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森山達也ロングインタビュー - 怠業

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実際，そういう時期もあったし．もう何を唄っていいのか，もう作りきったんじゃないか，もう完璧にこのモッズっていう１つのグループとしては全部唄いきってしまったんじゃないかなあ，作品としてもうこれ以上やんなくていいんじゃないかな，と思った時期あったし． で，ちょっとそのころ仕事をスローダウンさせて，いろんな街に行ったりとか，それこそ一時期，東京の家が無くなったというか．ちょうどバブリーで地上げとかそういう問題があって自分が住んでた家を追い出されたんだ，お金払えなくなって．で，急に引っ越したもんだからホテル転々として，そういう生活をしてたわけ．バッグひとつで，一週間分の着替えとカセット詰め込んで，友達のところ行ったりとかホテル泊まったりして．なんか半年ちょいぐらいかな，そういう生活やってて．「これでいいのかな」って，その時三十過ぎてたし．「これじゃいいわけないよね」って． まあそうこうしているうちになんかこう，天安門の事件があったりとか，すっごい世の中動いているように見えて．自分が何にもなんかこうその日暮らしみたいなことやってて，疑問感じて．「これじゃいけない．だって俺は音楽するためにモッズ作って，東京に来たんだ．これじゃいけない．」と．そのときたまたま友達がホテルに遊びに来たときに，クラッシュ（THE CRASH）の本を持ってきてくれて．４人がこう顔をそろえた写真があって，こう顔をくっつけあいながら映ってた一枚の写真が．それ見たときに「これだ！これがバンドなんだ！」って．忘れてたっていうか．そのころちょっと髪が長くって，そのままホテルのバスルームでいきなり自分で髪を切って，もう一度髪を上げて．それでなんか渋公（渋谷公会堂）かな？渋公のライブをやって『ナパーム・ロック（NAPALM ROCK）』を作って． 能書き言う前にロックをやるんだ．だってそれが俺が一番好きなことであり，そのためにこのバンドを作って，そのために東京に来たんだ，そのためにきつい思いもしたんだ．俺だって忘れてた．「申し訳ない」って思った．

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