~震災からまもなく1年~「気象庁見学勉強会」報告
[2012年2月15日更新分]
あの日の教訓~もう地震を過小評価しない!
気象庁東日本大震災からまもなく1年が経とうとしています。
地震は今も頻発しており、東海地震や首都圏直下型地震に対する不安も続いています。
そんな中、CSR推進プロジェクトメンバーの有志は、地震・津波に関する情報発表の中枢である気象庁を訪問しました。最新の地震システムや、今後発生する可能性のある大規模地震について、理解と知識を深めるためです。
地震火山現業室見学のメインは気象庁内にある「地震火山現業室」。
地震・津波・火山の様子を24時間態勢で監視し、様々な防災情報を発表するところです。
入室の際「すみませんが、全員靴を脱いで下さい。土や埃でコンピューターなどに影響がでるといけないので」と相澤調査官。さらに「大きな地震が起きた場合にはすぐに退出して頂きますので、ご了承ください」と念押しされました。
ボルトでしっかり固定中に入ると、モニターやパソコンがたくさん並べられた部屋で、職員が落ち着いて業務をこなしていました。
意外と狭いことに驚きました。
足元を見ると見るとすべてのデスクや機材がボルトで床に固定されていました。
この部屋はどのような地震が来ても業務ができるよう、震災前から対策を施していたとのこと。
なお、上層階では揺れの大きさに耐えられず、倒れた本棚などがあったため、改めてボルトで固定するなど対策を見直したそうです。
今も頻発する地震
私たちが見学した数十分の間にも、地震が発生しました。
警報音が鳴り、緊張感が走りました。担当者が直ちにその地震について解析し、津波発生の恐れがないかを確認。幸い大きな地震ではなく、みんなで胸をなでおろしました。
地震モニターふとそばにあったモニターを見ると、色や大きさの違うたくさんの丸印が付いている日本地図を発見。直近で発生した地震がまとめて表示されていたのです。
モニター上部にあった数字が目に入りました。
「1月20日14:20~25日11:03 1753」
「1753」・・・・この5日間に、全国で起き、見学時点で気象庁が確認した地震の数です。
体に感じないものも合わせるとこんなにも沢山の地震が起きているのかと愕然としました。
いつ来てもおかしくない東海地震・・・いま私たちにできること
情報交換する
CSRプロジェクトチームメンバー気象庁では「東海地震に関する情報」をHP上で公開しています。そこには「東海地震が発生した場合、地震の揺れや津波などにより建物全壊約26万棟、死者数約9、200人という甚大な被害が予測されるため日頃からの十分な備えが必要です」とあります。
見学の際、相澤氏も「東海地震は"今"来てもおかしくない」と言っていました。
「現在の観測網で前兆すべりというプレートの現象を捉えることが出来れば、予知が出来ると考えている。
震源が陸に近いので地震発生直後に津波が来る。何としてでも、予知したい」と
力強く語っていました。
また、「想定にとらわれず地震を小さく見積もらない」とも話していました。
その言葉の背景には、3・11の地震の大きさを過小評価してしまった反省があるという。
どんなに技術が進んでも、情報を出すか出さないかの最終判断は、"人"にゆだねられているのです。
「地震を過小評価しない」。あの震災以来 職員の意識も大きく変わったそうです。
一方、今、私たちにできることはなんでしょうか。
「統計や確率も大事だが、起きた時にどう対処するかが何より大事」
それによって被害の大きさが変わってくるからです。
「日頃の備え」・・・当たり前のことのようですが、そこから始めることの大切さを改めて実感しました。
また、情報の最終的な送り出しを担う私たちテレビ局の「備え」についても、思いを新たにした見学会でした。