密着!中村屋ファミリー 浅草に平成中村座が完全復活!歓喜と熱狂の大舞台SP

中村屋ファミリー

2022年12月23日(金)21:00~22:52

放送内容

2022年も新型コロナ感染拡大の猛威は衰えず、エンタメ界のあらゆる舞台が公演中止の危機に喘いでいた。それは歌舞伎も同様で、中村屋も2月の渋谷・コクーン歌舞伎は千穐楽の幕を開けることが叶わなかった。しかし中村勘九郎と中村七之助、そして中村屋一門はこの難局にも前進を止めず、“反撃”に打ってでるかのように新作歌舞伎に次々と挑戦する。その原動力には、歌舞伎四百年の伝統が携えたある強み、さらに若い世代が挑んでゆく確かなエネルギーがあった。
中村屋、大きな躍進の一年に密着した。

放送内容詳細

■2月 コクーン歌舞伎「天日坊」…大好評も公演終盤“コロナ”で中止に

様々な舞台公演もようやく復活をみせ、観客の足も劇場へと向かうようになった2022年。中村屋の挑戦は10年ぶりの再演となる宮藤官九郎脚本・串田和美演出の「天日坊」、勘九郎にとっては亡き父・勘三郎の想い出もある特別の舞台だ。公演は大好評に。しかし千穐楽が目前に迫った時、出演者・スタッフが次々にコロナ陽性となり、公演は中止になってしまう。

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コクーン歌舞伎「天日坊」 中村勘九郎

■3月 勘太郎と長三郎が地方巡業へ

コクーン歌舞伎中止の悔しさを乗り越え、中村屋一門は春の全国巡業へ。会場は久々の舞台を待ち焦がれていた歌舞伎ファンで溢れていた。春休みには勘九郎の2人の息子・中村勘太郎と長三郎、そして妻・愛さんも全国へ。中村屋ファミリーの“反撃”が始まった!

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陽春特別公演「玉兎」 左:中村長三郎 右:中村勘太郎

■中村屋門弟たちが“自主公演”に挑戦

6月、コロナで出演の機会も奪われていた門弟たちが、同じく舞台の賑わいから遠ざかっていた地方の芝居小屋を救おうと公演に踏み切る。勘九郎と七之助の力に頼らず、お弟子さんたちの力とクラウドファンディングなどで創り上げる舞台だ。若手役者の奮闘に、観客からは“おひねり”の嵐が…!
そして、勘三郎から「三人目のせがれ」と可愛がられた中村鶴松が勝負に出た。自身の持ち出しで行う「自主公演」だ。舞台は浅草の芸能の殿堂「浅草公会堂」。2回公演で2000もの客席を埋めなければならない。しかも選んだ演目は「高坏」と「春興鏡獅子」。どちらも中村屋にとっても大切に受け継ぐ大曲だ。大きなハードルを自らに課した鶴松、支えたのはスタッフ、そして浅草の人々だった。果たして公演は成功するのか?

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自主公演「鶴明会」で「春興鏡獅子」を踊る中村鶴松

■“歌舞伎四百年のチカラ”で乗り切った、8月歌舞伎座「新選組」

恒例の歌舞伎座・納涼歌舞伎、ここでも大きなチャレンジが。勘九郎が以前から温めていた企画、手塚治虫原作マンガ「新選組」の歌舞伎化だ。主演には、叔父・中村芝翫の息子、中村福之助と中村歌之助を大抜擢。斬新な舞台演出は大きな話題を呼ぶ。しかし、またしても“コロナ”で歌舞伎座の公演はピンチに。その難局を克服したのは…歌舞伎という伝統が持つ、ある“強み”だった。舞台は休演することなく、無事に千穐楽を迎える…。

■浅草の地に帰ってきた「平成中村座」

9月、浅草寺の境内に巨大な“小屋”が建設されていた。亡き勘三郎の夢の舞台「平成中村座」だ。江戸の芝居小屋を再現したその構造上、“密”ゆえに延期されてきた平成中村座がついに浅草で復活。公演は2カ月にわたり、宮藤官九郎の新作歌舞伎「唐茄子屋 不思議国之若旦那とうなすや ふしぎのくにのわかだんな」がかけられることに。出演者には大河ドラマでブレイクした坂東彌十郎や中村獅童、大人計画の個性派俳優・荒川良々も名を連ね、勘太郎と長三郎も重要な役に。小屋の建て込みから楽屋の様子まで、多数設置した無人カメラがつぶさに捉える。映し出されたのは、全力で駆け抜ける中村屋ファミリーとスタッフたちの熱き奮闘、そして平成中村座の復活を待ち続けていた浅草の人々と観客たちの大喝采だった!

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平成中村座十月大歌舞伎「魚屋宗五郎」中村勘九郎/「唐茄子屋 不思議国之若旦那」

出演者

中村勘九郎
中村七之助
中村勘太郎
中村長三郎
前田 愛


【語り】
金子ノブアキ
武田祐子

スタッフ

【協力】
田中 亨/ファーンウッド
ファーンウッド21

【構成】
武田 浩
松木 創

【ディレクター】
藤井雄真
中澤 望

【演出】
花枝祐樹

【プロデューサー】
今野貴之
後藤 博

【チーフプロデューサー】
西村 朗