密着!中村屋ファミリー 父から子へ…受け継がれる「連獅子」 涙の猛稽古SP - フジテレビ

中村屋ファミリー

2021年12月24日(金)21:00~22:52

放送内容

新型コロナ感染拡大により世界中のエンターテインメントが危機に瀕する中、歌舞伎の名門・中村屋一門がいかにしてその逆境に立ち向かい、舞台を熱望する人々に四百年の伝統と技の継承を伝え続けたのか、その奮闘に密着したドキュメント・シリーズの最新作。

放送内容詳細

■伝統の技が、父から子へ…コロナ禍で受け継がれる『連獅子』

去年9月、コロナ感染拡大で歌舞伎が観られないファンのためにと、中村屋伝統の『連獅子』が野外舞台で生配信され、勘九郎と七之助が雨中で魅せた決死の舞は、ネットを通して大きな喝采を呼んだ。その一方、勘九郎の自宅稽古場では“ステイホーム”の中で長男・勘太郎が連日猛稽古。それは、あの『連獅子』だった。中村屋に名を受けた息子たちが代々、父を頂きに仰ぎ挑んできた『連獅子』。勘太郎もまた、その道を歩み始めたのだ。

「仔獅子」役の舞台稽古にのぞむ勘太郎

■2月・歌舞伎座…“最年少”親子競演が実現

大舞台は早くも訪れた。2月、故・勘三郎の父である十七代目・中村勘三郎の追善公演で、勘九郎と勘太郎が『親子連獅子』を披露することになったのだ。勘太郎は9歳、父の記録を塗り替える史上最年少での挑戦だ。ところが…数キロにもおよぶ「毛」をダイナミックに回す「毛ぶり」が上手くできない。去年から練習を重ねていたのに…。父に叱られ涙があふれ、体力も限界に…。迫る本番、勘太郎の顔にも今までにない緊張が走る。果たして『親子連獅子』は成功するのか?
同じ公演で、次男・長三郎にも大きな試練が待ち受ける。それは、目が見えない母を介助し続ける娘の役。舞台に1時間以上も立ち、涙を誘うけなげな姿を演じ続ける重要な役どころだ。しかし、7歳の長三郎はこれまでも“舞台上で集中力が途切れる”という課題を抱えていた。
そして本番、母親役の七之助を驚かせた“ある発言”とは!?

■“若者の街”渋谷と、中村屋の“故郷”松本での喝采

コロナ感染拡大が収まらない中、感染予防対策に大変な労力を注ぎようやく実現したのが、5月「コクーン歌舞伎」、そして6月「信州まつもと大歌舞伎」だった。演目は、『夏祭浪花鑑』。亡き父・勘三郎が、ニューヨークの観客を熱狂させた当たり役だ。勘九郎が満を持して臨んだ渋谷・コクーン公演は大成功に。その凱旋ともなった松本公演は、市民ボランティアが支える感動の舞台となった。そのステージには、またも“小さな中村屋”の存在が。お互い“歌舞伎役者”としてのライバル心をぶつけ合うようになった勘太郎・長三郎兄弟。その二人が切磋琢磨し成長していく姿が舞台にあった。

『夏祭浪花鑑』団七・勘九郎

■“三人目の息子”の葛藤と、“戦友”の舞台復帰

8月歌舞伎座では、勘三郎が“三人目のせがれ”として育てた中村屋の部屋子・鶴松が大きな役に挑んだ。落語から生まれた名作・怪談『真景累ヶ淵』の新吉役だ。しかし、背負ったプレッシャーに押しつぶされそうになる鶴松。そんな彼の指導を買って出たのが、脳出血で倒れ手足の麻痺と闘う中村福助だった。勘九郎の叔父で、勘三郎の平成中村座を支え続けた、いわば戦友の福助が、病を押して稽古を指導。鶴松は大舞台を演じきれたのか?

■タモリ・鶴瓶が由来の“新作歌舞伎”に再び挑戦

迎えた11月、いよいよ観客も100%収容できることになった赤坂の劇場で開催された「赤坂大歌舞伎」。演目は、「こんな粋な話がある」とタモリが笑福亭鶴瓶に話し、新作落語が生まれ、その高座を勘九郎が聞き歌舞伎化を熱望、5年前に新作歌舞伎として誕生した『廓噺山名屋浦里さとのうわさやまなやうらざと』。勘九郎・七之助の笑いと涙を呼ぶ熱演が繰り広げられた。そして勘太郎・長三郎にも大きな役が…。見事にひとり立ちし中村屋の大きな戦力として舞台を務め上げ、りりしい成長を見せた二人。その幕引き直前の長三郎の姿に、まだ大向うが復活しない客席からは割れんばかりの賞賛の拍手が!それは一体?

赤坂大歌舞伎 『廓噺山名屋浦里』七之助/『宵赤坂俄廓景色』長三郎

出演者

中村勘九郎
中村七之助
中村勘太郎
中村長三郎
前田 愛


【語り】
金子ノブアキ
武田祐子

スタッフ

【構成】
武田 浩
松木 創

【ディレクター】
藤井雄真

【演出】
花枝祐樹

【プロデューサー】
後藤 博
中山佳祐

【チーフプロデューサー】
西村 朗