「ありがとう!チャンピイ~日本初の盲導犬誕生物語~」
[2008年10月10日更新分]
プロデューサー 立松嗣章 スペシャルコラム
(2008年9月13日 21:00~23:10放送)
今からほんの50年ほど前、日本はめまぐるしい経済成長を続けながらも、戦傷や栄養失調から視覚障害者になってしまう方が多くいらっしゃいました。
そんな時代に、一人の調教師とチャンピイの飼い主である一人の視覚障害者の方が、家族の応援を得ながら日本初となる盲導犬を誕生させるという実話には、「人間と犬の絆」だけではなく、「家族愛」、「人間愛」、そして「使命感」という要素がたくさん詰まっています。
どんなに辛く苦しくても人のため、社会のために自分はやり遂げるという気持ちを持つことは難しいことかもしれません・・・。しかし、このドラマの主人公たちの純粋に頑張る姿は現代社会に生きる私達に忘れかけていた熱い想いを与えてくれます。
この実話は、それほど知られている話ではありませんでしたが、関連書籍を読んですぐにドラマ化を決めました。それだけ強く惹かれる実話だったからです。ドラマの登場人物は皆さん御健在なので、約2年間にわたり丁寧な取材をさせて頂き、脚本作りの参考とさせて頂きました。
主役である高嶋政伸さんは盲導犬育成で実績のあるアイメイト協会にも足を運び、目隠し歩行訓練などを実際に行い、役作りに大変力を入れていただきました。また、伊藤淳史さんは目の不自由な方の役は初めてということもあり、実際に盲学校の卒業生の方に指導してもらうなど熱心に取り組んでいました。
今回のドラマで使用した盲導犬は当時を正確に再現する為、今では使用されていないシェパード犬を起用し、リアルな時代考証を心がけました。
こうした出演者、スタッフとこの作品に協力して頂いた関係者の方々の熱い思いが結集し、素晴らしいドラマになったのだと思います。そして、この事実を一人でも多くの方に知ってもらいたいと願っています。
文:立松 嗣章(フジテレビ 編成部)