つう)な語り口がしおちゃんなのだ。

6位『しあわせの雨傘』

邦題は残念だが、ドヌーブ・ファン必見の大人の恋愛ファンタジー。
セリフの絶妙なやりとりに感心していたら、舞台の映画化でした。

5位『イップ・マン 葉問』

イップ・マンって何だ!?熱気に包まれた劇場体験。そしていきなりスクリーンには、この作品が第2章であることが告げられて…お~い一作目を見てなくてもいいの~大丈夫です!!!十分面白いので。

さすが、目の付けどころが高い!今こそ香港の大スター、ドニー・イェンに注目すべきだよね。イップ・マンとはブルース・リーの師匠のこと。

4位『キラー・インサイド・ミー』

以前原作ジム・トンプソンの別の作品を読んでいて、世界観の下地があったばっかりに暗黒面に捕まってしまった。有名俳優が多数出演していることで、安心はできるのが救いかも。
最後は、爆笑間違いなしのノワール・ミステリー。

3位『白いリボン』

3Dやブルーレイの時代に、モノクロの作品の持つ雰囲気は、豪華ハードカバー装丁の傑作文学を読むかのよう。販促帯に、"カンヌ・パルムドール受賞"と書かれてはなおさらです。
だから、見終わってから結末を確認してもいけないのです。

2位『英国王のスピーチ』

かねてより、アクターズスタジオの役へのアプローチに関心を寄せていた。この作品を見ると、英国王はもちろん、我々アナウンサーも参考になること数多。
アカデミー賞コリン・ファースのまさに一世一代、未見の方は是非~

見事な"逆マイフェアレディ"。マイクの前でしゃべることの大変さを描くことが又うれしかったりしてね。

1位『ゴーストライター』

ロマン・ポランスキー監督と聞いただけで身構えてしまう自分がいる。
昔も今も私生活の衝撃に包まれて妙な先入観が…しかし今作は、それもすべて含めてのパーフェクト職人芸!映像と音楽が作り出す、銀幕の霊に酔う。

らしい! まさに塩原チョイス。

『復讐捜査線』
メル・ギブソン刑事は、今もがんばってるぞ~続編なんか考えていないぞ~テレビシリーズが元だそうです。

邦画ベスト10

10位『相棒 劇場版Ⅱ 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』

正直ドラマを見たことはないのですが、劇場版はよくできてると思う。
長寿物は、キャラクターとの関わりが本当に大事だとナットク~

9位『死にゆく妻との旅路』

実話の映画化という事実にまず驚く。夫婦役の三浦友和&石田ゆり子の存在感が、寓話にまで昇華した。

この作品は三浦友和プチブレイクのきっかけじゃないかな、私も好き。

8位『一枚のハガキ』

世界最年長監督の最新作ってスゴイこと!でも映像の仕事は、齢ではなく、感覚の若さなんだを証明している。

7位『最後の忠臣蔵』

美しい自然の映像が脳裏に刻まれる。日本映画の心こそ、この忠義。
市川崑監督「四十七人の刺客」で予習したほうが、キャラクターへの理解は増す。

そうなんだよ。昨年末公開のこの作品はもっと評価されていい!

6位『はやぶさ HAYABUSA』

人気俳優を配してドキュメンタリータッチで撮るという選択が、成功した。
実りの季節を信じて種を蒔くこと大事さを学ぶ。

5位『探偵はBARにいる』

松田優作は横浜だった。新しいコンビは、札幌の街を縦横に駆ける。
早く次の事件依頼よ来い。

今この時代にプログラムピクチャーの楽しさを再認識する!シリーズ化納得。

4位『奇跡』

JRとのコラボ企画を感じさせないのは、さすが是枝監督。「大鹿村騒動記」と併せて原田芳雄さん、合掌・・・。

今年の3月12日を描くとは、映画の神が降りてきている。

3位『八日目の蝉』

永作博美と井上真央が、実の母と娘に見えてくるマジック。クライマックスのドラマまで緊張がつながった。

佐々木アナ談「涙が縦に出ました」。

2位『コクリコ坂から』

予告編と主題歌にノックアウトをくらった。かつての日活青春映画をイメージですか。幕切れも、スクリーンに余韻漂う。

1位『ステキな金縛り』

映画館のシートにおさまってニンマリ、ゲラゲラ、目頭熱くの至福の時間。三谷監督の頭の中はどうなっているのだろうか?西田落武者は、トップ10に3本はいる。コメディエンヌ深津のネクスト・ステージも今から楽しみ~

始めて三谷映画で泣きました。素晴らしきコメディ。

『がんばっぺ フラガール!フクシマに生きる。彼女たちのいま』
こんな形の再会は…主題歌が流れる度にスクリーンが曇ってしまった。

【笠井編集長のひとりごと】
みなさんいかがでしたか?見逃した作品はDVDでチェックしましょう!!
では最後に、男おばさんの二人のランキングをどうぞ

  軽部アナ軽部アナ 笠井アナ笠井アナ
1位 ハーモニー 奇跡
2位 ステキな金縛り マイバックページ
3位 猿の惑星 ブラックスワン
4位 冷たい熱帯魚 八日目の蝉
5位 漫才ギャング 漫才ギャング

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