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85th WEEK
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久しぶりに6人全員がダイニングルームに勢ぞろいした日。
哲也はそれを見計らった様に、自身が出演する舞台の
チケットを取り出し、メンバー達を誘った。
真っ先に手を挙げたのは、その日予定の無い聖南。
仕事の都合で初日の舞台に行けない賢也、遼子、フランキーは
別日に行くことを約束する。
「(演技は)もう完璧?」と尋ねるフランキーに
「もちろん」と答えた哲也。
その自信ありげな返答に一平が驚くと、哲也は
「自信の無いものをお客さんに見せられない」と
きっぱりと答えた。

一人でトレーニングを行う賢也。
走り込みを終え帰宅すると、ダイニングルームで
一平が仕事前の準備をしていた。
一平は、9月の大会に向けて、一から自身を見直すという
賢也の姿勢に感心する。
「一平ちゃんも(ライブ)頑張って!見に行くから!」
とはっぱをかける賢也に
「もちろん…」と答えた一平だったが
なぜかため息交じりだった。

茅ヶ崎のカフェで正人を待つ哲也。
サーフィンの撮影で海外から帰って来たばかりの正人と
久しぶりに再会した哲也は、正人を初日の舞台に誘う。
哲也が仕事しているところを見たことがないという
正人は喜んでチケットを受け取った。

夜、遼子がダイニングに降りると
哲也・聖南・フランキー・賢也がお酒を飲みながら
くつろいでいた。
週末に関西選手権を控えた賢也は、メンバーたちに
いつか試合を見に来て欲しいと話す。
「本当に行きたい!」メンバーたちが盛り上がる中
遼子は特別な想いで、それを聞いていた。

哲也の舞台「タンブリング FINAL」の初日。
会場にやってきた聖南と一平。
聖南が開演を待っていると、遅れて正人がやってきた。
隣の席に着く正人に、戸惑いを隠せない聖南。
3人は哲也の姿を感慨深く見つめながら、舞台を楽しんだ。

舞台後、ライブの準備の為先に帰る一平を見送った正人は
躊躇う聖南を食事に誘った。
哲也の舞台の感想や、互いの何気ない近況報告…
2人の間に流れる気まずい空気を断ち切るように、
正人が聖南に告げた。
「この前は悪かったと思って。」

それを聞いた聖南も続けて
「聖南こそごめんね、感情的になって。」と謝った。
そして意を決したように言葉を続けた。
「でも、もうそんなことしないし…」
聖南はいつもわがままを聞いてくれたことに感謝の
気持ちを伝え、正人に告げた。

「これからも大事な人。友達でいてくれる?」

正人は黙ったまま頷き、そして聖南に言った。
「これでよかったんだと思う。」


遼子が降り立ったのは、和歌山駅。
タクシーに乗り込み、賢也が試合を行う会場へと向かった。
会場の観客席からこっそり試合を見守る遼子。
賢也が所属するブルボンウォーターポロクラブ柏崎は
賢也の活躍により見事優勝を収めた。

試合後、遼子が試合会場に来ていることを知った賢也は
驚きながらも遼子の姿を見て喜ぶ。
遼子が水球を勉強して試合を見に来てくれたこと、
賢也の活躍を「めっちゃかっこよかった」と言ってくれた
ことを賢也は素直に喜び感謝した。

その夜、和歌山から帰ってきた遼子は
聖南、哲也、フランキーに、賢也のチームが優勝した
ことを報告する。仲間の活躍をメンバー達は喜んだ。
賢也に続き、哲也の舞台での活躍をメンバーたちに
報告した聖南。哲也はそんな聖南に
「(正人と)会えた?ごめんねって言えた?」と尋ねた。

聖南は正人に告げたことを、ゆっくりと語り始める。
正人に対し、特別な感情を持つ聖南が選んだのは
恋人同士になって関係を崩すよりも
友達として、永遠に特別な存在になることだった。

「終わったかな…」
聖南は自分の出した答えに、ため息をついた。