アフガニスタンの現状
アフガニスタンの現状2 教育2 成功と課題
バック・トゥ・スクール・キャンペーンの成功と課題
 Dr. Eric Laroche(現ユニセフ・アフガニスタン事務所代表)はマザールという町を訪れた時に学校のテント教室の中で『将来いったい何になりたいの?』と女の子に聞きました。『医者になりたい』『教師になりたい』といった答えが返ってきます。これは本当に典型的な答えです。

 ほとんどの女の子が医師か教師あるいは弁護士になりたいと答えます。エリックはそこで『飛行機のパイロットになりたい人はいない?』と聞きました。すると女の子の目が輝き初め、『それにもなれるかもしれない』という答えが返ってきました。タリバンの時代に家に閉じこめられ、教育を受ける事を許されなかった女の子にとって教育を受けられる様になったという事はどの様な事を意味するのでしょうか。希望を回復するという事です。今まで希望がなかった、しかしこれからは様々な事ができるといった希望が回復したのです。そして、女の子達は感情的・情緒的にも発展していくのです。“バック・トゥ・スクール・キャンペーン”によって女性が教育を受けられるようになったという事は歴史的にも大きな意味をもつ出来事です。

 教育の機会を与えるのは“知識を得られる”“学ぶことが出来る”という事だけに留まるわけではありません。教育は予防接種などの支援とは若干異なります。

 予防接種の注射を一度すればそれで取りあえずは良いわけです。もちろん、予防接種を受けても感染の可能性もあります。逆に予防接種を受けなくても病気にならないかもしれません。しかし、教育は違います。教育は続けていかなくてはならないわけです。途中で支援が打ち切られてしまうと希望を失ってしまう事になってしまいます。

 カルザイ大統領は3月23日の学校再開時に目に涙を溜めながら“バック・トゥ・スクール・キャンペーン”の成功の喜びを体いっぱいで表現しました。

 教育へ投資をするということ、これはアフガニスタンにとって平和を構築する為の大事なプロセスなのです。20年以上の内戦によって社会は教育を失いました。そして教育が無い為に内戦が続く、そういった悪循環がありました。教育を復活させることによって平和への道筋がたてられたのです。そして、この“バック・トゥ・スクール/学校へ戻ろうキャンペーン”の60%は日本の支援によってまかなわれています。
成功と課題01
ユニセフが用意したバックにはテキストや教材が入っている。子供たちは、勉強が楽しい!と嬉しそうに言う。
成功と課題02
ユニセフが行っている"Back to School"キャンペーンのポスター。この活動で300万人以上の子供たちが学校に戻ってきた。
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