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環境トピックス

風力発電は準主力エネルギーになりうるか
~これまで見てきた風車の数は1107基!斉藤純夫氏を招き勉強会を開催~

[2012年2月17日更新分]


講師のウインドコネクト
代表取締役・斉藤純夫氏
2月1日 CSR推進プロジェクトチームの「節電・エコ分科会」で、風力発電についての勉強会を開きました。
講師は、ウインドコネクト代表取締役・斉藤純夫氏。
斉藤さんは、石油会社に19年間勤務した後、昨年4月に独立。風力発電を中心に自然エネルギー事業に関するコンサルティングなど後方支援を行っています。

斉藤さん曰く、「あの震災後、風力発電に対する見方は大きく変わった」とのこと。
2011年3月11日の震災以降の深刻なエネルギー不足で、日本は国として真剣に代替エネルギーについて考えないといけない状況に置かれたからです。
そんな中、再生可能エネルギーの中でもポテンシャルと発電コスト面で競争力がある風力発電は、有効性が高いということでがぜん注目され始めたのです。

再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)とは、自然界で繰り返し起こる現象から取り出すことができ、枯渇することなく、持続的に利用できるエネルギー源のことで、発電時に地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しないクリーンなエネルギーです。

昨年8月、菅首相が退陣の条件の一つにあげた再生可能エネルギー特別措置法案が可決、成立。今年7月1日からは、再生可能エネルギーを普及させるため「固定価格買取制度」もスタートします。

これは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスによって発電した電力を、電気事業者に、一定の期間・価格で買い取ることを義務づけるとともに、その買い取り費用を、電気を利用する消費者が使用量に応じて「賦課金」という形で負担するものです。電気料金に少額の上乗せをして得られた資金を用いて普及を助成する方式で、海外でその有効性が実証されています。


中国海南島の風力発電システム


世界を見てみると、すでに安定的なエネルギーとして風力発電を積極的に導入している国が増えているそうです。最も普及している国はデンマークで、電力全体の20%を風力でまかなっています。
また、ドイツでも約8%、スペイン・ポルトガルでは約17%が風力発電。
あまりエコなイメージがないアメリカも、4000万kWの電力を風力発電で供給しており、風車を立てると免税になるなど、政策的にも普及を促しています。
中国は、風力で4400万kWもの電力を作り出しており、これは国の風力による電力供給量としては、世界1位です。


北海道オロロンラインの風力発電
ひるがえって日本はどうかというと、中国の20分の1の240万kW程度。これは日本国内の全電力需要の0.4%、つまりまだまだです。将来的に最大23%くらいを風力でまかなえるのはないかという試算もあるなど、斉藤さんは、この風力発電にかなりの期待を寄せています。

ちなみに斉藤さんは、「回っている風車を見るのが大好き」と言います。
実は、この「回っているところが見える」というのは、「発電しているところが見える」ということ。これは原子力発電や火力発電などとは大きく違うところです。故障などで回っていなければ誰もが「壊れている、何かおかしい」とわかる・・・・つまり風力は「可視化できる自然エネルギー」でもあるのです。

ただ問題も少なくありません。

騒音、低周波音、風車の影のちらつきなどが問題となり、建てる場所が限られるのです。民家から200m~300m離れた場所というのが大よその基準。
そうなるとなかなか場所がない。では、洋上はどうか。
日本の優れた造船技術が使えるメリットもありそうです。
ただ、一部の漁業関係者から反対の声も上がっているとのこと。


かみす洋上風力発電所(茨城県神栖市)
また、風車は風速3メートルを超えると発電しますが、風が強ければ強いほどいいわけではありません。12m~25mの風が常時吹くのが一番いい。でも実際は、そんな都合よく風は吹いてはくれません。つまり「安定していない」、"きまぐれ発電"といわれるゆえんです。
さらに、風車は風の力で"勝手に"回ります。太陽光パネルなどに比べると残念ながら雇用を生み出す力は少ないと言います。
斉藤さんは、「風力だけではなく風力、太陽、地熱、火力、省エネをうまく組み合わせて、お互いの強みを生かすのがベストだ!」と強調しました。いわゆる「スマートグリッド」です。

また、「今は、安定した電力供給を前提とした社会になりすぎている。いっそのことライフスタイルを気象条件に合わせるなど、これを機に安定した電力を前提とした社会構造を変えるというのもありではないか。」と。

今回お話を伺って、風力発電はうまく導入すれば、エネルギー自給率がわずか4%の日本において、かなりの可能性を秘めた電力供給策のように感じました。

震災前は、あたり前だったことが、あたり前ではなくなってきている・・・

また、エネルギー問題をきっかけに、私たちの生活や、社会の在り方も変える必要が出てくるのかもしれません。
ただ、同時に放送を送り出す責務があるテレビ局としては、安定した電力供給は不可欠で、電力不足の中、私たちはいったいどんな備えをし、何をするべきなのかをこれからも考えていく必要があると感じました。

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