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2013年度 社会貢献トピックス

児童養護施設の子どもたちにアナウンサーが話し方のテクニックを指導

[2013年7月30日更新分]

児童養護施設の子どもたちにアナウンサーが話し方のテクニックを指導 “夢”を語るスピーチコンテスト「カナエール」を今年も支援!

児童養護施設で暮らす子どもたちを対象にしたスピーチコンテスト「カナエール」(主催:特定非営利活動法人:ブリッジフォースマイル)が6月30日に都内で開催されました。
昨年からフジテレビアナウンサーが、このスピーチコンテスト「カナエール」の本番にむけた事前スピーチ指導のお手伝いをしています。(昨年の様子はこちら


今年で3回目を数える
児童養護施設の子どもたちの
自立支援プログラム「カナエール」
児童養護施設は、基本的に高校卒業と同時に退所しなければなりません。
退所後は学費や家賃を含む生活費をすべて自分でアルバイトをして用意することになります。
これは大変なことです。また、退所の進学率はわずか2割、そのうち3割は中退という厳しい現実もあります。
(特定非営利活動法人:ブリッジフォースマイル2012年6月アンケート調査結果より)

このスピーチコンテストには、単に奨学金(一時金30万+卒業まで月3万円)を送る、スピーチの能力を高めるという目的だけではなく、身近な成功モデルを作ることで、それを近くで見ている他の子どもたちに“夢はかなうんだ!”というポジティブなメッセージを送る目的があります。
また、コミュニケ―ション能力を身につけるという点でも役立っており、昨年指導した教師志望の青年は、採用面接の際、このコンテストにむけ考えを整理し人前で語った経験がとても役に立ったと話してくれました。
彼は、みごと試験に合格し、今まさに夢に向かって一歩一歩進んでいるところです。


全員で発声・滑舌練習
さて、今年のアナウンサーによる指導ですが、基本的な発声などの話し方講座を1回、また本番2週間前、1週間前にはマンツーマンに近い少人数制の指導を3回行いました。

スピーチコンテスト参加者は18歳~20歳の若者たち10人。
最初は、声も小さく自信なさげな様子だった子どもたちも、本番では、見違えるような堂々としたスピーチをしてくれました。

スピーチコンテスト当日
会場は300人の観客で満員
みんな自分の言葉で夢を語りました! 思わず涙を浮かべる人たちも…

【スピーチ指導を担当したアナウンサーたちからの応援メッセージ】

素敵な人生を!輝かしい未来を!


田代尚子アナウンサー
はじめてのカナエール。
みぃ、もか、カービィ、ゆーき。
初めて出会った魅力的な高校生。
スピーチコンテストを控えて、練習を行っていた。
アナウンサーとして、上手くスピーチするコツを教えて欲しいと頼まれ練習にお邪魔したが、私がコメントすることは何もなかった。

淡々と語る言葉の重み、間の取り方、これまでの人生を強く生きてきた表情、
未来にむけて強く生きることを心に決めている瞳の輝き。
スピーチとは、技術ではないことを改めて感じた時間だった。
みぃ、もか、カービィ、ゆーき。
頑張れ!素晴らしい言葉をありがとう!!

文:田代尚子(フジテレビ アナウンサー)

明るさ、元気な表情、澄んだ瞳、躍動感に感動


奥寺 健アナウンサー
去年に続いてお手伝いをさせていただきました。1年ぶりに練習会場に来てまず驚いたのが、スピーチ全体のレベルが高かったことです。スタッフのみなさんのノウハウの蓄積による影響も絶大ですが、出場者一人一人が、去年の“先駆者”の実績を踏まえ、「自分たちもやれる」というイメージを持って臨んだことが大きいと思いました。

自分の思いを言葉にして伝えるのは、アナウンサーの仕事をしていても、とても難しいと感じています。でも、今回の本番で、カナエルンジャーの皆さん全員が見事にやりぬいたのを見せてもらって、とても勇気が湧いてきました。カナエルンジャーの皆さんは、既に大きな役割を果たし始めていると思いました。

交流する時間は短いものでしたが、互いに影響しあえた濃密な機会だったと思います。
これからも皆さんとのつながりを大切にしていきたいです。

文:奥寺 健(フジテレビ アナウンサー)

夢を語れることは素敵なこと


川野良子アナウンサー
スピーチ指導は去年に引き続き2年目になります。
ジェスチャーを交えて堂々と話すタイプ。
恥ずかしながらも、内に秘めた思いをしっかり伝えるタイプ。
中には、緊張からか、もしくは自分が置かれている環境を話すことに感極まってしまってか泣き出してしまう子も。

スピーチするにあたっては「伝わるように堂々と滑舌良く」などの基本形はあるかと思いますが、カナエールの場合、発表の形よりも彼ららしさを大切にしてあげたいな、と思うのです。

彼らがステージ上でスピーチをするというのはとてつもなく大きな第一歩です。
そのために私が出来るのはスピーチらしくする、というより
伝わりやすくするためのささやかなお手伝いだと思っています。

「スピーチコンテストに出て良かった!」
終了後にそんな感想を持ってもらえたら嬉しいですね!

文:川野良子(フジテレビ アナウンサー)

自然体なのにビシビシ伝わる言葉の強さ


伊藤利尋アナウンサー
今回はじめて担当したのですが、『まずは一度聞かせてください。』とはじめにスピーチを聞いたときから、その言葉の強さ、重さに驚き、心揺さぶられる思いがしました。無論、それは3人がこれまでに経験してきたことの『重さ』そして今前を向いて進む『強さ』ゆえのものなのですが、『スピーチの指導』を前にして、いきなり内なる『伝えたいこと』の大きさに触れ、正直どう指導すべきか戸惑いました。構成の整理、顔の向き、声の大きさ・・・アドバイス出来ることはそれなりにあるものの、いずれも単なるテクニック論に過ぎないのではないか、そんな気持ちになりました。

もちろん、スピーチのテーマである「夢」を語る3人の「気持ち」を応援してあげたい!との想いで、参考になったかどうかはともかく出来得る限りのアドバイスをさせていただきましたが、ただそれ以上に、「伝えるとは何なのか?」私自身が彼らからもらった刺激の方が大きいように感じています。

文:伊藤利尋(フジテレビ アナウンサー)

この日のことを自信の糧に、あきらめずに前へ進め


佐々木恭子アナウンサー
本番まであと一週間。そのタイミングで私は3人の出場者のスピーチを初めて聞いた。本番さながらに、挙手して一番手に名乗り出る人、原稿なしでトライする人、それぞれの気迫を感じる。サポーターとともに原稿を精査し、練習して数か月、彼らがスピーチする姿は、目線の配り方、間合い、なかなか板についていて、さぞ本人たちも頑張ってきたのだろうし、サポーターの方々が本気で関わり合ってきたのだろう、堅い信頼で結ばれている様子が伝わってきた。
私は最終仕上げとしての関わりなので、できるだけ具体的に、“伝わるように伝える”アクションに特化して、川野さんとともに気づくことを彼らに伝えた。
話すスピード、語尾の落とし方、間、頭が真っ白になったときの対処法、緊張をどう味方につけるか、等々。内容にも少し踏み込んで、初見で聞いてわかりにくい部分なども。その後、30分ほどの修正作業ののち、もう一度最後に3人がスピーチをしてくれたのだが、その激変ぶりに、胸がじんじんした。
なんて素晴らしい吸収力なのだろう!新芽が雨露をごくごくと吸い込むかのように、最初よりも、確実に注意点を自分のものにして修正し、自信にみなぎった声で自分の想いを口にしていた。
私との関わりはたった一度。なのに、彼らが素直に受け入れてくれたことがとてもうれしかった。

精査する中でそぎ落ち過ぎてしまった彼らの原点が原稿に盛り込まれ、それぞれに、本人にしか語れないストーリ―が肉付けされていく・・・。ここに至るまでには、思い出したくないことも、支えてくれた人たちのことも、自分と真摯に向き合う時間をたくさん持ってきたと思う。それを言葉に整理すること自体が彼らにとっても大事な作業だろうし、自分のためにも、後に続く後輩のためにも語る彼らの夢は、「夢」なんてことを語らなくなってしまった大人たちの心を、もう一度熱くさせるのに十分な起爆剤になり得ている。夢を持て、という前に、自分自身も夢に向かってワクワクする姿を子どもたちに見せ続けていたい。大きかろうと、小さかろうと、関係ないもの!
そして、思う。彼らが一つのロールモデルになることで、社会に出て居場所を見つけられなくなる彼らの仲間、後輩たちが、「あきらめない」心を持ち続けられる求心力になってほしい、と。

文:佐々木恭子(フジテレビ アナウンサー)

こうして今年のコンテストも、無事終了しましたが、夢の実現への道ははじまったばかり。
「カナエール」を巣立っていく10人の未来に、心からのエールを送りたいと思います。

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